残り時間　3分45秒　通過者現在19名

扉の一つが開いて、男が1人入ってきた。
「フ、フ、フ。間に合った……ぜ」
男はそのまま倒れ、絶命した。
「……」
「死んでるぜ」
「バカな奴だぜ。死んで合格するよりも、生きて再挑戦すればいいのによ」
その後も受験生がチラホラと扉から出てきた。

《残り1分です》

残り時間1分を切った所で、扉の1つがまた開いた。
出てきたのは、ゴン・キルア・クラピカの3人。
「ケツいてー」
「短くて簡単な道が、スベリ台になってるとは思わなかった」
「お疲れ～」
「ナマエさん！」
「ナマエ！？受かってたのかよ、お前」
「受かってて悪かったね、キルア」
キルアの頭を強く撫で付けながら、ナマエはにこやかに話した。
「お友達？」
クラピカに視線を移しながら、ナマエは2人に訊いた。
「うん。クラピカっていうんだ」
「へぇ～。私はナマエ。よろしくね、クラピカ」
「ああ。よろしく、ナマエさん」
「呼び捨てでいいよー」
「分かった」
《残り30秒です》
「ギリギリだったね」
「もう手がマメだらけだ」
「全く、イチかバチかだったな」
「レオリオ！」
「あぁ、ヒソカに殴られた人！」
「？」
「……レオリオは覚えてないんだよ、ナマエさん」
（そういや、そうだったな……）
「初めまして、レオリオ。ナマエっていいます」
「ゴンのダチか？」
「うん！」
「なら、オレもダチみたいなもんだな！よろしくな！！」
レオリオに手を差し出され、ナマエは迷う事なくその手を取った。
「じゃ、積もる話もあるだろうから私は行くね」
ナマエはゴン達と別れてヒソカの元へ向かった。
「いいのかい？」
「何が？」
「簡単に打ち解けてたじゃないか♦」
「あぁ、あいつ等とは仲良くしたいからね。ヒソカと違って」
「……何気に酷い言い方するね♣」
《タイムアップー！！第三次試験通過人数26名！！（内1名死亡）》
リッポーの放送に、受験者達が立ち上がった。