ゾルディック家と依頼再び
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そこからはまた抱えなおされて街までイルミが疾走する。
街にあるとあるカフェの前で、漸くイルミに降ろされたナマエ。ずっと同じ体勢だった為、その場で伸びをする。イルミは辺りを見回し、ある一点を目指してツカツカと歩いていく。そんなイルミに気付いて、ナマエは慌てて後を追いかけた。
「や」
「早かったな」
イルミが声を掛けたのは青年スタイルのクロロだった。
「走ってきたからね」
「そうか。で、用件は何だ?」
「用があるのはオレじゃない」
イルミの言葉に、クロロは眉をピクリと動かした。
「イルミ!置いて行かないでよ!!」
そこにナマエがやっと追いついた。
「クロロ……ルシルフル…………」
ポツリと唇から零れ落ちた言葉に、クロロは殺気を放った。
「オレを知っているのか?」
「……知ってる」
「それはイルミに聞いてるからか?」
「……違う」
ナマエの言葉にクロロの殺気は膨れ上がった。イルミは何を考えているのか、クロロのいるテーブル席に座ると店員にコーヒーを注文していた。
「マフィアの娘を助けた時に会った。あの時とは格好が違うから、判らないかも知れないけど――屋敷で私をスカウトしたでしょ?」
クロロの殺気に負けじと殺気を放ち返すと、その殺気で漸くイルミの連れて来た女があの時スカウトした女だと気付いた。
「なる程。で、オレに用があるのはお前か?」
「そうです。貴方達が盗ったルビーが付いてるバングルを返して下さい」
「嫌だ――と言ったら?」
「力ずくで奪い返します」
「くくくっ……面白いな、お前」
「ナマエ」
「?」
「【お前】じゃなく、【ナマエ】です」
「そうか。ナマエ、ますます気に入った。蜘蛛に入れ」
「以前もお断りしたように嫌です。それに、欠番出て無いでしょう?」
「そこまで知っているのか……」
そこまで言うと、クロロは思考に耽った。イルミと同じで、クロロも考え事に夢中になると周りの言葉等そうそう入ってこないタイプだろう。そう考えて、ナマエは店員にアイスティーを注文してイルミの隣に腰掛けた。
注文した品が届くと店員に礼を言い、それを飲んでクロロが戻ってくるのを待った。
「ナマエと言ったな」
『返してくれなかったらどうしようかなぁ』と考えていると、クロロから声を掛けられた。
「はい」
「バングルは渡しても良い。代わりに――」
『オレ達の仕事を手伝え』と突拍子もない事を言われた。
「それは遠慮したい提案ですね」
「そうか……なら交渉決裂だな」
「ですね。力ずくで奪いに行かせて貰います」
「楽しみにしている」
喉の奥で笑うクロロを尻目に、ナマエはイルミに向き直った。
「という事で、せっかくイルミがセッティングしてくれたのに交渉決裂になりました。これから【奪還】作業に入ります」
淡々とイルミに事実のみを告げ、ナマエは席を立った。イルミは一瞬何が起こったのか理解出来ずにいたが、理解すると慌ててナマエの後を追いかけた。
「単独で蜘蛛に立ち向かうのは無謀だ」
「うん、知ってる」
「なら……」
『どうして?』と続けようとするイルミの唇に人差し指を当て、声を留めさせた。
「イルミ、これは真っ向勝負じゃない。裏をかいて、かきまくってターゲットを【奪還】するの。裏をかければ勝算だってある」
妖笑するナマエにイルミは溜息をついた。こうなったら誰にもナマエは止められないだろう。止めるとなれば、それこそ命懸けになりかねない。それを頭の何処かで理解しているイルミは、それ以上何も言わずにナマエに従う事にした。
「どうするの?」
「イルミの力を借りる」
「オレの力?」
「そう。イルミの力」
街にあるとあるカフェの前で、漸くイルミに降ろされたナマエ。ずっと同じ体勢だった為、その場で伸びをする。イルミは辺りを見回し、ある一点を目指してツカツカと歩いていく。そんなイルミに気付いて、ナマエは慌てて後を追いかけた。
「や」
「早かったな」
イルミが声を掛けたのは青年スタイルのクロロだった。
「走ってきたからね」
「そうか。で、用件は何だ?」
「用があるのはオレじゃない」
イルミの言葉に、クロロは眉をピクリと動かした。
「イルミ!置いて行かないでよ!!」
そこにナマエがやっと追いついた。
「クロロ……ルシルフル…………」
ポツリと唇から零れ落ちた言葉に、クロロは殺気を放った。
「オレを知っているのか?」
「……知ってる」
「それはイルミに聞いてるからか?」
「……違う」
ナマエの言葉にクロロの殺気は膨れ上がった。イルミは何を考えているのか、クロロのいるテーブル席に座ると店員にコーヒーを注文していた。
「マフィアの娘を助けた時に会った。あの時とは格好が違うから、判らないかも知れないけど――屋敷で私をスカウトしたでしょ?」
クロロの殺気に負けじと殺気を放ち返すと、その殺気で漸くイルミの連れて来た女があの時スカウトした女だと気付いた。
「なる程。で、オレに用があるのはお前か?」
「そうです。貴方達が盗ったルビーが付いてるバングルを返して下さい」
「嫌だ――と言ったら?」
「力ずくで奪い返します」
「くくくっ……面白いな、お前」
「ナマエ」
「?」
「【お前】じゃなく、【ナマエ】です」
「そうか。ナマエ、ますます気に入った。蜘蛛に入れ」
「以前もお断りしたように嫌です。それに、欠番出て無いでしょう?」
「そこまで知っているのか……」
そこまで言うと、クロロは思考に耽った。イルミと同じで、クロロも考え事に夢中になると周りの言葉等そうそう入ってこないタイプだろう。そう考えて、ナマエは店員にアイスティーを注文してイルミの隣に腰掛けた。
注文した品が届くと店員に礼を言い、それを飲んでクロロが戻ってくるのを待った。
「ナマエと言ったな」
『返してくれなかったらどうしようかなぁ』と考えていると、クロロから声を掛けられた。
「はい」
「バングルは渡しても良い。代わりに――」
『オレ達の仕事を手伝え』と突拍子もない事を言われた。
「それは遠慮したい提案ですね」
「そうか……なら交渉決裂だな」
「ですね。力ずくで奪いに行かせて貰います」
「楽しみにしている」
喉の奥で笑うクロロを尻目に、ナマエはイルミに向き直った。
「という事で、せっかくイルミがセッティングしてくれたのに交渉決裂になりました。これから【奪還】作業に入ります」
淡々とイルミに事実のみを告げ、ナマエは席を立った。イルミは一瞬何が起こったのか理解出来ずにいたが、理解すると慌ててナマエの後を追いかけた。
「単独で蜘蛛に立ち向かうのは無謀だ」
「うん、知ってる」
「なら……」
『どうして?』と続けようとするイルミの唇に人差し指を当て、声を留めさせた。
「イルミ、これは真っ向勝負じゃない。裏をかいて、かきまくってターゲットを【奪還】するの。裏をかければ勝算だってある」
妖笑するナマエにイルミは溜息をついた。こうなったら誰にもナマエは止められないだろう。止めるとなれば、それこそ命懸けになりかねない。それを頭の何処かで理解しているイルミは、それ以上何も言わずにナマエに従う事にした。
「どうするの?」
「イルミの力を借りる」
「オレの力?」
「そう。イルミの力」