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「ナマエ。訳あってファミリーネームは明かせない」
「ナマエさん、恩に着る!」
男の声を背に、ナマエは走り出していた。ターゲットの豪邸が完全に見えなくなった所で、隣にイルミの気配が現れた。
「イルミ」
「何?」
「いきなり居なくならないで」
「オレ、依頼人に顔見られるのあんまり好きじゃないんだよ」
プイッとそっぽを向くイルミがどことなく可愛く思えて、ナマエはクスクスと笑った。
「何で笑ってるの?」
「イルミの反応が可愛いから」
「オレの反応?」
「表情は変わらないのに、態度が可愛いんだもの」
「ナマエの方が可愛いよ」
「お世辞でも嬉しいよ。有難う」
走りながら、他愛もない会話をして飛行場へと戻った。
飛行船へ乗り込むと同時に、イルミはナマエに問いかけた。
「どうだった?」
「何が?」
「初仕事」
「あぁ……旅団にスカウトされた以外は面倒くさかったな」
備え付けのソファーに座りながら、ナマエは答えた。
「は?」
イルミはその隣に腰掛けようとして固まる。
「だから、面倒くさかった」
「その前」
「その前……?」
「旅団にスカウトされたって、どういう事?」
微かに殺気立つイルミ。
「どういう事って、こっちが訊きたい位だよ」
「ちなみに――誰にスカウトされたの?」
「……クロロ」
「はぁ~……」
イルミは長い溜息を吐いた。
「付き合って早々、厄介な相手に目をつけられたな……」
(こんな事になるって判ってたら、ナマエに頼まなかったのに)
「やっぱ厄介な相手なんだ?」
苦笑するナマエに、イルミは無表情のまま擦り寄った。
「どうしたの?」
「オレから離れたりしないでよ?」
「ん?」
「オレ以外の男と付き合ったら殺すから――相手の男」
「イルミって、寂しがり屋?」
「わかんない。こんな感情、初めてだし」
(ナマエを誰にも取られたくない)
ナマエはイルミの頭を優しく撫でる。
(髪の毛細いし艶があるし……羨ましいな)
「大丈夫。【条件】さえ守ってくれたら、そう簡単には離れないよ」
「本当?」
「うん。仕事とか始めたらずっと一緒にはいられないけどね」
「仕事……?」
「うん。今回イルミの仕事手伝ってて判ったの。私、【奪還屋】やる事にする」
「【奪還屋】?」
「不当に奪われたモノを取り返すの。今回みたいにね」
にこやかに笑うナマエに、イルミの口元が若干和らいだ気がした。
「そうと決まれば、ジンに連絡しなきゃ」
「例の義理父?」
「そ」
「何の連絡?」
心配そうな声音で訊いてくるイルミ。
「試験合格と、【奪還屋】開業のお知らせ。あとはイルミと付き合う事になったって事かな」
「それって、ナマエの義理父に紹介してくれるって事?」
「ん~、ちょっと違うかな。単なる報告だし」
そう言うと、ナマエは携帯を取り出しジンに電話を掛け始めた。
「もしもし、ジン?」
『おう、ナマエか?!』
「久しぶり」
『【久しぶり】じゃねーよ!試験受かったって連絡、何で寄こさなかった?!つーか、今何処にいる??』
「試験中にちょっとトラブルが起きてね。その後始末と仕事してたら遅くなった。ごめん」
『仕事?何を始めたんだ??』
「【奪還屋】」
ナマエはジンに仕事内容を簡単に説明した。それを聞いたジンは面白そうに笑った。
『確かに、お前の性格に合ってる仕事だな。オレの伝手で何人か依頼人を紹介してやる。あとはお前の成功率次第だ』
「有難う、ジン。あとね、ゾルディックの長男と付き合う事になったから」
『は?』
「だーかーらー、イルミ=ゾルディックと付き合う事になったって言ってるの!」
『お前……正気か?』
「正気だよ」
『はぁ……判った。とりあえず、奴等の家では何も飲み食いするな』
大きな溜息は吐かれたが、特に反対はされなかったナマエ。
「ナマエさん、恩に着る!」
男の声を背に、ナマエは走り出していた。ターゲットの豪邸が完全に見えなくなった所で、隣にイルミの気配が現れた。
「イルミ」
「何?」
「いきなり居なくならないで」
「オレ、依頼人に顔見られるのあんまり好きじゃないんだよ」
プイッとそっぽを向くイルミがどことなく可愛く思えて、ナマエはクスクスと笑った。
「何で笑ってるの?」
「イルミの反応が可愛いから」
「オレの反応?」
「表情は変わらないのに、態度が可愛いんだもの」
「ナマエの方が可愛いよ」
「お世辞でも嬉しいよ。有難う」
走りながら、他愛もない会話をして飛行場へと戻った。
飛行船へ乗り込むと同時に、イルミはナマエに問いかけた。
「どうだった?」
「何が?」
「初仕事」
「あぁ……旅団にスカウトされた以外は面倒くさかったな」
備え付けのソファーに座りながら、ナマエは答えた。
「は?」
イルミはその隣に腰掛けようとして固まる。
「だから、面倒くさかった」
「その前」
「その前……?」
「旅団にスカウトされたって、どういう事?」
微かに殺気立つイルミ。
「どういう事って、こっちが訊きたい位だよ」
「ちなみに――誰にスカウトされたの?」
「……クロロ」
「はぁ~……」
イルミは長い溜息を吐いた。
「付き合って早々、厄介な相手に目をつけられたな……」
(こんな事になるって判ってたら、ナマエに頼まなかったのに)
「やっぱ厄介な相手なんだ?」
苦笑するナマエに、イルミは無表情のまま擦り寄った。
「どうしたの?」
「オレから離れたりしないでよ?」
「ん?」
「オレ以外の男と付き合ったら殺すから――相手の男」
「イルミって、寂しがり屋?」
「わかんない。こんな感情、初めてだし」
(ナマエを誰にも取られたくない)
ナマエはイルミの頭を優しく撫でる。
(髪の毛細いし艶があるし……羨ましいな)
「大丈夫。【条件】さえ守ってくれたら、そう簡単には離れないよ」
「本当?」
「うん。仕事とか始めたらずっと一緒にはいられないけどね」
「仕事……?」
「うん。今回イルミの仕事手伝ってて判ったの。私、【奪還屋】やる事にする」
「【奪還屋】?」
「不当に奪われたモノを取り返すの。今回みたいにね」
にこやかに笑うナマエに、イルミの口元が若干和らいだ気がした。
「そうと決まれば、ジンに連絡しなきゃ」
「例の義理父?」
「そ」
「何の連絡?」
心配そうな声音で訊いてくるイルミ。
「試験合格と、【奪還屋】開業のお知らせ。あとはイルミと付き合う事になったって事かな」
「それって、ナマエの義理父に紹介してくれるって事?」
「ん~、ちょっと違うかな。単なる報告だし」
そう言うと、ナマエは携帯を取り出しジンに電話を掛け始めた。
「もしもし、ジン?」
『おう、ナマエか?!』
「久しぶり」
『【久しぶり】じゃねーよ!試験受かったって連絡、何で寄こさなかった?!つーか、今何処にいる??』
「試験中にちょっとトラブルが起きてね。その後始末と仕事してたら遅くなった。ごめん」
『仕事?何を始めたんだ??』
「【奪還屋】」
ナマエはジンに仕事内容を簡単に説明した。それを聞いたジンは面白そうに笑った。
『確かに、お前の性格に合ってる仕事だな。オレの伝手で何人か依頼人を紹介してやる。あとはお前の成功率次第だ』
「有難う、ジン。あとね、ゾルディックの長男と付き合う事になったから」
『は?』
「だーかーらー、イルミ=ゾルディックと付き合う事になったって言ってるの!」
『お前……正気か?』
「正気だよ」
『はぁ……判った。とりあえず、奴等の家では何も飲み食いするな』
大きな溜息は吐かれたが、特に反対はされなかったナマエ。