会長選挙/アルカ
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
選挙会場には、悲痛な面持ちのハンターが集まっていた。
その中に、ナマエとギタラクルに変装したイルミが並んで投票の順番を待っている。
「何か……覚えのあるねちっこいオーラが…………」
「来てるね、ヒソカの奴」
「……やっぱり?」
「うん」
イルミの言葉に、ナマエは力なく項垂れた。
「どうしたの?」
「いや……会い難いなぁって思って」
「何で?」
「『何で』って……この前フッたばかりだよ?さすがに会い難いでしょ…………」
「ヒソカはそんな事気にしてないと思うけどなぁ……」
「向こうが気にしてなくても、こっちが気にするっての!」
イルミと不毛なやり取りをしていると、投票の順番が回ってきた。
無事に投票を終え、帰ろうとしたその時。イルミが投票所近くに腰掛けてるヒソカを見つけ、近づいて行った。
「え?……イルミ待った!」
ナマエの声も虚しく、イルミはヒソカに声を掛けていた。
「ヒマなの?」
「何だ、イルミとナマエか♠そっちこそ♣」
「……ドウモ」
「ヒソカってさー、ニュース見ないでしょ?」
「?」
「選挙はネテロ会長が死んだから。実は外来種のアリと戦って共倒れ。協会にはご褒美として、広い庭が贈られましたとさ」
「アリ?」
「やっぱり。ヒソカがクロロと鬼ごっこしてる間に、色んなニュースがあったのさ。それをちょっと並べ替えて考えると、キミがアリか会長と戦えたかもしれないのに」
「そのちょっとが面倒なんだよね……♠イルミがボクのマネージャーしてくれないかな?」
「ナマエもだけど、ゴンとキルアもアリ狩りに参加してね。ゴンは今死にかけてて、キルアは親父に直談判」
「……何だって?」
「このままだと、三人共死ぬ」
「三人共……!?」
「それだけは絶対に避けたい」
「イルミ、ちゃんと説明しろ♠」
ヒソカの眼が真剣そのものになった事を、ナマエは見逃さなかった。
「ウチにはもう一人弟がいる。こいつを始末したい」
「え……イルミ?!」
「ナマエは口出ししないで」
「でもっ!」
「これは【オレ達】の問題だから」
イルミの有無を言わせぬ気迫に、ナマエは負けてそれ以上何も言えなくなった。
「アルカの【おねだり】を三つ叶えると、【お願い】を一つ叶えてくれる。アルカが叶えてくれる【お願い】には、恐らく限界がない。恐らく【何でも】叶えてくれる。ただし、アルカへの【お願い】がデカければデカい程、次のアルカの三つの【おねだり】がデカくなる。つまりは等価交換。しかも、尻拭いはアルカに【お願い】を叶えて貰った奴じゃなく、【その次の別人】がやらなければいけない。アルカの【おねだり】を四回連続で断ると、【断った者】と【その者が最も愛している者】、つまり最低でも二人が同時に死ぬ。【お願い】がデカい程、【おねだり】を断った時の死人は増える。あの時は、判っているだけで67人死んだ……!!」
選挙会場から場所を移し、今はパドキア行きの飛行船に乗っている3人。さっきから、イルミはいつになく饒舌だった。
「2人死ぬパターンは、それ以外に6回あったかな。母親がキルアの言葉を信じなくてもう1組。半信半疑でもう1組試して、確信した後も巻き添えになる者の法則を確認する為に2組。他にはミルキが観光客の命と引き換えに、チープなオモチャを【お願い】したのが2組。間にデカイのが2回あって、把握した限り13人と67人がそれぞれ一瞬で死んでる。一つ目はミルキで、二つ目は執事のヤスハ」
変装を解いたイルミの言葉を、ヒソカと2人で黙って聞いているだけのナマエ。
「観光者の方は苦労したけど、ヤスハの方は【尻拭い】もカスガだったから犠牲者を追跡しやすかったんだ。調べてみて、ある事に気が付いた。どうも二人が死ぬ場合と大勢の場合とでは理屈が合わない。【二人】の場合と【大勢】とでは、【選ばれる法則が違うんじゃないか?】と。ゾルディック家の執事は敷地内の養成所で教育を受ける。執事が死んだ同日同時刻、その養成所で同じクラスだった者が全員荒縄状に捩じり殺された。他にも担任と専科の教師、別のクラスの何名か、孤児院の仲間、養父母とその両親。確かに皆近しい者達だった。でもさ、クラスメイト全員好きとかあり得る?決定的だったのは、難病で入院している実母。月に一度30分だけしか面会出来なかったそうだ。養成所の資料に、【最愛の人は実の母親】とあった。でも実母はまだ病院で生きてる」
その中に、ナマエとギタラクルに変装したイルミが並んで投票の順番を待っている。
「何か……覚えのあるねちっこいオーラが…………」
「来てるね、ヒソカの奴」
「……やっぱり?」
「うん」
イルミの言葉に、ナマエは力なく項垂れた。
「どうしたの?」
「いや……会い難いなぁって思って」
「何で?」
「『何で』って……この前フッたばかりだよ?さすがに会い難いでしょ…………」
「ヒソカはそんな事気にしてないと思うけどなぁ……」
「向こうが気にしてなくても、こっちが気にするっての!」
イルミと不毛なやり取りをしていると、投票の順番が回ってきた。
無事に投票を終え、帰ろうとしたその時。イルミが投票所近くに腰掛けてるヒソカを見つけ、近づいて行った。
「え?……イルミ待った!」
ナマエの声も虚しく、イルミはヒソカに声を掛けていた。
「ヒマなの?」
「何だ、イルミとナマエか♠そっちこそ♣」
「……ドウモ」
「ヒソカってさー、ニュース見ないでしょ?」
「?」
「選挙はネテロ会長が死んだから。実は外来種のアリと戦って共倒れ。協会にはご褒美として、広い庭が贈られましたとさ」
「アリ?」
「やっぱり。ヒソカがクロロと鬼ごっこしてる間に、色んなニュースがあったのさ。それをちょっと並べ替えて考えると、キミがアリか会長と戦えたかもしれないのに」
「そのちょっとが面倒なんだよね……♠イルミがボクのマネージャーしてくれないかな?」
「ナマエもだけど、ゴンとキルアもアリ狩りに参加してね。ゴンは今死にかけてて、キルアは親父に直談判」
「……何だって?」
「このままだと、三人共死ぬ」
「三人共……!?」
「それだけは絶対に避けたい」
「イルミ、ちゃんと説明しろ♠」
ヒソカの眼が真剣そのものになった事を、ナマエは見逃さなかった。
「ウチにはもう一人弟がいる。こいつを始末したい」
「え……イルミ?!」
「ナマエは口出ししないで」
「でもっ!」
「これは【オレ達】の問題だから」
イルミの有無を言わせぬ気迫に、ナマエは負けてそれ以上何も言えなくなった。
「アルカの【おねだり】を三つ叶えると、【お願い】を一つ叶えてくれる。アルカが叶えてくれる【お願い】には、恐らく限界がない。恐らく【何でも】叶えてくれる。ただし、アルカへの【お願い】がデカければデカい程、次のアルカの三つの【おねだり】がデカくなる。つまりは等価交換。しかも、尻拭いはアルカに【お願い】を叶えて貰った奴じゃなく、【その次の別人】がやらなければいけない。アルカの【おねだり】を四回連続で断ると、【断った者】と【その者が最も愛している者】、つまり最低でも二人が同時に死ぬ。【お願い】がデカい程、【おねだり】を断った時の死人は増える。あの時は、判っているだけで67人死んだ……!!」
選挙会場から場所を移し、今はパドキア行きの飛行船に乗っている3人。さっきから、イルミはいつになく饒舌だった。
「2人死ぬパターンは、それ以外に6回あったかな。母親がキルアの言葉を信じなくてもう1組。半信半疑でもう1組試して、確信した後も巻き添えになる者の法則を確認する為に2組。他にはミルキが観光客の命と引き換えに、チープなオモチャを【お願い】したのが2組。間にデカイのが2回あって、把握した限り13人と67人がそれぞれ一瞬で死んでる。一つ目はミルキで、二つ目は執事のヤスハ」
変装を解いたイルミの言葉を、ヒソカと2人で黙って聞いているだけのナマエ。
「観光者の方は苦労したけど、ヤスハの方は【尻拭い】もカスガだったから犠牲者を追跡しやすかったんだ。調べてみて、ある事に気が付いた。どうも二人が死ぬ場合と大勢の場合とでは理屈が合わない。【二人】の場合と【大勢】とでは、【選ばれる法則が違うんじゃないか?】と。ゾルディック家の執事は敷地内の養成所で教育を受ける。執事が死んだ同日同時刻、その養成所で同じクラスだった者が全員荒縄状に捩じり殺された。他にも担任と専科の教師、別のクラスの何名か、孤児院の仲間、養父母とその両親。確かに皆近しい者達だった。でもさ、クラスメイト全員好きとかあり得る?決定的だったのは、難病で入院している実母。月に一度30分だけしか面会出来なかったそうだ。養成所の資料に、【最愛の人は実の母親】とあった。でも実母はまだ病院で生きてる」