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クラピカ達と別れて早数日。ナマエはクロロと共にヨークシンの東を目指して歩いていた。
「何も無いな……」
「そうだね~。何も無いね」
辺り一面岩だらけの地帯を抜けたと思ったら、気付いたら深い森の中に入っていた。
「まぁ、これだけ深い森だと食糧に不自由はしないと思うよ?現に果物は豊富だしね」
「……」
「川とか湖があるから水も困らないし」
「…………」
「遭遇した獣とか、魚獲ればそこまでひもじい思いせずに町まで行けると思うよ」
「………………」
「クロロ?」
「ん?ああ、どうした?」
「クロロこそどうしたの?上の空だけど……」
「ちょっとな……」
何か考えているクロロを気に掛けながら、ナマエは歩を進めた。
その日の夜。これまでと同じ様に野宿の支度をするナマエを、クロロはただ見つめていた。
「よし!準備完了!!」
歩きながら集めた食材で夕食を作り、食べるだけの状態にしたナマエ。
「クロロ、準備出来たよ」
「ああ、有難う」
「さ、食べようか」
「今日も美味そうだな」
「うん。今日は良い食材が手に入ったからね」
ウキウキしているナマエは、クロロに食べるように促した。
「どう?」
「うん、美味しいよ」
「良かった~」
クロロの反応にドキドキしながら、ナマエも食事に口をつけた。
「うん、合格点!」
「……お前な、自分で食べてから人に勧めろよ」
「えー?美味しいのは当たり前じゃん」
『誰が作ってると思ってるの?』と小馬鹿にしたようにクロロを見遣るナマエだが、クロロはそんなナマエを見つめるだけ。
「ちょっ!突っ込んでよ!!」
「いや、いつも美味い飯を有難うな」
「……狡い」
「何が?」
「そんな綺麗な顔で笑われたら、照れるじゃん……」
「本当の事を言ったまでだよ。それより、照れる必要あるの?今更」
「普段のクロロはそんな顔で笑わないじゃん……」
悔しそうに顔を顰めるナマエを見て、クロロは微笑んだ。その顔に団長としての威厳はなく、青年としてのクロロの顔だった。
「どういう心変わり?」
「?」
「団長モード出さないのって、どういうつもり?」
「団長モード……ねぇ」
「私が団員じゃないから?」
「まあ、それもあるかな」
「他にもあるの?」
「ナマエの前では、素のオレでいようと思ってね」
「……何か企んでるの?」
ナマエの問いかけに、クロロは笑ったまま答える。
「企んでる……か。確かにそうかもね」
「……やっぱ企んでるんかよ!?」
「企んでるという言い方が正しいか判らないけどね」
「どういう事?」
「ナマエは、こっちのオレの方が好きなんでしょ?」
「……団長モードよりはね」
「なら、ナマエといる時はなるべくこっちでいようかと思ってね」
「何でまた急に……」
「ナマエがオレにキスしてくれたから」
「は?」
「それがキッカケ、かな」
穏やかに笑うクロロに、ナマエは二の句が紡げなかった。
(こんな顔も出来たんだ、クロロ……)
「そんな呆けた顔するなよ」
「いや、そう言われてもね……いきなり心変わりしたクロロが悪い」
むくれるナマエに愛おしさを感じたクロロは、『そうか』と言って微笑んだ。
それから更に数日歩き、ナマエ達は小さな町に着いた。そこは宿屋が1軒あるだけの、とても小さな町だった。
「久しぶりに野宿から開放される!」
「嬉しそうだな」
「そりゃ~、ゆっくり休めるから!」
「野宿の時は、いつも気を張ってたからね」
「……クロロを守れるのは、今私しかいないからね」
「頼りにしてるよ」
「うん、頼って」
笑いながら言うナマエに、クロロは笑顔を返した。
それから町の宿屋に入り、1泊したい旨を告げた。
「何も無いな……」
「そうだね~。何も無いね」
辺り一面岩だらけの地帯を抜けたと思ったら、気付いたら深い森の中に入っていた。
「まぁ、これだけ深い森だと食糧に不自由はしないと思うよ?現に果物は豊富だしね」
「……」
「川とか湖があるから水も困らないし」
「…………」
「遭遇した獣とか、魚獲ればそこまでひもじい思いせずに町まで行けると思うよ」
「………………」
「クロロ?」
「ん?ああ、どうした?」
「クロロこそどうしたの?上の空だけど……」
「ちょっとな……」
何か考えているクロロを気に掛けながら、ナマエは歩を進めた。
その日の夜。これまでと同じ様に野宿の支度をするナマエを、クロロはただ見つめていた。
「よし!準備完了!!」
歩きながら集めた食材で夕食を作り、食べるだけの状態にしたナマエ。
「クロロ、準備出来たよ」
「ああ、有難う」
「さ、食べようか」
「今日も美味そうだな」
「うん。今日は良い食材が手に入ったからね」
ウキウキしているナマエは、クロロに食べるように促した。
「どう?」
「うん、美味しいよ」
「良かった~」
クロロの反応にドキドキしながら、ナマエも食事に口をつけた。
「うん、合格点!」
「……お前な、自分で食べてから人に勧めろよ」
「えー?美味しいのは当たり前じゃん」
『誰が作ってると思ってるの?』と小馬鹿にしたようにクロロを見遣るナマエだが、クロロはそんなナマエを見つめるだけ。
「ちょっ!突っ込んでよ!!」
「いや、いつも美味い飯を有難うな」
「……狡い」
「何が?」
「そんな綺麗な顔で笑われたら、照れるじゃん……」
「本当の事を言ったまでだよ。それより、照れる必要あるの?今更」
「普段のクロロはそんな顔で笑わないじゃん……」
悔しそうに顔を顰めるナマエを見て、クロロは微笑んだ。その顔に団長としての威厳はなく、青年としてのクロロの顔だった。
「どういう心変わり?」
「?」
「団長モード出さないのって、どういうつもり?」
「団長モード……ねぇ」
「私が団員じゃないから?」
「まあ、それもあるかな」
「他にもあるの?」
「ナマエの前では、素のオレでいようと思ってね」
「……何か企んでるの?」
ナマエの問いかけに、クロロは笑ったまま答える。
「企んでる……か。確かにそうかもね」
「……やっぱ企んでるんかよ!?」
「企んでるという言い方が正しいか判らないけどね」
「どういう事?」
「ナマエは、こっちのオレの方が好きなんでしょ?」
「……団長モードよりはね」
「なら、ナマエといる時はなるべくこっちでいようかと思ってね」
「何でまた急に……」
「ナマエがオレにキスしてくれたから」
「は?」
「それがキッカケ、かな」
穏やかに笑うクロロに、ナマエは二の句が紡げなかった。
(こんな顔も出来たんだ、クロロ……)
「そんな呆けた顔するなよ」
「いや、そう言われてもね……いきなり心変わりしたクロロが悪い」
むくれるナマエに愛おしさを感じたクロロは、『そうか』と言って微笑んだ。
それから更に数日歩き、ナマエ達は小さな町に着いた。そこは宿屋が1軒あるだけの、とても小さな町だった。
「久しぶりに野宿から開放される!」
「嬉しそうだな」
「そりゃ~、ゆっくり休めるから!」
「野宿の時は、いつも気を張ってたからね」
「……クロロを守れるのは、今私しかいないからね」
「頼りにしてるよ」
「うん、頼って」
笑いながら言うナマエに、クロロは笑顔を返した。
それから町の宿屋に入り、1泊したい旨を告げた。