ヒソカ
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クロロと生活しだしてから判った事が1つだけある。クロロは無駄にカリスマ性が高い。性格はオレ様なのに、何故か団員には好かれている。理由は解らない。解りたくもない。理解してしまえば、蜘蛛を離れづらくなってしまいそうだから。
蜘蛛と行動を共にする様になって1年経った位の頃。ナマエは【仕事先】で奇妙な男と出会う。男は喋り方に独特の癖があった。
「ねェ、キミ♠」
「……」
「そこのキミだよ♦」
男にいきなり腕を掴まれ、ナマエは男を睨みつけた。
「いい眼だ♣ゾクゾクするよ♥」
その男は、どことなくこちらの神経を逆なでしてくる。
「勝手に言ってろ」
冷たく言い放つと、ナマエは掴まれた腕を解きその場を立ち去った。
「美味しそうなコだ……♥」
(今のはヒソカ……か?マジ素顔だと喋らない限り判らんな)
ヒソカの言葉を無視して、ナマエは先を急いだ。遅くなったら、またクロロに何をされるか判らないからだ。
【仕事先】でも食事当番を命じられているナマエは、食材の買い出しを終えると仮宿に戻った。
「遅かったな」
仮宿の1室で本を読んでいたクロロは、ナマエの気配に反応して視線を上げた。空はもう茜色に染まっている。いつもより遅い帰還に、クロロは部屋を後にした。
「随分と遅かったな」
「……クロロか。他の皆は?」
「【視察】に出ている」
「なら、今日はクロロだけか」
「ああ。何か問題でもあるか?」
「別に」
「久々に2人きりだな」
「…………こっちは好き好んでクロロと2人になったんじゃないんだけどね」
「そう邪険にするなよ。キスした仲じゃないか」
「アレはクロロが勝手にしたことでしょ?私の中じゃ、カウントすらしてないわ」
吐き捨てる様に言うナマエに、クロロは声を出して笑った。
「そうか、カウントされなかったのか」
「当たり前でしょ。【恋人】以外にされても、嬉しく無いしね」
「言っただろ?オレはお前が気に入った、と」
「だから?」
「オレの【女】になれ」
「嫌だね。第一、命令すんな」
「相変わらず可愛気がないな」
クツクツ笑うクロロを無視し、ナマエは食材を片付け始めた。
食材を片付け終わっても、クロロはその場から動かずに本を読んでいた。
「……本の虫だな」
「悪いか?」
視線を本から外すことなく、ナマエの呟きに反応するクロロ。
「いや――それだけ熱心に読んで貰えるなら、作者は嬉しいと思うよ」
「?変わった反応だな」
「言ってなかったっけ?」
「何をだ?」
「【こっち】に来るまで、小説家してたんだよ。これでも」
自嘲気味に笑いながら、ナマエはコーヒーを2人分淹れた。
ナマエの淹れるコーヒーの香りが辺りに漂い始める。
「そうか……それでか」
「何が?」
「お前が本を大事に扱う理由だよ。貸しても綺麗な状態で帰ってくるだろ?性格かと思ったが……他の事はかなり大雑把なのに対し、本の事だけは大雑把じゃないからな」
「もうね、職業病だよソレは」
苦笑するナマエを見つめるクロロ。
「いいんじゃないか?それもお前の【個性】だろう?」
「まぁね。はい、コーヒー。飲むでしょ?」
「ああ。有難う」
短い会話を交わし、お互い無言になった。
嫌な空気ではなかった。ナマエはクロロの事は好きと言えないが、この空気は嫌いになれなかった。
暫く無言のままだったが、ナマエは食事の支度をする為に立ち上がった。
「何でもいい?」
「?」
ナマエの問いかけに、視線を上げて不思議そうに見つめ返すクロロ。
「晩御飯。何でもいい?」
「ああ。お前に任せる」
「そ。じゃ、適当に作るね」
それだけ言うと、ナマエは料理にとりかかった。
料理が出来上がり、2人だけで食事をする事数分。先に口を開いたのはクロロだった。
「相変わらず、お前の【適当】はよく判らんな」
「文句なら聞かないよ」
「文句じゃない。美味いと言ってるんだ」
「あっそ」
「照れ隠しか?」
「どこをどう取ればそうなる?!」
「まあ、そういう所は可愛いと思うけどな」
「……言ってろ」
「ああ」
どこか嬉しそうに顔を綻ばせるクロロが、そこにはいた。
蜘蛛と行動を共にする様になって1年経った位の頃。ナマエは【仕事先】で奇妙な男と出会う。男は喋り方に独特の癖があった。
「ねェ、キミ♠」
「……」
「そこのキミだよ♦」
男にいきなり腕を掴まれ、ナマエは男を睨みつけた。
「いい眼だ♣ゾクゾクするよ♥」
その男は、どことなくこちらの神経を逆なでしてくる。
「勝手に言ってろ」
冷たく言い放つと、ナマエは掴まれた腕を解きその場を立ち去った。
「美味しそうなコだ……♥」
(今のはヒソカ……か?マジ素顔だと喋らない限り判らんな)
ヒソカの言葉を無視して、ナマエは先を急いだ。遅くなったら、またクロロに何をされるか判らないからだ。
【仕事先】でも食事当番を命じられているナマエは、食材の買い出しを終えると仮宿に戻った。
「遅かったな」
仮宿の1室で本を読んでいたクロロは、ナマエの気配に反応して視線を上げた。空はもう茜色に染まっている。いつもより遅い帰還に、クロロは部屋を後にした。
「随分と遅かったな」
「……クロロか。他の皆は?」
「【視察】に出ている」
「なら、今日はクロロだけか」
「ああ。何か問題でもあるか?」
「別に」
「久々に2人きりだな」
「…………こっちは好き好んでクロロと2人になったんじゃないんだけどね」
「そう邪険にするなよ。キスした仲じゃないか」
「アレはクロロが勝手にしたことでしょ?私の中じゃ、カウントすらしてないわ」
吐き捨てる様に言うナマエに、クロロは声を出して笑った。
「そうか、カウントされなかったのか」
「当たり前でしょ。【恋人】以外にされても、嬉しく無いしね」
「言っただろ?オレはお前が気に入った、と」
「だから?」
「オレの【女】になれ」
「嫌だね。第一、命令すんな」
「相変わらず可愛気がないな」
クツクツ笑うクロロを無視し、ナマエは食材を片付け始めた。
食材を片付け終わっても、クロロはその場から動かずに本を読んでいた。
「……本の虫だな」
「悪いか?」
視線を本から外すことなく、ナマエの呟きに反応するクロロ。
「いや――それだけ熱心に読んで貰えるなら、作者は嬉しいと思うよ」
「?変わった反応だな」
「言ってなかったっけ?」
「何をだ?」
「【こっち】に来るまで、小説家してたんだよ。これでも」
自嘲気味に笑いながら、ナマエはコーヒーを2人分淹れた。
ナマエの淹れるコーヒーの香りが辺りに漂い始める。
「そうか……それでか」
「何が?」
「お前が本を大事に扱う理由だよ。貸しても綺麗な状態で帰ってくるだろ?性格かと思ったが……他の事はかなり大雑把なのに対し、本の事だけは大雑把じゃないからな」
「もうね、職業病だよソレは」
苦笑するナマエを見つめるクロロ。
「いいんじゃないか?それもお前の【個性】だろう?」
「まぁね。はい、コーヒー。飲むでしょ?」
「ああ。有難う」
短い会話を交わし、お互い無言になった。
嫌な空気ではなかった。ナマエはクロロの事は好きと言えないが、この空気は嫌いになれなかった。
暫く無言のままだったが、ナマエは食事の支度をする為に立ち上がった。
「何でもいい?」
「?」
ナマエの問いかけに、視線を上げて不思議そうに見つめ返すクロロ。
「晩御飯。何でもいい?」
「ああ。お前に任せる」
「そ。じゃ、適当に作るね」
それだけ言うと、ナマエは料理にとりかかった。
料理が出来上がり、2人だけで食事をする事数分。先に口を開いたのはクロロだった。
「相変わらず、お前の【適当】はよく判らんな」
「文句なら聞かないよ」
「文句じゃない。美味いと言ってるんだ」
「あっそ」
「照れ隠しか?」
「どこをどう取ればそうなる?!」
「まあ、そういう所は可愛いと思うけどな」
「……言ってろ」
「ああ」
どこか嬉しそうに顔を綻ばせるクロロが、そこにはいた。