それから
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どの位意識を手放していたかは分からない。気付いたら、イルミのベッドに横たわらせられていた。
「何で……?」
「あ、気付いた?」
「どの位……寝てたの?」
「1週間は寝てたね」
「そう……」
起き上がろうとするナマエを制して、イルミはナマエの髪を撫でた。
「心配した」
「……そう」
「本当に死んだかと思った」
「……死ぬ気だったからね」
「何であんな事したの?」
「まだ解らない……か」
「うん。解らない」
ナマエは窓の外に視線を移し、深く息を吐いた。
「そっか……【貴方】には理解出来ない、か」
残念そうに呟いたナマエの言葉に、イルミは首を傾げた。
「そうかぁ……」
「ナマエ」
「なぁに?」
「何……考えてるの?」
「【貴方】には関係ない事」
「ねぇ――何で名前で呼んでくれないの?」
「……」
「ねぇ……こっち見て答えてよ」
イルミに顎を捕まれ、無理矢理視線を合わせられる。
「ねぇ」
「もう……気付いてるんでしょ?」
「なんだ――バレてたんだ」
「それ位解るよ……【付き合ってた】んだから」
「【過去形】なの?」
「うん」
「理由は?」
「教えない。それ位自分で考えなよ」
「オレ、認めないから」
「?」
「理由も判らない状態で別れる気はないから」
「そっ」
「うん」
不毛なやり取りが続くと思われたが、イルミは何かを考えてすぐにナマエから離れた。
「分かった。オレの事、認めさせてみせる。それならいいでしょ?」
「ご自由にどうぞ」
「うん。そうする」
「じゃあ、私は行くわ。ここにいる意味ないし」
「それは駄目」
「何で?」
「まだ怪我治ってないから」
ナマエを指差し、イルミは『怪我が治るまでは部屋から出さない』と言い切って己の部屋を出て行った。
(マイペースと言うか、自己中というか……)
それからナマエの怪我が治るまで約1ヶ月。イルミは毎日の様にナマエの元を訪れていた。
「調子は?」
「フツー」
「そう」
「そういや、ここ【貴方】の部屋でしょ?いい加減監視付きで軟禁するの、止めてくれない?」
「嫌だ」
「……我儘」
「うん。今のはオレの我儘だよ」
「解っててやってるのか……質悪ぃな……」
「オレはナマエを手放したくない。かと言って、無理強いもしたくない」
「……矛盾してるよ」
「知ってる。でも、オレはこういう風にしか【愛せない】から」
「一回病院行った方がいいよ」
「何で?オレ、健康だよ?」
「いや、身体じゃなく【心】の方だよ……」
呆れながら言うナマエの顔を見て、イルミは考えた。
「ナマエが望むなら行くよ。けど、変わらないと思うよ、オレは」
「行く前から決めつけるのは良くないよ?」
「だってオレ、物心ついた時からこんな感じだったし」
「育て方間違ったな、シルバさん達……」
ナマエが苦笑すると、イルミは目を見開いた。
「どうしたの?」
「ここに来て、ナマエが初めて笑った」
「そう?」
「うん」
「……通りで口角が引きつるわけだ」
自嘲気味に言うも、イルミは嬉しそうに声を変えた。
「良かった。もう笑ってくれないかと思った」
「さすがに面白い事があれば笑うよ?」
「面白い事……そうだ!」
「?」
「この前仕事でさ――」
イルミは仕事での面白い話をしだしたが、ナマエにとってはどこが面白いのか全く理解出来なかった。
(暗殺者の【面白い】の定義が全く解らん……)
「ね?面白いでしょ」
「いや、全く理解出来ない」
「何で?」
「感性の違いじゃないの?」
「ふ~ん……なら、ナマエはどういう事が【面白い】の?」
「ん~……例えばね――」
小一時間程、イルミに自分が【面白い】と思える話をしてみた。相変わらずの無表情だが、ナマエの話を真剣に聴いているイルミ。
「何で……?」
「あ、気付いた?」
「どの位……寝てたの?」
「1週間は寝てたね」
「そう……」
起き上がろうとするナマエを制して、イルミはナマエの髪を撫でた。
「心配した」
「……そう」
「本当に死んだかと思った」
「……死ぬ気だったからね」
「何であんな事したの?」
「まだ解らない……か」
「うん。解らない」
ナマエは窓の外に視線を移し、深く息を吐いた。
「そっか……【貴方】には理解出来ない、か」
残念そうに呟いたナマエの言葉に、イルミは首を傾げた。
「そうかぁ……」
「ナマエ」
「なぁに?」
「何……考えてるの?」
「【貴方】には関係ない事」
「ねぇ――何で名前で呼んでくれないの?」
「……」
「ねぇ……こっち見て答えてよ」
イルミに顎を捕まれ、無理矢理視線を合わせられる。
「ねぇ」
「もう……気付いてるんでしょ?」
「なんだ――バレてたんだ」
「それ位解るよ……【付き合ってた】んだから」
「【過去形】なの?」
「うん」
「理由は?」
「教えない。それ位自分で考えなよ」
「オレ、認めないから」
「?」
「理由も判らない状態で別れる気はないから」
「そっ」
「うん」
不毛なやり取りが続くと思われたが、イルミは何かを考えてすぐにナマエから離れた。
「分かった。オレの事、認めさせてみせる。それならいいでしょ?」
「ご自由にどうぞ」
「うん。そうする」
「じゃあ、私は行くわ。ここにいる意味ないし」
「それは駄目」
「何で?」
「まだ怪我治ってないから」
ナマエを指差し、イルミは『怪我が治るまでは部屋から出さない』と言い切って己の部屋を出て行った。
(マイペースと言うか、自己中というか……)
それからナマエの怪我が治るまで約1ヶ月。イルミは毎日の様にナマエの元を訪れていた。
「調子は?」
「フツー」
「そう」
「そういや、ここ【貴方】の部屋でしょ?いい加減監視付きで軟禁するの、止めてくれない?」
「嫌だ」
「……我儘」
「うん。今のはオレの我儘だよ」
「解っててやってるのか……質悪ぃな……」
「オレはナマエを手放したくない。かと言って、無理強いもしたくない」
「……矛盾してるよ」
「知ってる。でも、オレはこういう風にしか【愛せない】から」
「一回病院行った方がいいよ」
「何で?オレ、健康だよ?」
「いや、身体じゃなく【心】の方だよ……」
呆れながら言うナマエの顔を見て、イルミは考えた。
「ナマエが望むなら行くよ。けど、変わらないと思うよ、オレは」
「行く前から決めつけるのは良くないよ?」
「だってオレ、物心ついた時からこんな感じだったし」
「育て方間違ったな、シルバさん達……」
ナマエが苦笑すると、イルミは目を見開いた。
「どうしたの?」
「ここに来て、ナマエが初めて笑った」
「そう?」
「うん」
「……通りで口角が引きつるわけだ」
自嘲気味に言うも、イルミは嬉しそうに声を変えた。
「良かった。もう笑ってくれないかと思った」
「さすがに面白い事があれば笑うよ?」
「面白い事……そうだ!」
「?」
「この前仕事でさ――」
イルミは仕事での面白い話をしだしたが、ナマエにとってはどこが面白いのか全く理解出来なかった。
(暗殺者の【面白い】の定義が全く解らん……)
「ね?面白いでしょ」
「いや、全く理解出来ない」
「何で?」
「感性の違いじゃないの?」
「ふ~ん……なら、ナマエはどういう事が【面白い】の?」
「ん~……例えばね――」
小一時間程、イルミに自分が【面白い】と思える話をしてみた。相変わらずの無表情だが、ナマエの話を真剣に聴いているイルミ。