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「大丈夫?」
なるべく優しい声でナマエは話しかける。
「貴女……誰?」
恐怖に怯えた声で問いかけられる。
「キミを助けに来たの。名前はナマエ。キミの味方だよ」
「助けに来てくれたの?」
少女の瞳には溢れんばかりの涙が溜まっていた。
「そうだよ。もう大丈夫。悪い人達は皆お仕置きしておいたから、キミを苛める人はもういないよ」
ゆっくりと近付き、優しい手つきで少女の髪を撫でてやる。すると、少女は声を上げて泣き出した。
「よしよし。怖かったよね。よく頑張ったね」
少女を宥めつつ、視線を合わせる。少女は泣きながらナマエに抱きついてくる。それを受け止め、ナマエは少女の背中をポンポンと叩く。
やがて、泣き疲れたのか少女は寝息を立て始めた。
(無防備な寝顔だなぁ……)
少女を横抱きにし、来た道を戻り始めるナマエ。
(イルミ、絶対怒ってるよな……遅いって)
抱いている少女を起こさない様、細心の注意を払いながら廊下を歩いていると見知らぬ殺気を当てられた。
「誰?」
あくまでも冷静に、姿無き殺意の主に問いかけるナマエ。
「コレはお前がやったのか?」
ナマエの問いかけには答えず、質問してくる男の声。殺気はどうやらこの声の主が出しているらしい。
「そうだけど……だったら何?」
男の声がした方を見ると、そこにはファー付きのコートを羽織ったオールバックの男――クロロ=ルシルフルがいた。
「帰るのを邪魔する気?」
「いや。オレ達はこの屋敷のお宝さえ頂ければそれでいい」
「なら――その物騒な殺気をしまってくれない?このコにこんな凄惨な光景を見せたくないの」
ナマエが【十六夜涙(カオス)】をかけた警備員を始め、急所を外して動けなくした警備員全員が血に塗れ殺されていた。
「随分と優しいんだな」
クツクツと笑いながらクロロはナマエに言い放った。
「子供にはこの光景を見せたくないって思うのは、普通の事でしょ?」
「そいつがマフィアの娘でもか?」
「生い立ちなんか関係ない。邪魔するなら全力で対応するまでだから」
そう言いながら、ナマエはオーラ量を増す。
「ほぉ、面白いな。どうだ、蜘蛛に入らないか?」
「蜘蛛……って事はクロロ=ルシルフルか」
「オレの事を知っているのか?」
「蜘蛛は有名だからね。でも、蜘蛛に入る気は無い」
ナマエは手近な窓を器用にモデルガンで撃ち破ると、そこから外に飛び出した。
「逃げられたか……」
クロロから逃げる様に、庭を走る。
漸く正門前に着いた時には、やはりイルミが門扉に寄り掛かりながら待っていた。
「お待たせ。遅くなってごめん」
「別にいいよ。ターゲット以外任せたのはオレだし」
「怒ってないの?」
「怒る理由ないよ」
「良かった……」
へたり込みそうになるのを堪えて、ナマエはイルミに向き直った。
「無事に【奪還】してきたよ」
「うん」
「どうやって引き渡すの?」
「すぐそこまで迎えに来てる」
「そっか」
そこに1台のリムジンがやって来た。
「娘は!?娘は無事か??」
「お嬢さんなら無事ですよ」
リムジンから出てきた男に少女を渡す。イルミの気配が消えた為、ふと隣を見るとイルミが消えていた。どうやら依頼人と顔を合わせたくないらしい。
「良かった……有難う!本当に有難う!!娘にもしもの事があったら、私は……」
「そう思うのであれば、お嬢さんの警護を増やすなり、きちんと対策してあげてくださいね。今は恐怖心から泣き疲れて寝ていますが――今回の事がトラウマにならないとも限りませんから」
「解った。今後娘に同じ思いをさせない様、最善を尽くす」
「そうして下さい。それでは、私はこれで」
立ち去ろうとするナマエに、男は声を掛けた。
「待ってくれ!」
「まだ何か?」
「せめてお名前だけでも!!」
なるべく優しい声でナマエは話しかける。
「貴女……誰?」
恐怖に怯えた声で問いかけられる。
「キミを助けに来たの。名前はナマエ。キミの味方だよ」
「助けに来てくれたの?」
少女の瞳には溢れんばかりの涙が溜まっていた。
「そうだよ。もう大丈夫。悪い人達は皆お仕置きしておいたから、キミを苛める人はもういないよ」
ゆっくりと近付き、優しい手つきで少女の髪を撫でてやる。すると、少女は声を上げて泣き出した。
「よしよし。怖かったよね。よく頑張ったね」
少女を宥めつつ、視線を合わせる。少女は泣きながらナマエに抱きついてくる。それを受け止め、ナマエは少女の背中をポンポンと叩く。
やがて、泣き疲れたのか少女は寝息を立て始めた。
(無防備な寝顔だなぁ……)
少女を横抱きにし、来た道を戻り始めるナマエ。
(イルミ、絶対怒ってるよな……遅いって)
抱いている少女を起こさない様、細心の注意を払いながら廊下を歩いていると見知らぬ殺気を当てられた。
「誰?」
あくまでも冷静に、姿無き殺意の主に問いかけるナマエ。
「コレはお前がやったのか?」
ナマエの問いかけには答えず、質問してくる男の声。殺気はどうやらこの声の主が出しているらしい。
「そうだけど……だったら何?」
男の声がした方を見ると、そこにはファー付きのコートを羽織ったオールバックの男――クロロ=ルシルフルがいた。
「帰るのを邪魔する気?」
「いや。オレ達はこの屋敷のお宝さえ頂ければそれでいい」
「なら――その物騒な殺気をしまってくれない?このコにこんな凄惨な光景を見せたくないの」
ナマエが【十六夜涙(カオス)】をかけた警備員を始め、急所を外して動けなくした警備員全員が血に塗れ殺されていた。
「随分と優しいんだな」
クツクツと笑いながらクロロはナマエに言い放った。
「子供にはこの光景を見せたくないって思うのは、普通の事でしょ?」
「そいつがマフィアの娘でもか?」
「生い立ちなんか関係ない。邪魔するなら全力で対応するまでだから」
そう言いながら、ナマエはオーラ量を増す。
「ほぉ、面白いな。どうだ、蜘蛛に入らないか?」
「蜘蛛……って事はクロロ=ルシルフルか」
「オレの事を知っているのか?」
「蜘蛛は有名だからね。でも、蜘蛛に入る気は無い」
ナマエは手近な窓を器用にモデルガンで撃ち破ると、そこから外に飛び出した。
「逃げられたか……」
クロロから逃げる様に、庭を走る。
漸く正門前に着いた時には、やはりイルミが門扉に寄り掛かりながら待っていた。
「お待たせ。遅くなってごめん」
「別にいいよ。ターゲット以外任せたのはオレだし」
「怒ってないの?」
「怒る理由ないよ」
「良かった……」
へたり込みそうになるのを堪えて、ナマエはイルミに向き直った。
「無事に【奪還】してきたよ」
「うん」
「どうやって引き渡すの?」
「すぐそこまで迎えに来てる」
「そっか」
そこに1台のリムジンがやって来た。
「娘は!?娘は無事か??」
「お嬢さんなら無事ですよ」
リムジンから出てきた男に少女を渡す。イルミの気配が消えた為、ふと隣を見るとイルミが消えていた。どうやら依頼人と顔を合わせたくないらしい。
「良かった……有難う!本当に有難う!!娘にもしもの事があったら、私は……」
「そう思うのであれば、お嬢さんの警護を増やすなり、きちんと対策してあげてくださいね。今は恐怖心から泣き疲れて寝ていますが――今回の事がトラウマにならないとも限りませんから」
「解った。今後娘に同じ思いをさせない様、最善を尽くす」
「そうして下さい。それでは、私はこれで」
立ち去ろうとするナマエに、男は声を掛けた。
「待ってくれ!」
「まだ何か?」
「せめてお名前だけでも!!」