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着いたのは一見普通の海岸。何処にでもある風景に見えた。
「普通の海岸……だよね?」
「いや。もう少ししたら解るよ」
「もう少ししたら?」
「うん。ちょっと待とうか」
クロロの言葉に困惑したナマエだが、今はその言葉を信じる以外無い状態だった。
「こうしていると、不思議と落ち着くな」
「え?」
「ナマエと一緒に居ると、落ち着く」
「そう」
「不満そうだな」
「そう?」
「ああ。そんなに不満か?」
「別に不満ってわけじゃ……」
「なら、そんな顔するなよ」
クロロはナマエの頬に手を添え、悲しそうに微笑んだ。
「ごめん。そんなつもりじゃ」
『ない』と続けようとしたナマエだが、不意にクロロからキスをされ続ける事が出来なかった。
あまりに突然の出来事に、ナマエは反応出来なかった。気付いた時には、クロロの瞳と視線が絡まっていた。
「悪い……」
バツが悪そうにクロロは顔を背けた。
「え……っと…………クロロ?」
「本当に悪かった……」
「……謝る位なら、しないで」
絞り出す様な声でナマエは呟いていた。
「え?」
「謝る位なら、こういう事しないで!」
「なっ……」
「クロロの気持ちって、その程度なの?つか、悪いと思うなら最初からしないでよ!」
『訳分かんない』とナマエは悲しそうに眉を下げていた。
クロロは堪らず、ナマエを抱き寄せる。
「ナマエを悲しませたかった訳じゃない。ただ、自分の欲求を抑えられなかったから……それで傷つけてしまったと思ったから……」
ナマエを抱き締める腕に力を込めるクロロ。その声は震えていた。
「オレの行動で傷つけてしまったと思ったから、謝った。それが間違いだと言うなら、もう謝らない」
「クロロってさ……」
「うん」
「狡いよね」
「狡い?」
「そう。狡い」
「何処が?」
「そんな事言われたら何も言い返せないじゃない」
困った様にナマエは呟く。
「クロロは狡い」
「悪い」
「ほら、また謝った」
「悪……」
お互いに顔を見合わせ、笑った。
「ふふ。もう良いよ、謝らなくて」
「それは――これからはこういう事しても良いと、そう捉えてもいいの?」
「それは違う。そういうのは【恋人】にしてあげて」
「オレはナマエに【恋人】になって欲しいと思ってる」
ナマエの手を取り、クロロはその手の甲に口吻た。
「ちょっ……クロロ?!」
「あ、ほら見て」
クロロが腕の拘束を解いて、指を差した方向へとナマエは視線を向けた。
「うわぁ……」
「綺麗だろ?」
「うん……綺麗」
ナマエの視線の先には、これまで見た事がない光景が広がっていた。
「この時間に、ここでしか見れない景色なんだ」
懐かしそうに語るクロロに、ナマエは疑問を投げかけた。
「前に……来た事あるの?」
「ああ。だけど、こうして誰かと見るのは初めてだけどな」
どこか照れ臭そうにクロロは語った。
「オレにとって、この景色は【特別】なんだ。今まで誰かと見たいと思った事は無かったんだけどね……何でかな?ナマエには一緒に見て欲しかったんだ。可笑しいよな。蜘蛛として生きてきて、こんな感情はとうの昔に無くしたと思ってたのに――さ」
「良いんじゃない?」
「え?」
「良いと思うよ、そういうクロロも。嫌いじゃない」
「それは……オレに都合が良い意味でとっても良いの?」
「お好きにどうぞ」
にこやかに笑うナマエの顔に、もう迷いは無かった。
「ナマエ」
「何?」
「好きだ」
「有難う、クロロ」
「ナマエは?オレの事好き?」
「嫌いじゃないよ」
「可愛くないな」
「今更……私が可愛くないのは前からじゃない」
クスクス笑うナマエに、クロロは再度抱き付いた。
「冷えてきたな」
「うん」
「普通の海岸……だよね?」
「いや。もう少ししたら解るよ」
「もう少ししたら?」
「うん。ちょっと待とうか」
クロロの言葉に困惑したナマエだが、今はその言葉を信じる以外無い状態だった。
「こうしていると、不思議と落ち着くな」
「え?」
「ナマエと一緒に居ると、落ち着く」
「そう」
「不満そうだな」
「そう?」
「ああ。そんなに不満か?」
「別に不満ってわけじゃ……」
「なら、そんな顔するなよ」
クロロはナマエの頬に手を添え、悲しそうに微笑んだ。
「ごめん。そんなつもりじゃ」
『ない』と続けようとしたナマエだが、不意にクロロからキスをされ続ける事が出来なかった。
あまりに突然の出来事に、ナマエは反応出来なかった。気付いた時には、クロロの瞳と視線が絡まっていた。
「悪い……」
バツが悪そうにクロロは顔を背けた。
「え……っと…………クロロ?」
「本当に悪かった……」
「……謝る位なら、しないで」
絞り出す様な声でナマエは呟いていた。
「え?」
「謝る位なら、こういう事しないで!」
「なっ……」
「クロロの気持ちって、その程度なの?つか、悪いと思うなら最初からしないでよ!」
『訳分かんない』とナマエは悲しそうに眉を下げていた。
クロロは堪らず、ナマエを抱き寄せる。
「ナマエを悲しませたかった訳じゃない。ただ、自分の欲求を抑えられなかったから……それで傷つけてしまったと思ったから……」
ナマエを抱き締める腕に力を込めるクロロ。その声は震えていた。
「オレの行動で傷つけてしまったと思ったから、謝った。それが間違いだと言うなら、もう謝らない」
「クロロってさ……」
「うん」
「狡いよね」
「狡い?」
「そう。狡い」
「何処が?」
「そんな事言われたら何も言い返せないじゃない」
困った様にナマエは呟く。
「クロロは狡い」
「悪い」
「ほら、また謝った」
「悪……」
お互いに顔を見合わせ、笑った。
「ふふ。もう良いよ、謝らなくて」
「それは――これからはこういう事しても良いと、そう捉えてもいいの?」
「それは違う。そういうのは【恋人】にしてあげて」
「オレはナマエに【恋人】になって欲しいと思ってる」
ナマエの手を取り、クロロはその手の甲に口吻た。
「ちょっ……クロロ?!」
「あ、ほら見て」
クロロが腕の拘束を解いて、指を差した方向へとナマエは視線を向けた。
「うわぁ……」
「綺麗だろ?」
「うん……綺麗」
ナマエの視線の先には、これまで見た事がない光景が広がっていた。
「この時間に、ここでしか見れない景色なんだ」
懐かしそうに語るクロロに、ナマエは疑問を投げかけた。
「前に……来た事あるの?」
「ああ。だけど、こうして誰かと見るのは初めてだけどな」
どこか照れ臭そうにクロロは語った。
「オレにとって、この景色は【特別】なんだ。今まで誰かと見たいと思った事は無かったんだけどね……何でかな?ナマエには一緒に見て欲しかったんだ。可笑しいよな。蜘蛛として生きてきて、こんな感情はとうの昔に無くしたと思ってたのに――さ」
「良いんじゃない?」
「え?」
「良いと思うよ、そういうクロロも。嫌いじゃない」
「それは……オレに都合が良い意味でとっても良いの?」
「お好きにどうぞ」
にこやかに笑うナマエの顔に、もう迷いは無かった。
「ナマエ」
「何?」
「好きだ」
「有難う、クロロ」
「ナマエは?オレの事好き?」
「嫌いじゃないよ」
「可愛くないな」
「今更……私が可愛くないのは前からじゃない」
クスクス笑うナマエに、クロロは再度抱き付いた。
「冷えてきたな」
「うん」