それから
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「――何か、懐かしいね」
「何が?」
「こうして、2人で他愛のない話するの」
「……」
「どこで間違っちゃったのかなぁ?」
「…………」
「まぁ、今更考えても遅いか」
「…………くない」
「ん?」
「遅くない」
「そう思ってるのは、【貴方】だけかもよ?」
「仮にそうだとして――今のナマエだったら、執事達を殺してでも敷地外に出る事が出来るでしょ?それをしないって事は、まだ遅くないと思う」
そう言うイルミの表情は、僅かにだが悲しそうに見えた。
「私が無駄な殺しをしたくないって事、解ってるでしょ?」
「うん。でも、ナマエなら相手の動きを封じて逃げる事が出来る。それをしないのは、何か考えがあっての事だと思ってる」
「……何で」
「?」
「何でこうもバレちゃうのかなぁ……」
吹っ切れたかの様に、ナマエは溜息を吐いた後にイルミの顔を見据えた。
「確かに、今の状態だったら逃げるのは簡単に出来る。けど、逃げても何も変わらないでしょ?特に【イルミ】が」
久方振りにナマエの口から己の名前が出た事に驚きを隠せないイルミ。そんなイルミの顔を視て、ナマエは声を出して笑った。
「笑うことないだろ?」
「ふふ……いや、笑うよ。だって【イルミ】に表情出てるんだから」
『あ~、おかしい』と言いながら、ナマエは笑い続けた。
「……良かった」
「ん?何が良かったの?」
笑いすぎて涙が出ていたナマエは、その雫を拭いながらイルミを見た。
「ナマエがオレの名前をやっと呼んでくれた」
「うん」
「ナマエがオレの事で笑ってくれた」
「うん」
「やっぱりオレ、ナマエの笑ってる顔が一番好き」
イルミは自然と微笑みながら、ナマエの顔を見据えていた。
「オレは――笑ってるナマエを【愛してる】」
「だったら……もう二度とこんなに怒らせないで」
「え?」
「え?」
「怒ってたの?」
「当たり前でしょ」
「今は?」
「呆れて物も言えない」
「でも、笑ってオレの名前呼んでくれるんだ?」
「怒りを通り越しちゃったからね」
クスクス笑うナマエを見て、イルミは改めて実感した。
「これが【幸せ】なのかな……」
「どうしたの?急に」
「オレ、今【幸せ】なのかもしれない」
「何で?」
「ナマエがオレの前で笑ってくれてるから」
「そっか……なら、その【幸せ】を逃さない様にしないとね?」
「うん。オレ、頑張る。【愛してる】よ、ナマエ」
「私は【愛して】ないけどね~」
「じゃあ、オレの事【好き】?」
「それは内緒」
そう言ってナマエはまた笑った。
「だけど、【嫌い】じゃないのは確かだよ」
「今はそれだけで十分だよ」
ナマエの心からの笑顔を見て、イルミもまた表情を変えた。
「近い内にナマエの口から、オレの事【好き】だってまた言わせるから」
「えらく強気に出たね」
「うん。自信があるから」
「自惚れて足元救われないようにね?」
「ナマエこそ、覚悟しててよね」
お互いに顔を見合わせて、声を出して笑った。遠い昔のようでいて、最近の出来事だったのに、ナマエはイルミに対する怒りを沈めて向かい合おうと再度心に決めた。
以前の様にお互いを思いやれる様になれると信じて。
イルミもまた、ナマエの笑顔を失いたくないという思いを心に決めていた。
(【愛してる】よ、ナマエ。今までも、これから先もずっと)
「何が?」
「こうして、2人で他愛のない話するの」
「……」
「どこで間違っちゃったのかなぁ?」
「…………」
「まぁ、今更考えても遅いか」
「…………くない」
「ん?」
「遅くない」
「そう思ってるのは、【貴方】だけかもよ?」
「仮にそうだとして――今のナマエだったら、執事達を殺してでも敷地外に出る事が出来るでしょ?それをしないって事は、まだ遅くないと思う」
そう言うイルミの表情は、僅かにだが悲しそうに見えた。
「私が無駄な殺しをしたくないって事、解ってるでしょ?」
「うん。でも、ナマエなら相手の動きを封じて逃げる事が出来る。それをしないのは、何か考えがあっての事だと思ってる」
「……何で」
「?」
「何でこうもバレちゃうのかなぁ……」
吹っ切れたかの様に、ナマエは溜息を吐いた後にイルミの顔を見据えた。
「確かに、今の状態だったら逃げるのは簡単に出来る。けど、逃げても何も変わらないでしょ?特に【イルミ】が」
久方振りにナマエの口から己の名前が出た事に驚きを隠せないイルミ。そんなイルミの顔を視て、ナマエは声を出して笑った。
「笑うことないだろ?」
「ふふ……いや、笑うよ。だって【イルミ】に表情出てるんだから」
『あ~、おかしい』と言いながら、ナマエは笑い続けた。
「……良かった」
「ん?何が良かったの?」
笑いすぎて涙が出ていたナマエは、その雫を拭いながらイルミを見た。
「ナマエがオレの名前をやっと呼んでくれた」
「うん」
「ナマエがオレの事で笑ってくれた」
「うん」
「やっぱりオレ、ナマエの笑ってる顔が一番好き」
イルミは自然と微笑みながら、ナマエの顔を見据えていた。
「オレは――笑ってるナマエを【愛してる】」
「だったら……もう二度とこんなに怒らせないで」
「え?」
「え?」
「怒ってたの?」
「当たり前でしょ」
「今は?」
「呆れて物も言えない」
「でも、笑ってオレの名前呼んでくれるんだ?」
「怒りを通り越しちゃったからね」
クスクス笑うナマエを見て、イルミは改めて実感した。
「これが【幸せ】なのかな……」
「どうしたの?急に」
「オレ、今【幸せ】なのかもしれない」
「何で?」
「ナマエがオレの前で笑ってくれてるから」
「そっか……なら、その【幸せ】を逃さない様にしないとね?」
「うん。オレ、頑張る。【愛してる】よ、ナマエ」
「私は【愛して】ないけどね~」
「じゃあ、オレの事【好き】?」
「それは内緒」
そう言ってナマエはまた笑った。
「だけど、【嫌い】じゃないのは確かだよ」
「今はそれだけで十分だよ」
ナマエの心からの笑顔を見て、イルミもまた表情を変えた。
「近い内にナマエの口から、オレの事【好き】だってまた言わせるから」
「えらく強気に出たね」
「うん。自信があるから」
「自惚れて足元救われないようにね?」
「ナマエこそ、覚悟しててよね」
お互いに顔を見合わせて、声を出して笑った。遠い昔のようでいて、最近の出来事だったのに、ナマエはイルミに対する怒りを沈めて向かい合おうと再度心に決めた。
以前の様にお互いを思いやれる様になれると信じて。
イルミもまた、ナマエの笑顔を失いたくないという思いを心に決めていた。
(【愛してる】よ、ナマエ。今までも、これから先もずっと)
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