会長選挙/アルカ
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「止めろ!イルミ!!」
キルアは何も言えず、その双眼に涙を溜めて2人を見ている。
「これは【取引】だぞ、キル。【オレの死】と【ゴンについての【お願い】をお前自身でする】とを交換だ!!」
「ナニカ。ツボネの左手を治してくれ……!!」
キルアの突然の【お願い】に、イルミは驚きを隠せなかった。
「……え?」
「あい。て。て」
「ツボネ……左手出して……」
「キルア様……しかし」
ツボネは手を出し渋る。
「いいから」
キルアの言葉に、ツボネは渋々左手を差し出した。
「ナニカは……壊すのは得意だけど、治すのは苦手だ。治す時は……それに直接触れる必要がある……けど」
ナニカが触れたツボネの左手の指先が、光に包まれる。
「おお……」
「あい。キルアー、いいコいいコしてー」
「もちろんいいよー。凄いな、ナニカ」
「えへへへ」
「オレを……【キルア】って呼ぶのはナニカだ。治すのは疲れるんだろうな。すぐ寝ちゃう……だけど、これだけだ」
寝息を立てて眠ってしまったナニカを抱きかかえながら、キルアは続けた。
「ナニカに何かを治す【お願い】をした後で、ナニカが残酷な見返りを求めた事なんか一度もない!!ナニカは誰より優しいよ。呪われてるのは、【お願い】する方だ!!今度ナニカを【それ】呼ばわりしてみろ。キサマを兄貴と思わない……!!」
「キルア……」
「……分かったよ、キル。お前にリスクが及ばずにゴンを治せるなら、それに越した事はない。だけど、ナニカが危険な存在なのは何一つ変わっちゃいないし、オレの疑問が解消されたわけでもない。キル、お前はまだ何か隠している。ミルキのルール5がお前に当てはまらないのもそう。全てを話さない限り、アルカは開放されないよ。ナマエ、行くよ」
【わが臈たし悪の華(デビルフラミンゴ)】を解除していないナマエの手を取って、イルミはその場を後にしようとした。
「キルアッ!ゴンを……ゴンを頼んだよ!!」
イルミに引きずられるようにして森の中に消えていったナマエの言葉は、その場に大きく木霊した。
「イルミ!どういうつもり!?」
「ナマエこそ、どういうつもりなの?」
「は?!」
「何でオレの邪魔をしたの?」
不思議そうに言うイルミに、ナマエは言葉に詰まった。
「……」
「黙ってないで、理由を言いなよ」
「…………理由?」
「そう、理由」
「イルミが家族間で【殺し】をしようとしたからに決まってるじゃない!!自分は死ぬ覚悟だったのも許せない!!!」
「家族?キルは殺さないよ??それに、オレが死んでもキルとナマエの心の中じゃ生き続けるでしょ?」
「アルカも家族でしょ!それに、心の中で生き続けるって何?そんなの許さない!!」
「アレは別のどこからか来た【ナニカ】だ。家族じゃない。それにしても、許さない……か」
「ああ、許さない。【別のどこか】から来たってだけで否定すんなら、私の存在も否定してる事になるって――気付いてないの?」
「ふぅ……オレはナマエの事は否定してない」
分かり合えないまま、時間だけが過ぎてゆく。
(不毛だ……こんな言い争い、何も生まれないのに……)
「もういい……今のイルミとは解り合えない」
「ナマエ」
イルミの元から立ち去ろうとするナマエを、イルミは腕を掴んで制止した。
「どこ行くの?」
「……イルミには関係ない」
「関係あるよ」
「それは――【恋人】だからでしょ?」
「うん」
「……こんな関係、【恋人】じゃない!」
「じゃあ何?」
「こんなの……ただの【ごっこ遊び】だよ」
悲しそうに呟くナマエを見て、イルミの力が緩んだ。
「じゃあね、イルミ」
イルミの顔を見る事無く、ナマエはイルミと別れてゴンのいる病院を目指した。
キルアは何も言えず、その双眼に涙を溜めて2人を見ている。
「これは【取引】だぞ、キル。【オレの死】と【ゴンについての【お願い】をお前自身でする】とを交換だ!!」
「ナニカ。ツボネの左手を治してくれ……!!」
キルアの突然の【お願い】に、イルミは驚きを隠せなかった。
「……え?」
「あい。て。て」
「ツボネ……左手出して……」
「キルア様……しかし」
ツボネは手を出し渋る。
「いいから」
キルアの言葉に、ツボネは渋々左手を差し出した。
「ナニカは……壊すのは得意だけど、治すのは苦手だ。治す時は……それに直接触れる必要がある……けど」
ナニカが触れたツボネの左手の指先が、光に包まれる。
「おお……」
「あい。キルアー、いいコいいコしてー」
「もちろんいいよー。凄いな、ナニカ」
「えへへへ」
「オレを……【キルア】って呼ぶのはナニカだ。治すのは疲れるんだろうな。すぐ寝ちゃう……だけど、これだけだ」
寝息を立てて眠ってしまったナニカを抱きかかえながら、キルアは続けた。
「ナニカに何かを治す【お願い】をした後で、ナニカが残酷な見返りを求めた事なんか一度もない!!ナニカは誰より優しいよ。呪われてるのは、【お願い】する方だ!!今度ナニカを【それ】呼ばわりしてみろ。キサマを兄貴と思わない……!!」
「キルア……」
「……分かったよ、キル。お前にリスクが及ばずにゴンを治せるなら、それに越した事はない。だけど、ナニカが危険な存在なのは何一つ変わっちゃいないし、オレの疑問が解消されたわけでもない。キル、お前はまだ何か隠している。ミルキのルール5がお前に当てはまらないのもそう。全てを話さない限り、アルカは開放されないよ。ナマエ、行くよ」
【わが臈たし悪の華(デビルフラミンゴ)】を解除していないナマエの手を取って、イルミはその場を後にしようとした。
「キルアッ!ゴンを……ゴンを頼んだよ!!」
イルミに引きずられるようにして森の中に消えていったナマエの言葉は、その場に大きく木霊した。
「イルミ!どういうつもり!?」
「ナマエこそ、どういうつもりなの?」
「は?!」
「何でオレの邪魔をしたの?」
不思議そうに言うイルミに、ナマエは言葉に詰まった。
「……」
「黙ってないで、理由を言いなよ」
「…………理由?」
「そう、理由」
「イルミが家族間で【殺し】をしようとしたからに決まってるじゃない!!自分は死ぬ覚悟だったのも許せない!!!」
「家族?キルは殺さないよ??それに、オレが死んでもキルとナマエの心の中じゃ生き続けるでしょ?」
「アルカも家族でしょ!それに、心の中で生き続けるって何?そんなの許さない!!」
「アレは別のどこからか来た【ナニカ】だ。家族じゃない。それにしても、許さない……か」
「ああ、許さない。【別のどこか】から来たってだけで否定すんなら、私の存在も否定してる事になるって――気付いてないの?」
「ふぅ……オレはナマエの事は否定してない」
分かり合えないまま、時間だけが過ぎてゆく。
(不毛だ……こんな言い争い、何も生まれないのに……)
「もういい……今のイルミとは解り合えない」
「ナマエ」
イルミの元から立ち去ろうとするナマエを、イルミは腕を掴んで制止した。
「どこ行くの?」
「……イルミには関係ない」
「関係あるよ」
「それは――【恋人】だからでしょ?」
「うん」
「……こんな関係、【恋人】じゃない!」
「じゃあ何?」
「こんなの……ただの【ごっこ遊び】だよ」
悲しそうに呟くナマエを見て、イルミの力が緩んだ。
「じゃあね、イルミ」
イルミの顔を見る事無く、ナマエはイルミと別れてゴンのいる病院を目指した。