ゾルディック家と依頼再び
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『依頼は知り合いの富豪からだ。盗まれた宝石を取り返して欲しいそうだ。受けれるか?』
「もちろん!宝石の詳細情報と画像送ってくれる?」
『判った。すぐ送る!』
ジンとの通話を終え、数分しない内にターゲットの詳細情報と画像が送られてきた。
「【仕事】?」
「うん。ジンの仲介で1件ね」
ジンから送られてきた情報に目を通していると、イルミが後ろから覗き込んできた。
「それ、オレも一緒に行って良い?」
「イルミの仕事に支障がないならいいけど……気になるの?」
「うん。それ、持ってるヤツ知ってるから」
「…………イルミの知り合いが盗ったの?」
「多分ね」
沈黙が2人を包む。ナマエは考えた。イルミの知り合いで宝石を盗むヤツを。
「旅団――クロロ=ルシルフルか」
ポツリと呟くと、イルミが後ろからナマエを抱き寄せた。
「うん。だからオレも一緒に行く。ナマエだけだと、クロロに何かされそうだし」
確かに、旅団相手に1人で【奪還】は難しいかもしれない。しかし、ここでイルミに頼っていいのだろうか?そんな思考がナマエを支配していた。
「もっとオレを頼ってよ」
「ん?」
「ナマエになら、利用されてもいい」
「【彼氏】を利用する訳無いじゃん。手伝ってもらうかも知れないけどね」
思考を読まれた事に苦笑しながら、ナマエはジンから送られてきた情報を頭に叩き込んでいく。
旅団に盗まれたのは富豪の妻が大事にしていた、曾祖母の形見のスター・ルビー。血の様に濃い色をしており、光に翳すとその輝きはより一層増すという。特に高価な物ではないが、何より思い出の品の為取り戻して欲しいというのが依頼の概要。形状はシルバーを台座としたバングル。
(年代モンだから、その筋に売り払えばそこそこの値はつくハズ……)
難しい顔をしているナマエから腕を離し、イルミは自身の携帯を手に窓辺へと移動した。ナマエが情報に思考を割いている間に、イルミは旅団のリーダーであり依頼人になる事もあるクロロに連絡を取っていた。
イルミの行動等気にも留めず、ナマエは黙々とインプット作業に没頭していた。旅団が相手となると、正面突破は難しい。何か手を考えねば……そんな事を思案していると、それまで黙っていたイルミから声を掛けられた。
「ナマエ」
「何?急ぎの用事?」
「うん。クロロとのアポ取れたよ」
「……ごめん、もう一回言って貰える?」
「アポ取れたよ」
「誰との?」
「クロロ」
「ちょっ……何してんの!?」
『だって、持ってるのクロロだし』と悪気なさ気にイルミに言われた。
(こっちは接触せずに取り返したかったのに!!)
「はぁ……終わった事は仕方が無い……いつ会うの?」
「今から」
「はい?!」
「だから、今から。ちょうどパドキアに来てるんだって」
イルミに急かされ、ナマエは仕事用の服(全身真っ黒)に着替える。着替え終わると、イルミに抱き抱えられて窓から外へと出る。急に浮遊感に襲われ、思わず声を出しそうになったがそこは何とか堪えた。
そのまま広大な敷地を疾走するイルミ。
「ちょっ……1人で走れるから降ろして!」
「やだ」
「我侭言わないで降ろして!」
「絶対にやだ」
もう溜息しか出てこない。今日のイルミは特におかしい。
「イルミ」
「何?」
「今日のイルミはおかしい」
思った事を率直にぶつけてみるも、イルミは相変わらず『そう?』とだけ返してきた。これ以上何を言っても無駄だと判断したナマエは、黙ってイルミに運ばれる事にした。
【試しの門】の前まで来ると、イルミは一度足を止めた。やっと降ろしてもらえると内心安堵したナマエだったが、イルミは器用にナマエを抱えなおし、片手で片側の門を開けて外へと出た。
「もちろん!宝石の詳細情報と画像送ってくれる?」
『判った。すぐ送る!』
ジンとの通話を終え、数分しない内にターゲットの詳細情報と画像が送られてきた。
「【仕事】?」
「うん。ジンの仲介で1件ね」
ジンから送られてきた情報に目を通していると、イルミが後ろから覗き込んできた。
「それ、オレも一緒に行って良い?」
「イルミの仕事に支障がないならいいけど……気になるの?」
「うん。それ、持ってるヤツ知ってるから」
「…………イルミの知り合いが盗ったの?」
「多分ね」
沈黙が2人を包む。ナマエは考えた。イルミの知り合いで宝石を盗むヤツを。
「旅団――クロロ=ルシルフルか」
ポツリと呟くと、イルミが後ろからナマエを抱き寄せた。
「うん。だからオレも一緒に行く。ナマエだけだと、クロロに何かされそうだし」
確かに、旅団相手に1人で【奪還】は難しいかもしれない。しかし、ここでイルミに頼っていいのだろうか?そんな思考がナマエを支配していた。
「もっとオレを頼ってよ」
「ん?」
「ナマエになら、利用されてもいい」
「【彼氏】を利用する訳無いじゃん。手伝ってもらうかも知れないけどね」
思考を読まれた事に苦笑しながら、ナマエはジンから送られてきた情報を頭に叩き込んでいく。
旅団に盗まれたのは富豪の妻が大事にしていた、曾祖母の形見のスター・ルビー。血の様に濃い色をしており、光に翳すとその輝きはより一層増すという。特に高価な物ではないが、何より思い出の品の為取り戻して欲しいというのが依頼の概要。形状はシルバーを台座としたバングル。
(年代モンだから、その筋に売り払えばそこそこの値はつくハズ……)
難しい顔をしているナマエから腕を離し、イルミは自身の携帯を手に窓辺へと移動した。ナマエが情報に思考を割いている間に、イルミは旅団のリーダーであり依頼人になる事もあるクロロに連絡を取っていた。
イルミの行動等気にも留めず、ナマエは黙々とインプット作業に没頭していた。旅団が相手となると、正面突破は難しい。何か手を考えねば……そんな事を思案していると、それまで黙っていたイルミから声を掛けられた。
「ナマエ」
「何?急ぎの用事?」
「うん。クロロとのアポ取れたよ」
「……ごめん、もう一回言って貰える?」
「アポ取れたよ」
「誰との?」
「クロロ」
「ちょっ……何してんの!?」
『だって、持ってるのクロロだし』と悪気なさ気にイルミに言われた。
(こっちは接触せずに取り返したかったのに!!)
「はぁ……終わった事は仕方が無い……いつ会うの?」
「今から」
「はい?!」
「だから、今から。ちょうどパドキアに来てるんだって」
イルミに急かされ、ナマエは仕事用の服(全身真っ黒)に着替える。着替え終わると、イルミに抱き抱えられて窓から外へと出る。急に浮遊感に襲われ、思わず声を出しそうになったがそこは何とか堪えた。
そのまま広大な敷地を疾走するイルミ。
「ちょっ……1人で走れるから降ろして!」
「やだ」
「我侭言わないで降ろして!」
「絶対にやだ」
もう溜息しか出てこない。今日のイルミは特におかしい。
「イルミ」
「何?」
「今日のイルミはおかしい」
思った事を率直にぶつけてみるも、イルミは相変わらず『そう?』とだけ返してきた。これ以上何を言っても無駄だと判断したナマエは、黙ってイルミに運ばれる事にした。
【試しの門】の前まで来ると、イルミは一度足を止めた。やっと降ろしてもらえると内心安堵したナマエだったが、イルミは器用にナマエを抱えなおし、片手で片側の門を開けて外へと出た。