イルミとジン
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「オレも、ナマエを悲しませる事だけはしたくないと思ってる。だけど、ナマエの身に危険が迫るようならどんな手を使ってでも止めるつもりでいるよ」
少し離れた場所で一人佇んでいるナマエを見ながら、イルミは表情一つ変えずに返した。
「お前がゾルディックだということは気に食わんが、暫くは様子を見ることにする。もしナマエを傷つけるような事をしたら、その時は全力で別れさせるからな!」
ニカっと笑いながら、ジンはイルミに告げた。
「解った。でも、オレがナマエを傷つける事はないよ。逆にオレが傷つけられるだろうけどね」
幾分か和らいだ表情でナマエを見つめながら、イルミは答えた。
「ナマエの敵はオレの敵でもある。相手が誰であろうと、それは変わらない事実だから安心してよ」
視線をジンに戻して告げるイルミに、ジンは笑顔を浮かべた。
「思ってたより、ゾルディックもまともな感情があるんだな!」
「まぁ、ナマエの影響でオレも随分変わったからね」
翌朝、ナマエはイルミと共にジンの元を去った。元々は依頼品を渡したらすぐに帰る予定だったが、2人が酒盛りを始めた事によってそれは叶わなかったからだ。
「じゃ――また良い【依頼】があったら、斡旋よろしくね」
「あぁ、分かってる。それよりも、【一線】だけは越えるなよ!?」
「ハハハ……まぁ、越えない様に気をつけるよ」
乾いた笑いを残しながら、ナマエとイルミはジンと分かれて空港へと向かった。
「【一線】ってなに?」
森を疾走しながら、イルミがナマエに訊いた。
「ん~?ヤる事ヤるなって事でしょ、どうせ」
「オレ、かなり我慢してるんだけど?」
「これから暫くは忙しくなるし、現実的に無理だよ」
苦笑するナマエの腕を掴んで、イルミは足を止めた。
「帰りの飛行船の中でも出来るでしょ?」
「イルミ、がっつく男は嫌われるよ?」
「ナマエはオレとシたくないって事?」
「今はそういう事考えられないってのが現状かな」
困ったように笑うナマエに対して、イルミはそれ以上追及しなかった。掴んでいたナマエの腕を放し、無言で走り始めるイルミ。
(怒らせちゃったかな…)
そんな事を思いながらも、ナマエはイルミの背を追いかけて走り出した。
空港に着いたのは日も暮れた頃。飛行船場内にはゾルディック家の高速艇がいつでも離陸出来ます、とばかりに待ち構えていた。
急いで高速艇に乗り込んだ2人の間には、あれ以来会話がなかった。
「イルミ」
意を決してナマエは呼びかけた。一瞬だが肩を震わせて、イルミはナマエに視線を向ける。
「何?」
「色々我慢させてばかりでごめん」
「何の事?」
無表情のまま、イルミはナマエの顔をじっと見つめた。
「イルミの気持ちは正直嬉しい。だけど、私にはまだ【ソレ】を受け止めるだけの覚悟が出来ていない。身体だけで良いなら、イルミの好きにしてもいいよ。だけど――今の段階じゃ、心までは渡せない」
真っ直ぐにイルミの顔を見据えて、ナマエは言葉を紡ぐ。それは揺るがない意思の表れでもあった。
「ふぅ……別にオレは今すぐナマエを自分のモノにしようとは思ってない。だけど、そんなに気が長いほうじゃないから、それだけは覚えておいて」
幾分和らいだ表情でナマエの頬に手を添えて、イルミは目を細めた。
「解ってる。なるべく早く片付けるから」
「うん。そうしてくれるとオレも助かる」
そのままナマエの頭を優しく撫でて、イルミは着替えるために自室へと向かった。
「イルミからの【お仕置き】覚悟でやるしかないか……」
ナマエの呟きは誰の耳にも止まることなく、空に消えた。
少し離れた場所で一人佇んでいるナマエを見ながら、イルミは表情一つ変えずに返した。
「お前がゾルディックだということは気に食わんが、暫くは様子を見ることにする。もしナマエを傷つけるような事をしたら、その時は全力で別れさせるからな!」
ニカっと笑いながら、ジンはイルミに告げた。
「解った。でも、オレがナマエを傷つける事はないよ。逆にオレが傷つけられるだろうけどね」
幾分か和らいだ表情でナマエを見つめながら、イルミは答えた。
「ナマエの敵はオレの敵でもある。相手が誰であろうと、それは変わらない事実だから安心してよ」
視線をジンに戻して告げるイルミに、ジンは笑顔を浮かべた。
「思ってたより、ゾルディックもまともな感情があるんだな!」
「まぁ、ナマエの影響でオレも随分変わったからね」
翌朝、ナマエはイルミと共にジンの元を去った。元々は依頼品を渡したらすぐに帰る予定だったが、2人が酒盛りを始めた事によってそれは叶わなかったからだ。
「じゃ――また良い【依頼】があったら、斡旋よろしくね」
「あぁ、分かってる。それよりも、【一線】だけは越えるなよ!?」
「ハハハ……まぁ、越えない様に気をつけるよ」
乾いた笑いを残しながら、ナマエとイルミはジンと分かれて空港へと向かった。
「【一線】ってなに?」
森を疾走しながら、イルミがナマエに訊いた。
「ん~?ヤる事ヤるなって事でしょ、どうせ」
「オレ、かなり我慢してるんだけど?」
「これから暫くは忙しくなるし、現実的に無理だよ」
苦笑するナマエの腕を掴んで、イルミは足を止めた。
「帰りの飛行船の中でも出来るでしょ?」
「イルミ、がっつく男は嫌われるよ?」
「ナマエはオレとシたくないって事?」
「今はそういう事考えられないってのが現状かな」
困ったように笑うナマエに対して、イルミはそれ以上追及しなかった。掴んでいたナマエの腕を放し、無言で走り始めるイルミ。
(怒らせちゃったかな…)
そんな事を思いながらも、ナマエはイルミの背を追いかけて走り出した。
空港に着いたのは日も暮れた頃。飛行船場内にはゾルディック家の高速艇がいつでも離陸出来ます、とばかりに待ち構えていた。
急いで高速艇に乗り込んだ2人の間には、あれ以来会話がなかった。
「イルミ」
意を決してナマエは呼びかけた。一瞬だが肩を震わせて、イルミはナマエに視線を向ける。
「何?」
「色々我慢させてばかりでごめん」
「何の事?」
無表情のまま、イルミはナマエの顔をじっと見つめた。
「イルミの気持ちは正直嬉しい。だけど、私にはまだ【ソレ】を受け止めるだけの覚悟が出来ていない。身体だけで良いなら、イルミの好きにしてもいいよ。だけど――今の段階じゃ、心までは渡せない」
真っ直ぐにイルミの顔を見据えて、ナマエは言葉を紡ぐ。それは揺るがない意思の表れでもあった。
「ふぅ……別にオレは今すぐナマエを自分のモノにしようとは思ってない。だけど、そんなに気が長いほうじゃないから、それだけは覚えておいて」
幾分和らいだ表情でナマエの頬に手を添えて、イルミは目を細めた。
「解ってる。なるべく早く片付けるから」
「うん。そうしてくれるとオレも助かる」
そのままナマエの頭を優しく撫でて、イルミは着替えるために自室へと向かった。
「イルミからの【お仕置き】覚悟でやるしかないか……」
ナマエの呟きは誰の耳にも止まることなく、空に消えた。