ヨークシン
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「全部だ。地下競売のお宝、丸ごと掻っ攫う」
クロロの言葉に、集まった団員が一気に静まり返った。
「本気かよ、団長。地下の競売は世界中のヤクザが協定を組んで仕切ってる。手ェ出したら、世の中の筋モン全部敵に回す事になるんだぜ!!団長!!」
最初に反応したのは、ウボォーギンだった。
「怖いのか?」
「嬉しいんだよ……!!命じてくれ、団長。今直ぐ!!」
「オレが許す。殺せ。邪魔する奴は残らずな」
「おお!!」
クロロの発言を合図に、蜘蛛は動き出した。
「ナマエ」
「何?」
「なるべくオレから離れるな」
「……それは無理」
「理由は?」
「やらなきゃいけない事があるから」
「ほう……それは【仕事】よりも大事な事なのか?」
「うん。むしろ、この為に【能力】があるのかもしれない」
「……分かった。好きな様に動け。ただし、無理は禁物だ」
「有難う、クロロ」
「ああ。その代わり、後悔だけはするなよ?」
「分かってる」
隣に座るナマエの頭を撫でながら、クロロは続けた。
「惚れた弱みってヤツだな」
「え?」
「オレがナマエに甘いのは」
「ふふふ。後悔した?」
「いや。満足しているよ」
そう言いながら、クロロは本に視線を移した。
強奪組が出ていき暫く経った時、クロロの携帯が鳴った。
「品物がない?」
クロロの反応に、その場に残った団員は視線をクロロへと集中させた。
『ああ。金庫の中には何一つ入って無かった。唯一事情を知ってたオークショニアによると、一度金庫に入れた品を数時間前にまたどこかへ移したらしい。まるで、予めこういう事態が起こる事を知ってたみたいに』
「ほお」
缶コーヒーを飲むクロロの手が止まった。
『あまりにタイミングが良すぎる。オレ達に中にユダがいるぜ』
「いないよ、そんな奴は。それに、オレの考えじゃユダは裏切り者じゃない。ちなみにユダは銀30枚でキリストを売ったとされてるが、オレ達の中の【裏切り者】は、いくらでオレ達をマフィアに売る?メリットを考えろ。マフィアにオレ達を売って、【そいつ】は何を得るんだ?金か?名誉か?地位か?それで満足したと思える様な奴が、オレ達の中に本当にいるのか?」
『……流石にそんな奴はいねェな』
「だろう?それと、もう一つ解せない点がある。密告者がいたと仮定すると、あまりに対応が中途半端だ。A級首の蜘蛛が競売品を狙いに来るって情報が本当に入っていたら、もう少し厳重に警備しててもいいんじゃないか?お前達の話を総合すると、マフィアの対応は、『妙なタレ込みがあったので、いつもより少し警戒するか』程度の物だ。その証拠に、客の方は何も知らされず丸腰で集まってる。そこでだ。オレの結論を言うと――情報提供者はいるが、その内容は具体的ではない。にも関わらず、それを信用している人物がマフィアンコミュニティーの上層部にいる」
クロロの言葉を、皆が耳を澄ませて聞いている。
『よく……わからねェな。どんな情報が誰から誰へ伝わってるかがよ。まあいい――で、オレ達はどうすればいい?』
「競売品を何処に移したかは聞いたか?」
『ああ。だが、オークショニアは死ぬまで『知らない』の一点張りだったぜ。フェイタンが体に聞いたから、まず本当だ』
『彼が今日一番、気の毒なヒトだたね』
「移動場所を知ってる奴の情報は聞き出したんだろう」
『もちろんだ。地下競売を仕切るのはマフィアンコミュニティーで、6大陸10地区をナワバリにしている大組織の長達。通称“十老頭”がその元締だ。この10人がこの時期だけ一か所に集まり、話し合いによって様々な指示を出すそうだ。実際に動くのは、“十老頭”自慢の実行部隊“陰獣”。それぞれの長が組織最強の“武闘派”を持ち寄って結成したらしい』
「なる程。警備にそいつ等が参加してなかった事からみても、オレ達の介入は知らなかったと考えていいだろう」
『そうだな。言われりゃ確かに警備は呆れる程お粗末だった』
クロロの言葉に、集まった団員が一気に静まり返った。
「本気かよ、団長。地下の競売は世界中のヤクザが協定を組んで仕切ってる。手ェ出したら、世の中の筋モン全部敵に回す事になるんだぜ!!団長!!」
最初に反応したのは、ウボォーギンだった。
「怖いのか?」
「嬉しいんだよ……!!命じてくれ、団長。今直ぐ!!」
「オレが許す。殺せ。邪魔する奴は残らずな」
「おお!!」
クロロの発言を合図に、蜘蛛は動き出した。
「ナマエ」
「何?」
「なるべくオレから離れるな」
「……それは無理」
「理由は?」
「やらなきゃいけない事があるから」
「ほう……それは【仕事】よりも大事な事なのか?」
「うん。むしろ、この為に【能力】があるのかもしれない」
「……分かった。好きな様に動け。ただし、無理は禁物だ」
「有難う、クロロ」
「ああ。その代わり、後悔だけはするなよ?」
「分かってる」
隣に座るナマエの頭を撫でながら、クロロは続けた。
「惚れた弱みってヤツだな」
「え?」
「オレがナマエに甘いのは」
「ふふふ。後悔した?」
「いや。満足しているよ」
そう言いながら、クロロは本に視線を移した。
強奪組が出ていき暫く経った時、クロロの携帯が鳴った。
「品物がない?」
クロロの反応に、その場に残った団員は視線をクロロへと集中させた。
『ああ。金庫の中には何一つ入って無かった。唯一事情を知ってたオークショニアによると、一度金庫に入れた品を数時間前にまたどこかへ移したらしい。まるで、予めこういう事態が起こる事を知ってたみたいに』
「ほお」
缶コーヒーを飲むクロロの手が止まった。
『あまりにタイミングが良すぎる。オレ達に中にユダがいるぜ』
「いないよ、そんな奴は。それに、オレの考えじゃユダは裏切り者じゃない。ちなみにユダは銀30枚でキリストを売ったとされてるが、オレ達の中の【裏切り者】は、いくらでオレ達をマフィアに売る?メリットを考えろ。マフィアにオレ達を売って、【そいつ】は何を得るんだ?金か?名誉か?地位か?それで満足したと思える様な奴が、オレ達の中に本当にいるのか?」
『……流石にそんな奴はいねェな』
「だろう?それと、もう一つ解せない点がある。密告者がいたと仮定すると、あまりに対応が中途半端だ。A級首の蜘蛛が競売品を狙いに来るって情報が本当に入っていたら、もう少し厳重に警備しててもいいんじゃないか?お前達の話を総合すると、マフィアの対応は、『妙なタレ込みがあったので、いつもより少し警戒するか』程度の物だ。その証拠に、客の方は何も知らされず丸腰で集まってる。そこでだ。オレの結論を言うと――情報提供者はいるが、その内容は具体的ではない。にも関わらず、それを信用している人物がマフィアンコミュニティーの上層部にいる」
クロロの言葉を、皆が耳を澄ませて聞いている。
『よく……わからねェな。どんな情報が誰から誰へ伝わってるかがよ。まあいい――で、オレ達はどうすればいい?』
「競売品を何処に移したかは聞いたか?」
『ああ。だが、オークショニアは死ぬまで『知らない』の一点張りだったぜ。フェイタンが体に聞いたから、まず本当だ』
『彼が今日一番、気の毒なヒトだたね』
「移動場所を知ってる奴の情報は聞き出したんだろう」
『もちろんだ。地下競売を仕切るのはマフィアンコミュニティーで、6大陸10地区をナワバリにしている大組織の長達。通称“十老頭”がその元締だ。この10人がこの時期だけ一か所に集まり、話し合いによって様々な指示を出すそうだ。実際に動くのは、“十老頭”自慢の実行部隊“陰獣”。それぞれの長が組織最強の“武闘派”を持ち寄って結成したらしい』
「なる程。警備にそいつ等が参加してなかった事からみても、オレ達の介入は知らなかったと考えていいだろう」
『そうだな。言われりゃ確かに警備は呆れる程お粗末だった』