念
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暫くすると、両手に出来上がったツマミを持ったナマエが戻って来た。
「お待たせ、ウボォーギン」
「お、待ってたぜ!」
ナマエからツマミを受け取り、早速と言わんばかりにビールに手を付けるウボォーギン。そんなウボォーギンを横目に、クロロを見やると何やら考え事をしている様だった。
「…………ロ」
「………………」
「……ロロ」
「………………」
「クロロ!!」
「ん?どうした、ナマエ」
何度か自身の名前を呼ばれた事により、思考を中断したクロロは不思議そうにナマエを見た。
「食事中に自分の世界に入らないで。冷めたら不味くなる」
「ああ、悪かった」
「悪いと思うなら、以後食事中の考え事は禁止ね」
「……善処する」
「是非そうして。んじゃ、私は行くから用があったら呼んで」
「待て、何処に行く?行き先位言ってから行け」
「部屋に戻るだけだよ。心配しなくても、まだ逃げる気はない」
それだけ言い残し、ナマエは充てがわれている自分の部屋へと引っ込んだ。
「な?可愛気のない女だろ??フランクリン」
大声を出して笑うウボォーギンに肯定の言葉を返し、フランクリンはクロロを見据えた。
「団長、いつまであの女を側に置く気なんだ?」
「さあな……飽きるまでじゃないか?」
「そんなに気に入ったのかい?」
「ああ。気に入ったから【念】を覚えさせて、側に置くつもりだ」
ニヤリと口元を歪めて、クロロは残った食事を消化した。
フランクリンが来てからというもの、ナマエは放出系の能力について鍛えられていた。
「オレは指を切り落とす事で【念弾】の威力を上げた訳だが……お前はどうするつもりだ?」
不意の問いかけに、ナマエは逡巡した。
「【制約】と【誓約】の能力は今の所必要ない。つか、自分の【世界】に戻った時に、指無くなったりしてたら困るし」
「困る?」
「仕事上困るんだよ、いきなり指無くなったりすると」
「仕事上?手先を使う仕事でもしてたのか?」
「手先ってか、正確にはPC使う仕事かな……コレでも小説家の端くれだからね」
自嘲気味に笑うナマエを見て、フランクリンは興味を抱いた。
「可愛気は無いが、教え甲斐はありそうだな」
「さいですか」
「自分の事なのに、随分と無関心だな?」
「自分の事だから、無関心なだけです」
「普通は逆だろう?」
「生憎、私は普通じゃないんで」
何を言っても可愛気のない返答しかしないナマエに対し、フランクリンはクロロが気に入っているという理由を探ろうとして諦めた。
その後、【念】の応用技まで叩き込んでフランクリンは仮宿を後にした。
「結局、フランクリンがいる間に【念能力】は完成しなかったのか?」
「してない訳じゃない。ただ、形になってないだけ」
「ほう……どういう【能力】にするつもりだ?」
「……【言葉】」
「【言葉】?」
「そう。【言葉】の力を使う」
「面白い発想だな」
「発想だけはね……実際に形にするのが難しい」
それだけ言うと、ナマエは考え込んだ。
明くる日、ナマエは仮宿の外で1人悶々と考え込んでいた。
外縁を埋めたのは良い。しかし、肝心の中身をどうするべきか?それが決まっていなかった。
「物は試し……かねぇ」
独り言ちるとナマエは立ち上がり、手近な木に向かって手を翳した。
「……【騰蛇(とうだ)】 」
十二天将の1人の名を呟いてみると、その掌からは紅蓮の炎が舞い上がり手を翳していた木に目掛けて飛んで行った。
爆音を鳴り響かせながら、ナマエが手を翳していた木は燃え上がった。
その音に最初に気付いたのは、マチだった。
「今の音はなんだい!?」
仮宿から飛び出たマチが最初に目にした物。それは不敵に笑うナマエの姿だった。
「ナマエ!怪我はないかい?!」
木の近くに立ち尽くしているナマエに駆け寄り、言葉を掛けるマチ。
その後に続いて、ウボォーギンとクロロが出てきた。
「今の音は何だ?」
「敵襲か!?」
「違うよ。私がやった」
「ナマエが?!一体どうやって……」
ふらり、と体をクロロに向けナマエは口を開いた。
「【能力】完成」
ニタリ、と笑うナマエを見てクロロは思った。
(……とんでもない奴を起こしてしまったな)
そんなクロロの思いも虚しく、再度木に手を翳すナマエ。
「【青龍(せいりゅう)】」
ナマエの呟きとともに、燃えていた木から炎が消え、煙が無くなると焼け落ちたその姿が顕になった。
「今のは……お前の【念能力】なのか?」
唖然としているクロロに向かって、『そうみたい』と他人事の様に返すナマエ。
「どういう原理なんだい?コレは……」
「【言霊】で【十二天将】を召喚してみたら、出来たみたい」
「【言霊】?【十二天将】??何だそりゃ???」
「【言霊】は【言葉】の力。【十二天将】はこの世を司っている12人の神みたいなモン」
「お前、放出系じゃなかったのか?」
「なんでか、放出系なのに出来ちゃった」
「……軽くチートじゃねェか」
「そんな事言ったって、【原理】は解かんないけど出来ちゃったんだし……」
『仕方無くね?』と続けるナマエ。クロロは未だに唖然としていた。
「お待たせ、ウボォーギン」
「お、待ってたぜ!」
ナマエからツマミを受け取り、早速と言わんばかりにビールに手を付けるウボォーギン。そんなウボォーギンを横目に、クロロを見やると何やら考え事をしている様だった。
「…………ロ」
「………………」
「……ロロ」
「………………」
「クロロ!!」
「ん?どうした、ナマエ」
何度か自身の名前を呼ばれた事により、思考を中断したクロロは不思議そうにナマエを見た。
「食事中に自分の世界に入らないで。冷めたら不味くなる」
「ああ、悪かった」
「悪いと思うなら、以後食事中の考え事は禁止ね」
「……善処する」
「是非そうして。んじゃ、私は行くから用があったら呼んで」
「待て、何処に行く?行き先位言ってから行け」
「部屋に戻るだけだよ。心配しなくても、まだ逃げる気はない」
それだけ言い残し、ナマエは充てがわれている自分の部屋へと引っ込んだ。
「な?可愛気のない女だろ??フランクリン」
大声を出して笑うウボォーギンに肯定の言葉を返し、フランクリンはクロロを見据えた。
「団長、いつまであの女を側に置く気なんだ?」
「さあな……飽きるまでじゃないか?」
「そんなに気に入ったのかい?」
「ああ。気に入ったから【念】を覚えさせて、側に置くつもりだ」
ニヤリと口元を歪めて、クロロは残った食事を消化した。
フランクリンが来てからというもの、ナマエは放出系の能力について鍛えられていた。
「オレは指を切り落とす事で【念弾】の威力を上げた訳だが……お前はどうするつもりだ?」
不意の問いかけに、ナマエは逡巡した。
「【制約】と【誓約】の能力は今の所必要ない。つか、自分の【世界】に戻った時に、指無くなったりしてたら困るし」
「困る?」
「仕事上困るんだよ、いきなり指無くなったりすると」
「仕事上?手先を使う仕事でもしてたのか?」
「手先ってか、正確にはPC使う仕事かな……コレでも小説家の端くれだからね」
自嘲気味に笑うナマエを見て、フランクリンは興味を抱いた。
「可愛気は無いが、教え甲斐はありそうだな」
「さいですか」
「自分の事なのに、随分と無関心だな?」
「自分の事だから、無関心なだけです」
「普通は逆だろう?」
「生憎、私は普通じゃないんで」
何を言っても可愛気のない返答しかしないナマエに対し、フランクリンはクロロが気に入っているという理由を探ろうとして諦めた。
その後、【念】の応用技まで叩き込んでフランクリンは仮宿を後にした。
「結局、フランクリンがいる間に【念能力】は完成しなかったのか?」
「してない訳じゃない。ただ、形になってないだけ」
「ほう……どういう【能力】にするつもりだ?」
「……【言葉】」
「【言葉】?」
「そう。【言葉】の力を使う」
「面白い発想だな」
「発想だけはね……実際に形にするのが難しい」
それだけ言うと、ナマエは考え込んだ。
明くる日、ナマエは仮宿の外で1人悶々と考え込んでいた。
外縁を埋めたのは良い。しかし、肝心の中身をどうするべきか?それが決まっていなかった。
「物は試し……かねぇ」
独り言ちるとナマエは立ち上がり、手近な木に向かって手を翳した。
「……【騰蛇(とうだ)】 」
十二天将の1人の名を呟いてみると、その掌からは紅蓮の炎が舞い上がり手を翳していた木に目掛けて飛んで行った。
爆音を鳴り響かせながら、ナマエが手を翳していた木は燃え上がった。
その音に最初に気付いたのは、マチだった。
「今の音はなんだい!?」
仮宿から飛び出たマチが最初に目にした物。それは不敵に笑うナマエの姿だった。
「ナマエ!怪我はないかい?!」
木の近くに立ち尽くしているナマエに駆け寄り、言葉を掛けるマチ。
その後に続いて、ウボォーギンとクロロが出てきた。
「今の音は何だ?」
「敵襲か!?」
「違うよ。私がやった」
「ナマエが?!一体どうやって……」
ふらり、と体をクロロに向けナマエは口を開いた。
「【能力】完成」
ニタリ、と笑うナマエを見てクロロは思った。
(……とんでもない奴を起こしてしまったな)
そんなクロロの思いも虚しく、再度木に手を翳すナマエ。
「【青龍(せいりゅう)】」
ナマエの呟きとともに、燃えていた木から炎が消え、煙が無くなると焼け落ちたその姿が顕になった。
「今のは……お前の【念能力】なのか?」
唖然としているクロロに向かって、『そうみたい』と他人事の様に返すナマエ。
「どういう原理なんだい?コレは……」
「【言霊】で【十二天将】を召喚してみたら、出来たみたい」
「【言霊】?【十二天将】??何だそりゃ???」
「【言霊】は【言葉】の力。【十二天将】はこの世を司っている12人の神みたいなモン」
「お前、放出系じゃなかったのか?」
「なんでか、放出系なのに出来ちゃった」
「……軽くチートじゃねェか」
「そんな事言ったって、【原理】は解かんないけど出来ちゃったんだし……」
『仕方無くね?』と続けるナマエ。クロロは未だに唖然としていた。