クロロ
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「ここまでする必要、ある?」
「虫除けさ」
ナマエの耳元で囁きながら、クロロは引き寄せる腕に力を込めた。
「ナマエは可愛いから、こうでもしないと他の男に声を掛けられるからね」
「あっそ」
「これはこれは……美しいお嬢さんだ」
「有難う御座います」
いきなり男に声を掛けられ、ナマエは振り向きつつ笑顔で答えた。
「お世辞でも嬉しいです」
「お世辞だなんてとんでもない。お連れの方がいらっしゃらなければ、食事にお誘いしてましたよ」
「お上手ですね」
「本当の事ですよ。今夜は楽しんで行って下さいね」
ナマエに声を掛けた男は、軽く挨拶を交わすとその場を後にし、また違う来訪者に声を掛けていた。
「ナマエでも、そういう処世術はあるんだね」
「これでも処世術位は持ち合わせてますので」
ニコリと笑いながらクロロを見るナマエは、いつもと違い穏やかな顔をしていた。
「……いつもそうだと可愛気があるのにな」
「クロロ相手にこんな事してたら、疲れるだけだよ」
「そうか?オレは可愛くて良いと思うよ」
「勝手に言ってろ」
表情を崩すこと無く、言葉だけは辛辣なナマエにクロロは苦笑するしかなかった。
やがて、目当ての品がオークションにかけられた。
「アレが今回のターゲット?」
「ああ。既にコルトピがフェイクに変えている」
「なる程ね~」
「さて、オレ達も動くぞ」
「え?」
「シャル達との合流地点へ向かう」
「最後まで居なくていいの?」
「警備員がいなくなって、騒ぎになったら厄介だからな」
「ふ~ん……もう遅いと思うけどな」
「?」
「向こうがざわついてるの、気づかなかった?」
「確かにざわついてるな……」
「クロロが気付かないって……調子でも悪いの?」
「いや。ナマエの事を見てて、注意散漫になってただけだ」
「さいですか……」
ナマエとクロロは、わざとざわついている方向へと歩き出した。
「何かあったんですか?」
「いえ……何でもありません。どうぞ最後までオークションを楽しんで下さい」
ナマエの問いかけに、主催者の男は何かを隠すように答えた。
「そうですか……」
(しくったのか?いや……マチとノブナガに限って、それは考えにくい。かと言って、シャルナークとコルトピが見つかったのなら、もっと騒ぎが大きくなるはず。だとしたら――)
「ナマエ」
「え?」
「何でもないって言ってるんだ。向こうに行こう」
クロロに促されて、ナマエは主催者の側から離れる事にした。
「何を考えてた?」
「別に」
「なら、何でそんなに眉間に皺を寄せている」
団長の顔になったクロロに訊かれ、ナマエは返答に困った。
「疚しい事が無いなら言え」
「確信が持てない内は言えない」
「確信?」
「そう。予定外の事が起こりそうなんだよね」
「そうか……」
ナマエがまた思考に耽りそうになった時だった。出入口のドアが勢い良く開かれ、銃を構えた複数の男達が雪崩れ込んできた。
「動くな!!」
「……やっぱり」
「やっぱり?」
「微弱な殺気が複数、会場の外にあったんだよね」
『面倒な事になった』と呟くナマエ。クロロはナマエに気を取られ過ぎ、いつもなら気づくはずの気配にすら気づかなかった。
「オレとした事が……とんだ失態だな」
自虐的に呟いたクロロに、ナマエは確認する。
「強行突破する?」
「いや……暫く様子を見よう」
一箇所に集められた来訪者達に混ざり、ナマエとクロロは隙を伺っていた。
「死にたくなかったら、有り金と貴金属、宝石類全て出せ!」
「競売品もだ!!」
男達は競売品と、それに群がる富裕層を狙った強盗団のようだった。
ナマエは男達の指示に従い、身につけている宝飾品を全て外していた。
「虫除けさ」
ナマエの耳元で囁きながら、クロロは引き寄せる腕に力を込めた。
「ナマエは可愛いから、こうでもしないと他の男に声を掛けられるからね」
「あっそ」
「これはこれは……美しいお嬢さんだ」
「有難う御座います」
いきなり男に声を掛けられ、ナマエは振り向きつつ笑顔で答えた。
「お世辞でも嬉しいです」
「お世辞だなんてとんでもない。お連れの方がいらっしゃらなければ、食事にお誘いしてましたよ」
「お上手ですね」
「本当の事ですよ。今夜は楽しんで行って下さいね」
ナマエに声を掛けた男は、軽く挨拶を交わすとその場を後にし、また違う来訪者に声を掛けていた。
「ナマエでも、そういう処世術はあるんだね」
「これでも処世術位は持ち合わせてますので」
ニコリと笑いながらクロロを見るナマエは、いつもと違い穏やかな顔をしていた。
「……いつもそうだと可愛気があるのにな」
「クロロ相手にこんな事してたら、疲れるだけだよ」
「そうか?オレは可愛くて良いと思うよ」
「勝手に言ってろ」
表情を崩すこと無く、言葉だけは辛辣なナマエにクロロは苦笑するしかなかった。
やがて、目当ての品がオークションにかけられた。
「アレが今回のターゲット?」
「ああ。既にコルトピがフェイクに変えている」
「なる程ね~」
「さて、オレ達も動くぞ」
「え?」
「シャル達との合流地点へ向かう」
「最後まで居なくていいの?」
「警備員がいなくなって、騒ぎになったら厄介だからな」
「ふ~ん……もう遅いと思うけどな」
「?」
「向こうがざわついてるの、気づかなかった?」
「確かにざわついてるな……」
「クロロが気付かないって……調子でも悪いの?」
「いや。ナマエの事を見てて、注意散漫になってただけだ」
「さいですか……」
ナマエとクロロは、わざとざわついている方向へと歩き出した。
「何かあったんですか?」
「いえ……何でもありません。どうぞ最後までオークションを楽しんで下さい」
ナマエの問いかけに、主催者の男は何かを隠すように答えた。
「そうですか……」
(しくったのか?いや……マチとノブナガに限って、それは考えにくい。かと言って、シャルナークとコルトピが見つかったのなら、もっと騒ぎが大きくなるはず。だとしたら――)
「ナマエ」
「え?」
「何でもないって言ってるんだ。向こうに行こう」
クロロに促されて、ナマエは主催者の側から離れる事にした。
「何を考えてた?」
「別に」
「なら、何でそんなに眉間に皺を寄せている」
団長の顔になったクロロに訊かれ、ナマエは返答に困った。
「疚しい事が無いなら言え」
「確信が持てない内は言えない」
「確信?」
「そう。予定外の事が起こりそうなんだよね」
「そうか……」
ナマエがまた思考に耽りそうになった時だった。出入口のドアが勢い良く開かれ、銃を構えた複数の男達が雪崩れ込んできた。
「動くな!!」
「……やっぱり」
「やっぱり?」
「微弱な殺気が複数、会場の外にあったんだよね」
『面倒な事になった』と呟くナマエ。クロロはナマエに気を取られ過ぎ、いつもなら気づくはずの気配にすら気づかなかった。
「オレとした事が……とんだ失態だな」
自虐的に呟いたクロロに、ナマエは確認する。
「強行突破する?」
「いや……暫く様子を見よう」
一箇所に集められた来訪者達に混ざり、ナマエとクロロは隙を伺っていた。
「死にたくなかったら、有り金と貴金属、宝石類全て出せ!」
「競売品もだ!!」
男達は競売品と、それに群がる富裕層を狙った強盗団のようだった。
ナマエは男達の指示に従い、身につけている宝飾品を全て外していた。