念
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クツリと笑い、クロロはグラスに水を張り始めた。
「水見式?」
「ああ。それも知ってるのか」
「まぁね」
「なら、さっさとやってみせろ」
「はいはい……」
クロロに促され、水見式を行うナマエ。
両手で水の入ったグラスを包み込み、その状態で【練】をするナマエ。すると、グラスの水がみるみるうちに変色していく。
「ほぅ……」
クロロは目を細めて、その様子を観察していた。
「黒……か」
ナマエの【練】によって、グラスの中の水は墨でも溶かしたかの様に真っ黒に変色した。
「味は――変化ないな」
「……放出系なわけね」
「不満そうだな」
クツクツ笑いながら、クロロは水のついた指を舐めた。
「別に。面倒だと思っただけ」
「面倒?」
「そ。面倒」
『あ~、どうしよっかなぁ』と呟きながら、ナマエは【練】を解除した。
「放出系なら……フランクリンを呼ぶか」
「またメンバーの入れ替え?」
「いや、入れ替えはしない。【追加】だ」
「さいですか」
「腑に落ちないって顔だな」
「別に」
フイッとそっぽを向いて、ナマエは考えた。己の【念能力】をどうするかについて。
「念弾飛ばすか?いや、それじゃ面白くないな……」
「何をブツブツ言っている?」
「クロロには関係ない」
「そうか……相変わらず可愛くないな」
クロロはナマエの態度に苦笑を漏らしながらも、その姿を見つめていた。
数日後、クロロに呼ばれたフランクリンが仮宿にやって来た。
「……来たか」
「で、オレに急用っていうのは何だ?団長」
「ああ。お前に面倒を見て欲しい奴がいてな」
「……噂の女か?」
「そうだ」
「何故オレなんだ?女ならパクノダやマチに面倒見させればいいだろう?」
「【ただの】面倒ならな」
「?」
「お前にはアイツの【念能力】の面倒を見て貰いたい」
「理由は?」
「アイツがお前と同じ、放出系だったからだ」
「なる程な……で、当の本人は何処にいるんだ?」
フランクリンはクロロの周りを見回して、ナマエの居場所を訊いた。
「この時間なら、飯を作ってるはずだ」
「飯?余所者に飯を作らせているのか?」
「ああ。何もさせないのも勿体無いからな」
悪気もなく言うクロロに対し、フランクリンは目を疑った。
「そんな顔するな。アイツはオレ達に毒を盛ったりしない。いや、そんな度胸すらない――と言った方が正しいな」
「?」
「とにかく、飯の時間になれば判る」
それだけ言うと、クロロは本に視線を落とし自分の世界に入ってしまった。
手持ち無沙汰になったフランクリンは、仮宿内を歩き回りナマエの姿を探した。
暫く歩いていると、微かに食べ物の匂いが漂ってきた。匂いの元へと向かうと、見た事のない女が何やら料理を作っていた。
「餌付けのつもりか?」
「うぉっ!?」
急に背後から声を掛けられ、ナマエは驚いて包丁を落としかけた。
「……そんなつもりはない。けど、気配消して後ろから現れるのは関心出来ないな」
振り向いたナマエの目には、明らかな怒りの色が見て取れた。
「ほぅ……反抗的な女だと噂に聞いていたが、オレ達が怖くないのか?」
「怖かったら、さっさと逃げ出してる。アンタ達が何者か知ってるし、今は逃げるつもり無いから」
「理由は?」
「アンタには関係ないでしょ、フランクリン」
「なる程な……確かに可愛気の無い女だ」
「アンタ等に【可愛い】と思われても、何の得にもならない。なら、このままで何の問題もない。違う?」
「いいや。違いねェな」
「そ。なら、話は終わり。もうすぐご飯出来るから、クロロ呼んできて」
それだけ言うと、ナマエはまた料理する手を動かし始めた。
ホールのように開けた場所に、クロロ・ウボォーギン・マチ・フランクリンが集まった。そこにナマエが出来上がった料理を持ってきて、食事開始となる。
「今日はジャポン料理じゃないのか?」
「意外と手間かかるんだよ、ジャポン料理は。図体デカいのが2人もいるんだから、手抜き位させてよ。酒のツマミは別に作るから」
「手抜きでコレか?」
「うん。十分手抜きだよ?」
「お前の言う【手抜き】の定義が解らんな」
「理解しなくていいよ。借りを返したら出て行くから」
決して目を合わせずに、黙々と自分の分を平らげていくナマエを見てクロロは笑った。
「貸しを作った覚えはないぞ」
「そっちにはなくても、こっちにはあるんだよ。ごちそーさま」
言うが早いか、ナマエは食べ終わると立ち上がって食器類を片付け始めた。
「何処へ行く?」
「ツマミ作ってくる。ウボォーギンが飲みたそうだし」
簡潔に答えると、さっさと調理場へ向かって行くナマエ。
「団長、本当に【念能力】を鍛えてやる気なのか?」
「ああ。面白い素材になりそうだからな」
「何の話だい?」
「団長が、あの女の【念能力】の面倒をみろって言い出したんだよ」
「……あたしは聞いてないよ、団長」
睨み付ける様に言うマチに対し、クロロは悪気もなく答えた。
「ああ、そう言えば言ってなかったな」
「どういうつもりだい?」
「どういうも何も、ナマエに【念能力】を習得させて仕事を手伝わせる」
「それってよォ、蜘蛛に入れるって事か?団長」
「それも面白いかもな」
ウボォーギンの言葉に、クロロは考えた。
「水見式?」
「ああ。それも知ってるのか」
「まぁね」
「なら、さっさとやってみせろ」
「はいはい……」
クロロに促され、水見式を行うナマエ。
両手で水の入ったグラスを包み込み、その状態で【練】をするナマエ。すると、グラスの水がみるみるうちに変色していく。
「ほぅ……」
クロロは目を細めて、その様子を観察していた。
「黒……か」
ナマエの【練】によって、グラスの中の水は墨でも溶かしたかの様に真っ黒に変色した。
「味は――変化ないな」
「……放出系なわけね」
「不満そうだな」
クツクツ笑いながら、クロロは水のついた指を舐めた。
「別に。面倒だと思っただけ」
「面倒?」
「そ。面倒」
『あ~、どうしよっかなぁ』と呟きながら、ナマエは【練】を解除した。
「放出系なら……フランクリンを呼ぶか」
「またメンバーの入れ替え?」
「いや、入れ替えはしない。【追加】だ」
「さいですか」
「腑に落ちないって顔だな」
「別に」
フイッとそっぽを向いて、ナマエは考えた。己の【念能力】をどうするかについて。
「念弾飛ばすか?いや、それじゃ面白くないな……」
「何をブツブツ言っている?」
「クロロには関係ない」
「そうか……相変わらず可愛くないな」
クロロはナマエの態度に苦笑を漏らしながらも、その姿を見つめていた。
数日後、クロロに呼ばれたフランクリンが仮宿にやって来た。
「……来たか」
「で、オレに急用っていうのは何だ?団長」
「ああ。お前に面倒を見て欲しい奴がいてな」
「……噂の女か?」
「そうだ」
「何故オレなんだ?女ならパクノダやマチに面倒見させればいいだろう?」
「【ただの】面倒ならな」
「?」
「お前にはアイツの【念能力】の面倒を見て貰いたい」
「理由は?」
「アイツがお前と同じ、放出系だったからだ」
「なる程な……で、当の本人は何処にいるんだ?」
フランクリンはクロロの周りを見回して、ナマエの居場所を訊いた。
「この時間なら、飯を作ってるはずだ」
「飯?余所者に飯を作らせているのか?」
「ああ。何もさせないのも勿体無いからな」
悪気もなく言うクロロに対し、フランクリンは目を疑った。
「そんな顔するな。アイツはオレ達に毒を盛ったりしない。いや、そんな度胸すらない――と言った方が正しいな」
「?」
「とにかく、飯の時間になれば判る」
それだけ言うと、クロロは本に視線を落とし自分の世界に入ってしまった。
手持ち無沙汰になったフランクリンは、仮宿内を歩き回りナマエの姿を探した。
暫く歩いていると、微かに食べ物の匂いが漂ってきた。匂いの元へと向かうと、見た事のない女が何やら料理を作っていた。
「餌付けのつもりか?」
「うぉっ!?」
急に背後から声を掛けられ、ナマエは驚いて包丁を落としかけた。
「……そんなつもりはない。けど、気配消して後ろから現れるのは関心出来ないな」
振り向いたナマエの目には、明らかな怒りの色が見て取れた。
「ほぅ……反抗的な女だと噂に聞いていたが、オレ達が怖くないのか?」
「怖かったら、さっさと逃げ出してる。アンタ達が何者か知ってるし、今は逃げるつもり無いから」
「理由は?」
「アンタには関係ないでしょ、フランクリン」
「なる程な……確かに可愛気の無い女だ」
「アンタ等に【可愛い】と思われても、何の得にもならない。なら、このままで何の問題もない。違う?」
「いいや。違いねェな」
「そ。なら、話は終わり。もうすぐご飯出来るから、クロロ呼んできて」
それだけ言うと、ナマエはまた料理する手を動かし始めた。
ホールのように開けた場所に、クロロ・ウボォーギン・マチ・フランクリンが集まった。そこにナマエが出来上がった料理を持ってきて、食事開始となる。
「今日はジャポン料理じゃないのか?」
「意外と手間かかるんだよ、ジャポン料理は。図体デカいのが2人もいるんだから、手抜き位させてよ。酒のツマミは別に作るから」
「手抜きでコレか?」
「うん。十分手抜きだよ?」
「お前の言う【手抜き】の定義が解らんな」
「理解しなくていいよ。借りを返したら出て行くから」
決して目を合わせずに、黙々と自分の分を平らげていくナマエを見てクロロは笑った。
「貸しを作った覚えはないぞ」
「そっちにはなくても、こっちにはあるんだよ。ごちそーさま」
言うが早いか、ナマエは食べ終わると立ち上がって食器類を片付け始めた。
「何処へ行く?」
「ツマミ作ってくる。ウボォーギンが飲みたそうだし」
簡潔に答えると、さっさと調理場へ向かって行くナマエ。
「団長、本当に【念能力】を鍛えてやる気なのか?」
「ああ。面白い素材になりそうだからな」
「何の話だい?」
「団長が、あの女の【念能力】の面倒をみろって言い出したんだよ」
「……あたしは聞いてないよ、団長」
睨み付ける様に言うマチに対し、クロロは悪気もなく答えた。
「ああ、そう言えば言ってなかったな」
「どういうつもりだい?」
「どういうも何も、ナマエに【念能力】を習得させて仕事を手伝わせる」
「それってよォ、蜘蛛に入れるって事か?団長」
「それも面白いかもな」
ウボォーギンの言葉に、クロロは考えた。