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「こんな小さな村に、夫婦で旅行かい?」
「いえ、そんなんじゃ――」
「久々に休みが取れたので、普段行かない様な所を回ってるんですよ」
「ちょっ……クロロ?!」
「そう照れるなよ、ナマエ」
「仲が良いわねぇ。羨ましいわぁ」
ナマエの言葉を遮って、クロロは女将と談笑していた。
「部屋はどうする?別々なら1人1万ジェニー、一緒なら1人8千ジェニーだよ」
女将の言葉に、ナマエは少し考えた。
「一緒の部屋でお願いします」
「ナマエ?!」
「あいよー」
先に支払いを済ませ、与えられた部屋へと移動する2人。
「それにしても、同じ部屋で良かったのか?」
「何が?」
「オレと同じ部屋で、本当に良かったのか?」
「?節約しないと駄目だから、仕方がないでしょ」
「『夫婦』ってのは否定しようとしたのに?」
「だって、『夫婦』じゃないし……」
「なら、『恋人』は?」
「まだ早い!」
クロロはナマエの言葉に苦笑を漏らしつつ、頭を撫でた。
「子供扱いして……」
「年下だろ?」
「同い年だっての!」
「……そうなのか?」
「童顔に見られるから嫌なんだよ、こっちで言う【ジャポン】顔は……」
「可愛いから良いじゃないか」
「良くないー」
「ほら、そういう所も可愛いんだよ」
呆れ返るナマエに喉の奥でクツクツと笑うクロロは、最近まで暴れまわっていた男には見えなかった。
そうこうしている内に夜になり、ナマエとクロロは宿屋で夕食を取る事にした。
「人にご飯作って貰うの、何年振りだろ……」
「何?普段から自炊してたの?」
「うん。節約にもなるしね」
「意外だな」
「そう?」
運ばれてきた食事を食べながら、クロロとの会話も弾んでいた。
「クロロは普段から外食のイメージだよね」
「そうだなぁ……パクやマチがいる時は外食じゃないけど、他のメンバーの時は外食が当たり前だな」
「やっぱり……」
「それがどうかしたか?」
「いや、お金持ってる人は羨ましいなぁって思ってね」
「ナマエだって、闘技場で稼いだ金がまだあるだろ?」
「いやいや、節約して計画的に使いますよ?あのお金は」
「そんなに直ぐ無くなる金額じゃないだろ?」
「金額の問題じゃないよ……もう二度とあんな戦闘漬けの日々はゴメンです…………」
「自分から行きたいって言ったんじゃないか」
クツクツ笑うクロロは、心底楽しそうだった。
旅団員と別れてからのクロロは、何処か上の空な事が多かった。しかし、ここ最近はよく笑う様になっていた。
(吹っ切れたのかな……)
「良かった」
「ん?」
「クロロが普通に笑える様になって」
「オレ、そんなに笑ってなかったか?」
「皆と別れてからは、笑ってなかったよ」
「そうか……心配かけたな」
ナマエの頭をクシャッと撫でてやるクロロの顔は、楽しげだった。
「もー、また子供扱いして……」
「精神年齢低いからな、ナマエは」
「そんな事ない!」
「さて、どうかな」
「……クロロの意地悪」
「良く言うだろ?好きな子程苛めたくなるって」
「それは子供の話でしょうが!」
「くくくっ。可愛い反応するナマエが悪い」
「ドS!」
「今更だね」
「変態!」
「好きな女の前では、男は皆変態だ」
「……」
「どうした?もう終わり?」
「…………口で勝てそうにない」
「口意外だったら、勝てるの?」
「むー……」
不貞腐れるナマエを愛おしそうに眺めるクロロの顔は、実に幸せそうだった。
それからというもの、クロロのナマエに対する態度が明らかに変わった。今までよりも、ナマエが好きだという事を全面に押し出して接してきたのだ。
「クロロ、暑い」
ナマエは立ち止まり、クロロを見た。
「いえ、そんなんじゃ――」
「久々に休みが取れたので、普段行かない様な所を回ってるんですよ」
「ちょっ……クロロ?!」
「そう照れるなよ、ナマエ」
「仲が良いわねぇ。羨ましいわぁ」
ナマエの言葉を遮って、クロロは女将と談笑していた。
「部屋はどうする?別々なら1人1万ジェニー、一緒なら1人8千ジェニーだよ」
女将の言葉に、ナマエは少し考えた。
「一緒の部屋でお願いします」
「ナマエ?!」
「あいよー」
先に支払いを済ませ、与えられた部屋へと移動する2人。
「それにしても、同じ部屋で良かったのか?」
「何が?」
「オレと同じ部屋で、本当に良かったのか?」
「?節約しないと駄目だから、仕方がないでしょ」
「『夫婦』ってのは否定しようとしたのに?」
「だって、『夫婦』じゃないし……」
「なら、『恋人』は?」
「まだ早い!」
クロロはナマエの言葉に苦笑を漏らしつつ、頭を撫でた。
「子供扱いして……」
「年下だろ?」
「同い年だっての!」
「……そうなのか?」
「童顔に見られるから嫌なんだよ、こっちで言う【ジャポン】顔は……」
「可愛いから良いじゃないか」
「良くないー」
「ほら、そういう所も可愛いんだよ」
呆れ返るナマエに喉の奥でクツクツと笑うクロロは、最近まで暴れまわっていた男には見えなかった。
そうこうしている内に夜になり、ナマエとクロロは宿屋で夕食を取る事にした。
「人にご飯作って貰うの、何年振りだろ……」
「何?普段から自炊してたの?」
「うん。節約にもなるしね」
「意外だな」
「そう?」
運ばれてきた食事を食べながら、クロロとの会話も弾んでいた。
「クロロは普段から外食のイメージだよね」
「そうだなぁ……パクやマチがいる時は外食じゃないけど、他のメンバーの時は外食が当たり前だな」
「やっぱり……」
「それがどうかしたか?」
「いや、お金持ってる人は羨ましいなぁって思ってね」
「ナマエだって、闘技場で稼いだ金がまだあるだろ?」
「いやいや、節約して計画的に使いますよ?あのお金は」
「そんなに直ぐ無くなる金額じゃないだろ?」
「金額の問題じゃないよ……もう二度とあんな戦闘漬けの日々はゴメンです…………」
「自分から行きたいって言ったんじゃないか」
クツクツ笑うクロロは、心底楽しそうだった。
旅団員と別れてからのクロロは、何処か上の空な事が多かった。しかし、ここ最近はよく笑う様になっていた。
(吹っ切れたのかな……)
「良かった」
「ん?」
「クロロが普通に笑える様になって」
「オレ、そんなに笑ってなかったか?」
「皆と別れてからは、笑ってなかったよ」
「そうか……心配かけたな」
ナマエの頭をクシャッと撫でてやるクロロの顔は、楽しげだった。
「もー、また子供扱いして……」
「精神年齢低いからな、ナマエは」
「そんな事ない!」
「さて、どうかな」
「……クロロの意地悪」
「良く言うだろ?好きな子程苛めたくなるって」
「それは子供の話でしょうが!」
「くくくっ。可愛い反応するナマエが悪い」
「ドS!」
「今更だね」
「変態!」
「好きな女の前では、男は皆変態だ」
「……」
「どうした?もう終わり?」
「…………口で勝てそうにない」
「口意外だったら、勝てるの?」
「むー……」
不貞腐れるナマエを愛おしそうに眺めるクロロの顔は、実に幸せそうだった。
それからというもの、クロロのナマエに対する態度が明らかに変わった。今までよりも、ナマエが好きだという事を全面に押し出して接してきたのだ。
「クロロ、暑い」
ナマエは立ち止まり、クロロを見た。