出逢い
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「とりあえず、怪我の手当ちゃんとしないとね」
どこからか取り出した救急箱をナマエに見せながら、シャルナークは笑顔を見せた。
「そのままじゃ化膿しちゃうから」
『手、見せて』と促すシャルナークに、ナマエは黙って従った。
「う~ん……結構深く切ってるね。消毒、染みるけど我慢してね?」
そう言うとシャルナークはナマエの手を取り消毒液を染み込ませたガーゼで傷口を拭い始めた。
「っ……」
「やっぱ痛いよねー。もうちょっとだから我慢してね」
「何で……何でこんな扱いするの?」
「こんな扱い?」
「わざわざ怪我の手当したり、服を用意しに行ったり……理解出来ない」
「なる程ね。団長の考えなんて、オレ達にも理解できないから安心してよ」
苦笑するシャルナークの顔を、ナマエはマジマジと見つめた。
「何?オレの顔に何かついてる?」
「いや……綺麗な顔してるなぁって思っただけ」
「ナマエは可愛い顔してるのに、態度が可愛くないよね。はい、終わったよ」
シャルナークは救急箱に道具を片付けながら、辛辣な言葉を吐いた。
「可愛いと思われたいと思ってないから、別にいいよ」
「ほら、そういう所が可愛くない!勿体無いなぁ」
苦笑するシャルナークを尻目に、ナマエは溜息を吐いた。
「何でそこで溜息?!ねぇ、何で!?」
「言ったでしょ?【可愛い】と思われたいと思ってないって」
「ちぇっ……」
シャルナークはそっぽを向いてしまったが、ナマエには関係なかった。
暫く険悪な空気が流れていたが、そこに大きな袋を抱えたパクノダが戻って来た。
「お待たせ……って、空気悪いわね」
シャルナークとナマエの2人が作り出した空気に、パクノダは苦笑を漏らした。
「だって、ナマエの態度が可愛くないんだもん!」
「何度言わせれば気が済むの?私は貴方達に【可愛い】と思われたいなんて、微塵も思ってないって」
「ほら、この態度!パクも可愛くないって思うだろ?」
「まったく……子供じゃないんだから」
パクノダは溜息を吐きながら2人を見て、続けた。
「団長が詳しい話を聞きたいらしいわ。これに着替えてちょうだい」
そう言うと、抱えていた袋をナマエに渡した。
袋を受けとったナマエは、1つの疑問を口にした。
「……盗ってきたの?」
「ええ……と言いたい所だけど、これはきちんと買った物よ」
「ならいいや」
ナマエはそのまま着替えようと、ベッドから出た。
「シャル、いつまでいる気?」
「私の着替えなんか見ても、目が腐るだけだと思うよ」
「ちょっ……そんな冷たい目で見ないでよ!今出て行くから!!」
慌てて出て行くシャルナークを見送り、ナマエは着替え始めた。
着替え終わった所で、ナマエはパクノダに連れられてクロロの元へと向かった。
「団長、連れてきたわ」
「ああ」
パクノダに声を掛けられ、クロロは読んでいた本から視線をナマエに向けた。
「ナマエ、と言ったな」
「聞きたい事って何?パクノダが全部【読んで】知ってるはずだけど?」
「オレはお前の口から、直接聞きたい」
「ふ~ん……」
興味なさげに返事を返しながら、ナマエは辺りを見回した。
廃墟といっていい程廃れた屋内。クロロはその一角にある瓦礫の上に腰を掛けていた。
「で、お前がいた【世界】というのは?」
「ここではない【何処か】としか、私にも解らない」
「ん?……パクノダにはオレ達の事を知っていると聞いた。どうやってオレ達の事を知った?」
「どうやって……か。それを説明するのは難しいな」
考えこむナマエを見ながら、クロロは続けた。
「難しい……か。なら、お前の目的は何だ?」
「目的――ねぇ。とりあえずは家に帰りたい」
「パクノダ」
「OK。何を訊く?」
「何を【躊躇って】いるのか、だ」
クロロの言葉を合図に、パクノダはナマエに触れた。
「何を【躊躇って】いるのかしら?」
「貴女達に関して、何処まで明かしていいのか……って所かな」
「オレ達に関して?どういう意味だ」
「今がいつかは判らないけど、貴方達のある【未来】の一部を知ってるだけ」
「……本当の事ね」
「ほう。面白いな……では、その【未来】とやらを教えて貰おうか」
「それは無理」
「何故?」
「【未来】は変えたらいけないでしょ」
不貞腐れた様に言うナマエに、クロロは笑った。
「くくくっ。面白い事を言うな。【未来】は変える為にあるんだ。悪い【未来】なら、変えるさ」
迷いなく答えるクロロに、ナマエは暫し考えた。
「……そう――なら、変えてみせてよ」
ナマエは不敵に笑ってみせた。
「ああ。変えてみせるさ」
ナマエの挑発に乗らずに、クロロはクツクツと笑った。
どこからか取り出した救急箱をナマエに見せながら、シャルナークは笑顔を見せた。
「そのままじゃ化膿しちゃうから」
『手、見せて』と促すシャルナークに、ナマエは黙って従った。
「う~ん……結構深く切ってるね。消毒、染みるけど我慢してね?」
そう言うとシャルナークはナマエの手を取り消毒液を染み込ませたガーゼで傷口を拭い始めた。
「っ……」
「やっぱ痛いよねー。もうちょっとだから我慢してね」
「何で……何でこんな扱いするの?」
「こんな扱い?」
「わざわざ怪我の手当したり、服を用意しに行ったり……理解出来ない」
「なる程ね。団長の考えなんて、オレ達にも理解できないから安心してよ」
苦笑するシャルナークの顔を、ナマエはマジマジと見つめた。
「何?オレの顔に何かついてる?」
「いや……綺麗な顔してるなぁって思っただけ」
「ナマエは可愛い顔してるのに、態度が可愛くないよね。はい、終わったよ」
シャルナークは救急箱に道具を片付けながら、辛辣な言葉を吐いた。
「可愛いと思われたいと思ってないから、別にいいよ」
「ほら、そういう所が可愛くない!勿体無いなぁ」
苦笑するシャルナークを尻目に、ナマエは溜息を吐いた。
「何でそこで溜息?!ねぇ、何で!?」
「言ったでしょ?【可愛い】と思われたいと思ってないって」
「ちぇっ……」
シャルナークはそっぽを向いてしまったが、ナマエには関係なかった。
暫く険悪な空気が流れていたが、そこに大きな袋を抱えたパクノダが戻って来た。
「お待たせ……って、空気悪いわね」
シャルナークとナマエの2人が作り出した空気に、パクノダは苦笑を漏らした。
「だって、ナマエの態度が可愛くないんだもん!」
「何度言わせれば気が済むの?私は貴方達に【可愛い】と思われたいなんて、微塵も思ってないって」
「ほら、この態度!パクも可愛くないって思うだろ?」
「まったく……子供じゃないんだから」
パクノダは溜息を吐きながら2人を見て、続けた。
「団長が詳しい話を聞きたいらしいわ。これに着替えてちょうだい」
そう言うと、抱えていた袋をナマエに渡した。
袋を受けとったナマエは、1つの疑問を口にした。
「……盗ってきたの?」
「ええ……と言いたい所だけど、これはきちんと買った物よ」
「ならいいや」
ナマエはそのまま着替えようと、ベッドから出た。
「シャル、いつまでいる気?」
「私の着替えなんか見ても、目が腐るだけだと思うよ」
「ちょっ……そんな冷たい目で見ないでよ!今出て行くから!!」
慌てて出て行くシャルナークを見送り、ナマエは着替え始めた。
着替え終わった所で、ナマエはパクノダに連れられてクロロの元へと向かった。
「団長、連れてきたわ」
「ああ」
パクノダに声を掛けられ、クロロは読んでいた本から視線をナマエに向けた。
「ナマエ、と言ったな」
「聞きたい事って何?パクノダが全部【読んで】知ってるはずだけど?」
「オレはお前の口から、直接聞きたい」
「ふ~ん……」
興味なさげに返事を返しながら、ナマエは辺りを見回した。
廃墟といっていい程廃れた屋内。クロロはその一角にある瓦礫の上に腰を掛けていた。
「で、お前がいた【世界】というのは?」
「ここではない【何処か】としか、私にも解らない」
「ん?……パクノダにはオレ達の事を知っていると聞いた。どうやってオレ達の事を知った?」
「どうやって……か。それを説明するのは難しいな」
考えこむナマエを見ながら、クロロは続けた。
「難しい……か。なら、お前の目的は何だ?」
「目的――ねぇ。とりあえずは家に帰りたい」
「パクノダ」
「OK。何を訊く?」
「何を【躊躇って】いるのか、だ」
クロロの言葉を合図に、パクノダはナマエに触れた。
「何を【躊躇って】いるのかしら?」
「貴女達に関して、何処まで明かしていいのか……って所かな」
「オレ達に関して?どういう意味だ」
「今がいつかは判らないけど、貴方達のある【未来】の一部を知ってるだけ」
「……本当の事ね」
「ほう。面白いな……では、その【未来】とやらを教えて貰おうか」
「それは無理」
「何故?」
「【未来】は変えたらいけないでしょ」
不貞腐れた様に言うナマエに、クロロは笑った。
「くくくっ。面白い事を言うな。【未来】は変える為にあるんだ。悪い【未来】なら、変えるさ」
迷いなく答えるクロロに、ナマエは暫し考えた。
「……そう――なら、変えてみせてよ」
ナマエは不敵に笑ってみせた。
「ああ。変えてみせるさ」
ナマエの挑発に乗らずに、クロロはクツクツと笑った。