キメラ=アント
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扉の中には、ネフェルピトーの【念】で傀儡と化したカイトがいた。
(酷い……何でこんな事出来るんだ…………!?)
強い怒りを覚えたナマエは、その手を強く握りしめていた。
握りしめた手からは血が滴り落ちている。
どの位そうしていたかは分からない。気付いたら、古城の中に2つの大きなオーラが存在していた。
(――ゴン。来ちゃったのか……)
扉の奥から、こちらに近付いて来る靴音が聞こえる。
やがて、扉が大きな音を立てて開いた。
「……ナマエさん!?」
「やっぱり来たね、ゴン……」
「邪魔……しに来たの?」
怒りを露わにしたゴンに、ナマエは困ったように笑った。
「まさか……【見届ける】為に待ってたんだよ」
「そう……さあ、約束通りカイトを治せ」
ゴンはナマエからネフェルピトーに視線を移し、続ける。
「そうすればこっちも、あの娘を解放する」
「名前……」
「?」
「キミの名前、何て言ったっけ……?」
「ゴン。ゴン=フリークスだ」
「ゴン……キミはボクのお願いを聞いてくれた。だから、せめてボクもキミに正直でいようと思う」
一瞬の間を置いて、ネフェルピトーの口から発せられたのはゴンにとっては受け入れ難い言葉だった。
「彼は――もう死んでいる」
空気が変わった。ナマエはそれを己の肌で感じ取った。
「ボクと闘った時、すでに死んだんだ。思い出した…………キミはあの時の……」
ゴンの瞳には、涙が浮かんでいた。
「死人を生き返らせる事は……出来なかった。ボクの能力で出来たのは、腐敗しない様に作り直す事と――操る事だけだった」
瞳に溜まった涙が零れ落ちる。
「彼の魂は、もうここにはない。もう……元には戻せないんだ。ゴメンね」
ネフェルピトーの眼には、罪悪感等無かった。
失意のあまり、ゴンは崩れ落ちる。
ナマエはその様を、何も言わずに見つめていた。
ゴンはカイトに出会い、今まで教えられてきた事を思い出していた。カイトはゴンにとって、師の様な存在でもあった。そんなカイトが死んだ。自分が殺してしまった。
(違う!!!オレじゃない!!殺したのはピトーだ。オレじゃない!!でもでもでもでもでも――)
泣いているゴンと動かぬカイトを見て、ネフェルピトーが動いた。
(【玩具修理者(ドクターブライス)】!!)
ネフェルピトーは瞬時の判断で【玩具修理者(ドクターブライス)】を発動し、シャウアプフが計画したソレを実行に移した。
何も知らないゴンは、自身を治療しているネフェルピトーをただ見ているだけだった。
「……ン!」
「…………ゴン!!現実を見ろ!!!」
「ゴン……残念だけど、キミを殺さなきゃいけない。王の為……」
(…………オレを殺す……?治してくれないの…………?やっぱりカイトを――治してくれないの?)
「嘘吐き……」
ゴンの一言で、文字通り空気が変わった。場内の空気が、一気にゴンの元へと集まる。
(何だ――何だ、これは)
(もうこれで――終わってもいい。だから、ありったけを)
修復を終えたネフェルピトーは、【黒子舞想(テレプシコーラ)】を発動しゴンを警戒した。
(やはりボクは、正しかった…………!!貴様を殺す!!)
「ピトー」
(黒子舞想(テレプシコーラ)!!限界を超えて舞え!!やはりコイツの牙は、王にも届き得た!!ここで止める!!)
覚醒したゴンに向かって、ネフェルピトーはありったけの力を持って向かって行く。
(止めたい……けど――止めたら駄目だ!!)
ナマエは理性を総動員し、この状況に耐えた。
ネフェルピトーの攻撃を避けたゴン。
(まさか……!?王の所へ!?)
慌てて飛び出すネフェルピトーを追いかけ、ナマエも扉の外へ向かった。
「!!」
「来いよ。アジトは壊したくない。こっちだ。ついて来い」
(酷い……何でこんな事出来るんだ…………!?)
強い怒りを覚えたナマエは、その手を強く握りしめていた。
握りしめた手からは血が滴り落ちている。
どの位そうしていたかは分からない。気付いたら、古城の中に2つの大きなオーラが存在していた。
(――ゴン。来ちゃったのか……)
扉の奥から、こちらに近付いて来る靴音が聞こえる。
やがて、扉が大きな音を立てて開いた。
「……ナマエさん!?」
「やっぱり来たね、ゴン……」
「邪魔……しに来たの?」
怒りを露わにしたゴンに、ナマエは困ったように笑った。
「まさか……【見届ける】為に待ってたんだよ」
「そう……さあ、約束通りカイトを治せ」
ゴンはナマエからネフェルピトーに視線を移し、続ける。
「そうすればこっちも、あの娘を解放する」
「名前……」
「?」
「キミの名前、何て言ったっけ……?」
「ゴン。ゴン=フリークスだ」
「ゴン……キミはボクのお願いを聞いてくれた。だから、せめてボクもキミに正直でいようと思う」
一瞬の間を置いて、ネフェルピトーの口から発せられたのはゴンにとっては受け入れ難い言葉だった。
「彼は――もう死んでいる」
空気が変わった。ナマエはそれを己の肌で感じ取った。
「ボクと闘った時、すでに死んだんだ。思い出した…………キミはあの時の……」
ゴンの瞳には、涙が浮かんでいた。
「死人を生き返らせる事は……出来なかった。ボクの能力で出来たのは、腐敗しない様に作り直す事と――操る事だけだった」
瞳に溜まった涙が零れ落ちる。
「彼の魂は、もうここにはない。もう……元には戻せないんだ。ゴメンね」
ネフェルピトーの眼には、罪悪感等無かった。
失意のあまり、ゴンは崩れ落ちる。
ナマエはその様を、何も言わずに見つめていた。
ゴンはカイトに出会い、今まで教えられてきた事を思い出していた。カイトはゴンにとって、師の様な存在でもあった。そんなカイトが死んだ。自分が殺してしまった。
(違う!!!オレじゃない!!殺したのはピトーだ。オレじゃない!!でもでもでもでもでも――)
泣いているゴンと動かぬカイトを見て、ネフェルピトーが動いた。
(【玩具修理者(ドクターブライス)】!!)
ネフェルピトーは瞬時の判断で【玩具修理者(ドクターブライス)】を発動し、シャウアプフが計画したソレを実行に移した。
何も知らないゴンは、自身を治療しているネフェルピトーをただ見ているだけだった。
「……ン!」
「…………ゴン!!現実を見ろ!!!」
「ゴン……残念だけど、キミを殺さなきゃいけない。王の為……」
(…………オレを殺す……?治してくれないの…………?やっぱりカイトを――治してくれないの?)
「嘘吐き……」
ゴンの一言で、文字通り空気が変わった。場内の空気が、一気にゴンの元へと集まる。
(何だ――何だ、これは)
(もうこれで――終わってもいい。だから、ありったけを)
修復を終えたネフェルピトーは、【黒子舞想(テレプシコーラ)】を発動しゴンを警戒した。
(やはりボクは、正しかった…………!!貴様を殺す!!)
「ピトー」
(黒子舞想(テレプシコーラ)!!限界を超えて舞え!!やはりコイツの牙は、王にも届き得た!!ここで止める!!)
覚醒したゴンに向かって、ネフェルピトーはありったけの力を持って向かって行く。
(止めたい……けど――止めたら駄目だ!!)
ナマエは理性を総動員し、この状況に耐えた。
ネフェルピトーの攻撃を避けたゴン。
(まさか……!?王の所へ!?)
慌てて飛び出すネフェルピトーを追いかけ、ナマエも扉の外へ向かった。
「!!」
「来いよ。アジトは壊したくない。こっちだ。ついて来い」