ゾルディック家と依頼再び
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1人あたふたしていると、隣で寝ているイルミがもそりと動いた。
「あ……」
ナマエの声に呼応するかの様に、イルミの瞼がピクリと動く。イルミを起こさない様に注意しながら、ベッドを抜け出す。
【奪還】したバングルを確認しようと胸元に手をやって気付いた。昨日着ていた服じゃない。
(ちょっ……服は!?何でバスローブのみになってんの??)
アタフタと部屋の中を徘徊するも、目当ての物は見当たらず服も見当たらない。
「どこ……?!」
とりあえずイルミの部屋に置いている予備の服に着替え、改めてバングルの捜索をする。もちろんイルミを起こさない様に細心の注意を払って。
探す事数十分。見つからない。
(せっかく【奪還】出来たのに失くしたとか、どんだけ馬鹿なんだよ!!)
顔を青くしたり白くしたりしていると、笑い声が聞こえた。声の元を辿ると、イルミが部屋を仕切っているドアに凭れ掛かりながらクスクス笑っている。
「イルミ、ちょうど良かった!!バングル知らない?!」
「バングル?」
「うん、昨日【奪還】したヤツ!見当たらないの!!」
また顔を青くして『何処に落としてきたんだろう?!』と心配し始める。
「それなら、うちの金庫にしまったけど」
「……へ?」
「だから、金庫にしまった」
「よ……」
「よ?」
「良かったぁ~……」
ナマエはヘナヘナと力なくその場にへたり込んだ。
「大丈夫?」
ナマエを立たせてイルミはその背中を優しく撫でた。
「ありがとう、大丈夫だから。部屋の中にも無かったから、どこかに落として来ちゃったと思って……」
眉を下げるナマエを宥めるように、イルミは黙って話を聞いてやる。
「昨日は力を使いすぎちゃって記憶が途切れてるしで……」
「大丈夫」
『安心しなよ』と頭を撫でてやるイルミ。その手の温もりに、ナマエは安心してイルミに抱きついた。
「いつもありがとう、イルミ」
「どういたしまして」
そこでふとイルミを見て、ナマエは慌てて離れた。
「イルミ、服着て」
「服?」
コテンと首を傾げているイルミに背を向け、ナマエは再度言った。
「いいから、服着てよ」
今のイルミの格好は、寝起きの時のナマエと同じく素肌にバスローブのみの状態。
「分かった」
素直に頷いて着替えに向かうイルミを見て、ナマエは安堵した。
(間近であんなの見せられてたら、心臓が何個あっても足りないじゃない……)
「ナマエ、昨日の【約束】は覚えてる?」
「【約束】?……したっけ?そんなの」
ナマエの言葉にイルミは大きく溜息を吐いた。
「帰り道で、『先に部屋に着いた方が勝ち』って【約束】したじゃん」
拗ねるように言うイルミに、ナマエは記憶を辿った。
確かに、自分からイルミに勝負を持ちかけた様な気もする。そして、敗者が勝者のいう事を何でもきくと言うルールも自分が提案していた事を思い出した。
「あ……あー!!?」
「思い出した?」
「……うん。思い出した…………」
自力でこの部屋に戻ってきた記憶がない以上、負けは確定だろう。それはいい。問題は、どんな【命令】をされるのかという事。
「でさ、オレが勝った訳なんだけど」
「……うん」
「ジンに会わせてよ」
「……うん。って――えぇー!?」
「いいの?良かった」
(早まった……上の空だったとは言え、返事を早まってしまったよ……どうしよう!??)
「じゃ、会う段取りよろしくね。オレは昨日のバングル取って来るから」
ナマエの頭をポンポン叩きながら、イルミは上機嫌で部屋を後にした。
一人取り残されたナマエは、大きく息を吐いた。
「あ……」
ナマエの声に呼応するかの様に、イルミの瞼がピクリと動く。イルミを起こさない様に注意しながら、ベッドを抜け出す。
【奪還】したバングルを確認しようと胸元に手をやって気付いた。昨日着ていた服じゃない。
(ちょっ……服は!?何でバスローブのみになってんの??)
アタフタと部屋の中を徘徊するも、目当ての物は見当たらず服も見当たらない。
「どこ……?!」
とりあえずイルミの部屋に置いている予備の服に着替え、改めてバングルの捜索をする。もちろんイルミを起こさない様に細心の注意を払って。
探す事数十分。見つからない。
(せっかく【奪還】出来たのに失くしたとか、どんだけ馬鹿なんだよ!!)
顔を青くしたり白くしたりしていると、笑い声が聞こえた。声の元を辿ると、イルミが部屋を仕切っているドアに凭れ掛かりながらクスクス笑っている。
「イルミ、ちょうど良かった!!バングル知らない?!」
「バングル?」
「うん、昨日【奪還】したヤツ!見当たらないの!!」
また顔を青くして『何処に落としてきたんだろう?!』と心配し始める。
「それなら、うちの金庫にしまったけど」
「……へ?」
「だから、金庫にしまった」
「よ……」
「よ?」
「良かったぁ~……」
ナマエはヘナヘナと力なくその場にへたり込んだ。
「大丈夫?」
ナマエを立たせてイルミはその背中を優しく撫でた。
「ありがとう、大丈夫だから。部屋の中にも無かったから、どこかに落として来ちゃったと思って……」
眉を下げるナマエを宥めるように、イルミは黙って話を聞いてやる。
「昨日は力を使いすぎちゃって記憶が途切れてるしで……」
「大丈夫」
『安心しなよ』と頭を撫でてやるイルミ。その手の温もりに、ナマエは安心してイルミに抱きついた。
「いつもありがとう、イルミ」
「どういたしまして」
そこでふとイルミを見て、ナマエは慌てて離れた。
「イルミ、服着て」
「服?」
コテンと首を傾げているイルミに背を向け、ナマエは再度言った。
「いいから、服着てよ」
今のイルミの格好は、寝起きの時のナマエと同じく素肌にバスローブのみの状態。
「分かった」
素直に頷いて着替えに向かうイルミを見て、ナマエは安堵した。
(間近であんなの見せられてたら、心臓が何個あっても足りないじゃない……)
「ナマエ、昨日の【約束】は覚えてる?」
「【約束】?……したっけ?そんなの」
ナマエの言葉にイルミは大きく溜息を吐いた。
「帰り道で、『先に部屋に着いた方が勝ち』って【約束】したじゃん」
拗ねるように言うイルミに、ナマエは記憶を辿った。
確かに、自分からイルミに勝負を持ちかけた様な気もする。そして、敗者が勝者のいう事を何でもきくと言うルールも自分が提案していた事を思い出した。
「あ……あー!!?」
「思い出した?」
「……うん。思い出した…………」
自力でこの部屋に戻ってきた記憶がない以上、負けは確定だろう。それはいい。問題は、どんな【命令】をされるのかという事。
「でさ、オレが勝った訳なんだけど」
「……うん」
「ジンに会わせてよ」
「……うん。って――えぇー!?」
「いいの?良かった」
(早まった……上の空だったとは言え、返事を早まってしまったよ……どうしよう!??)
「じゃ、会う段取りよろしくね。オレは昨日のバングル取って来るから」
ナマエの頭をポンポン叩きながら、イルミは上機嫌で部屋を後にした。
一人取り残されたナマエは、大きく息を吐いた。