天空闘技場
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「ちなみに、100階を越えると専用の個室が用意されます」
チーンという音と共に、エレベーターの扉が開いた。
「50階でーす」
受付に赴き、チケットを差し出す。
「いらっしゃいませ。ナマエ様とギタラクル様ですね。はい!こちらが先程のファイトマネーです」
受付の人から封筒を渡され、中を見てみると152ジェニーが入っていた。
「1階は勝敗関係無しに152ジェニーだけど、ここからは負けたら0。勝てば5万位貰えたはず」
「へぇ~。そういえば、また偽名なの?」
「うん。ヒソカに見つかったら嫌だから」
心底嫌そうに顔を歪めるイルミ。
「でも、ギタラクルっていう偽名はヒソカも知ってるんじゃないの?」
「あ……」
「忘れてたんだね」
「うん」
「ま、見つかったらその時また考えよう。ね?」
「うん」
順当に勝ち抜き、気付いたら150階まで来ていた。
イルミは100階を越えて個室が宛がわれているにもかかわらず、ナマエの部屋に入り浸っていた。もちろん、素顔の状態で。
「ここまで負け無しでこれたね」
「イルミにとっては当たり前でしょ?」
「うん。ナマエが念無しでここまでやれるとは思ってなかったけどね」
「何気に酷いなぁ……」
イルミの毒舌に若干へこみながらも、ナマエは笑顔を浮かべていた。
「何で笑ってるの?」
「変装してるイルミってちゃんと表情あるからさ、何か嬉しくって」
「そう?」
「うん!」
「普段のオレってそんなに無表情?」
「無表情だよ。声だってほぼ無機質だし」
「……気をつける」
「ん?」
「ナマエの前では、ちゃんと表情とか出せる様に気をつける」
「別にいいよ、無理しなくても。何となく解るようにはなってきたし」
「オレはナマエの前ではちゃんと表情とか出てると思ってた」
「出てないよ。出てたら一々観察して無いし」
「だからか……」
「何が?」
「変装してない時にナマエがオレの顔をよく見てるの」
「あぁ、感情読もうと必死なんだよ」
カラカラと声を出して笑うナマエに、イルミは抱きついた。
「どうした?」
「何か……こうしたいって思ったから」
「人間らしい感情がまだあったって事だよ、それ」
ナマエは嬉しそうに笑う。イルミはそんなナマエに戸惑った。
「嫌がらないの?」
「嫌がる理由も無いのに?」
「前は嫌がってた」
確かに付き合う前は嫌がっていた。しかし、イルミを知るにつれて抱きつかれる事に対する嫌悪感は無くなっていた。
「今はイルミが【彼氏】だからね」
「【彼氏】じゃなきゃ、こういう事も出来ないの?」
「当たり前でしょ。酔っ払い相手ならまだしも、素面で抱きついてきたら撃ちこんでるよ」
そう言いながら備え付けの棚に置いてあるモデルガンを見遣った。
イルミが『ナマエの嫌がる事はしない』と宣言しその通りに行動しているからか、イルミと2人きりの時はモデルガンは身につけていないナマエ。
「オレ、ナマエが付き合うことを了承してくれた時は嬉しかったんだ」
「そう」
「今もこうしていられるのが凄く嬉しい」
イルミはナマエを抱き締める腕に力を込めた。心地良い空気が2人を包む。
「イルミ、解ってると思うけどあんまり力入れ過ぎないでね?さすがに骨にヒビ入ったりするから」
苦笑しながら言うナマエに、イルミは『うん』と返した。
抱きついて離れないイルミの背中を、ナマエはポンポンと優しく叩く。
「何か、落ち着く」
「それは良かった」
「本当に好きな人とこうしているのって、任務の時と違って落ち着く」
「私もイルミとこうしてると落ち着くよ?」
「本当に?」
「本当」
「良かった」
イルミの口元が若干だが緩んだ。ほんの小さな変化だが、イルミにも人間らしい感情・表情が戻ってきている様でナマエは安心した。
チーンという音と共に、エレベーターの扉が開いた。
「50階でーす」
受付に赴き、チケットを差し出す。
「いらっしゃいませ。ナマエ様とギタラクル様ですね。はい!こちらが先程のファイトマネーです」
受付の人から封筒を渡され、中を見てみると152ジェニーが入っていた。
「1階は勝敗関係無しに152ジェニーだけど、ここからは負けたら0。勝てば5万位貰えたはず」
「へぇ~。そういえば、また偽名なの?」
「うん。ヒソカに見つかったら嫌だから」
心底嫌そうに顔を歪めるイルミ。
「でも、ギタラクルっていう偽名はヒソカも知ってるんじゃないの?」
「あ……」
「忘れてたんだね」
「うん」
「ま、見つかったらその時また考えよう。ね?」
「うん」
順当に勝ち抜き、気付いたら150階まで来ていた。
イルミは100階を越えて個室が宛がわれているにもかかわらず、ナマエの部屋に入り浸っていた。もちろん、素顔の状態で。
「ここまで負け無しでこれたね」
「イルミにとっては当たり前でしょ?」
「うん。ナマエが念無しでここまでやれるとは思ってなかったけどね」
「何気に酷いなぁ……」
イルミの毒舌に若干へこみながらも、ナマエは笑顔を浮かべていた。
「何で笑ってるの?」
「変装してるイルミってちゃんと表情あるからさ、何か嬉しくって」
「そう?」
「うん!」
「普段のオレってそんなに無表情?」
「無表情だよ。声だってほぼ無機質だし」
「……気をつける」
「ん?」
「ナマエの前では、ちゃんと表情とか出せる様に気をつける」
「別にいいよ、無理しなくても。何となく解るようにはなってきたし」
「オレはナマエの前ではちゃんと表情とか出てると思ってた」
「出てないよ。出てたら一々観察して無いし」
「だからか……」
「何が?」
「変装してない時にナマエがオレの顔をよく見てるの」
「あぁ、感情読もうと必死なんだよ」
カラカラと声を出して笑うナマエに、イルミは抱きついた。
「どうした?」
「何か……こうしたいって思ったから」
「人間らしい感情がまだあったって事だよ、それ」
ナマエは嬉しそうに笑う。イルミはそんなナマエに戸惑った。
「嫌がらないの?」
「嫌がる理由も無いのに?」
「前は嫌がってた」
確かに付き合う前は嫌がっていた。しかし、イルミを知るにつれて抱きつかれる事に対する嫌悪感は無くなっていた。
「今はイルミが【彼氏】だからね」
「【彼氏】じゃなきゃ、こういう事も出来ないの?」
「当たり前でしょ。酔っ払い相手ならまだしも、素面で抱きついてきたら撃ちこんでるよ」
そう言いながら備え付けの棚に置いてあるモデルガンを見遣った。
イルミが『ナマエの嫌がる事はしない』と宣言しその通りに行動しているからか、イルミと2人きりの時はモデルガンは身につけていないナマエ。
「オレ、ナマエが付き合うことを了承してくれた時は嬉しかったんだ」
「そう」
「今もこうしていられるのが凄く嬉しい」
イルミはナマエを抱き締める腕に力を込めた。心地良い空気が2人を包む。
「イルミ、解ってると思うけどあんまり力入れ過ぎないでね?さすがに骨にヒビ入ったりするから」
苦笑しながら言うナマエに、イルミは『うん』と返した。
抱きついて離れないイルミの背中を、ナマエはポンポンと優しく叩く。
「何か、落ち着く」
「それは良かった」
「本当に好きな人とこうしているのって、任務の時と違って落ち着く」
「私もイルミとこうしてると落ち着くよ?」
「本当に?」
「本当」
「良かった」
イルミの口元が若干だが緩んだ。ほんの小さな変化だが、イルミにも人間らしい感情・表情が戻ってきている様でナマエは安心した。