キメラ=アント
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「良かったのか?」
その様子を見ながら、シルバはナマエに問いかけた。
「……結論だけ言うと、こうするしか――蟻からこの世界を守れないですから」
『仕方が無いんです』とナマエは消え入りそうな声で呟いた。
怪鳥に乗ったまま、上空から宮殿の様子を探る事数分。宮殿の外にネテロとゼノ、それに王のオーラが出て来た事をナマエは感じ取った。
「さて、ゼノさんとの合流地点へ行きましょうか」
ナマエの声に呼応するかのように、怪鳥は宮殿を離れた。
宮殿から離れて暫く経った所で、漸くゼノの姿を地上に確認出来るようになった。
「行くぞ」
「……はい」
シルバの呼び掛けに、ナマエは短く返事をして怪鳥から飛び降りた。
シルバはそのまま、ゼノに付き纏っているヂートゥ目指して一直線に、ナマエはそれを見越して、シルバから少し離れた位置に降り立つように計算してから飛び降りていた。
「ま、見ても見んでも、結果は一緒じゃ」
ゼノの言葉はヂートゥに届くことは無かった。
「生かしておいた方が良かったか?」
「ん。ぜーんぜん」
大きな穴を開けて、ヂートゥはシルバに文字通り潰され息絶えた。
「シルバさん……グロいもん見せないで下さいよ」
ヂートゥの亡骸から視線を逸らしながら、ナマエは訴えた。
「グロい?この位でか?」
不思議そうに問うてくるシルバに対し、ナマエは尚も顔を背けている。
「裏社会の【この位】を基準にしないで下さい……」
「すまんな、一般的なグロさはとうの昔に忘れたんでな」
苦笑しながら穴から出てくるシルバに、ナマエは溜息を漏らした。
「さて、ワシ等は帰るが……ナマエはどうするつもりだ?」
「待ちますよ。その【瞬間】までは」
「そうか。イルミに伝える事はあるか?」
「とりあえず、今の所は【無事】だっていう事だけ伝えて頂けますか?」
「分かった。生きて帰ってこいよ」
シルバはその大きな掌で、ナマエの頭を撫でた。
思いもよらないシルバの行動に、ナマエは一瞬戸惑ったがすぐに笑い声を漏らした。
「?」
「ふふ。すいません」
「こんな時でも笑えるんだな」
「いや……シルバさんが父親だったら良いなって思ったら、自然とですね――」
「なら、今からオレの事を【父】だと思えば良い」
『どうせイルミの嫁に迎えるつもりだしな』とシルバは続けた。
「ゾルディック家の人って、皆自己中心的なんですね」
苦笑するナマエに、ゼノとシルバは言い切った。
「この位序の口じゃ」
「決定事項だからな」
「拒否権は……?」
「言わなくとも解っておるじゃろ?」
「ナマエに拒否権はないな。イルミが初めて自ら欲したんだ。親としてはその願いを叶えてやりたい」
「……やっぱ敵わないや」
「そう簡単に勝たれても困るわい」
好々爺の様に笑うゼノを見て、改めてゾルディック家の歪んだ愛情を思い知った気がしたナマエ。
「……それでは、私はそろそろ移動しますね」
「ああ。ちゃんと【帰って】来い」
「はいっ!」
ゼノ達と別れて、ナマエは討伐軍が拠点としている屋敷へ向かい走った。
ナマエが屋敷へ足を踏み入れようとしたまさにその時、遥か後方で爆音が鳴り響いた。
あまりにも大きなその音に振り返ると、土煙の中に咲き誇る、一本の薔薇の花が見えた。
(【貧者の薔薇(ミニチュアローズ)】……!?ゴンは?!間に合って――お願い!!)
古城の奥深くにある、とある扉の奥。その扉の奥に、微かだが【何か】がいる気配があった。
(禍々しいオーラ……でも、【生きてる】人間のオーラとは違う――カイト?!)
嫌な予感という物は当たるものだ。扉を開けて中の様子を伺うナマエ。
(やっぱり……)
その様子を見ながら、シルバはナマエに問いかけた。
「……結論だけ言うと、こうするしか――蟻からこの世界を守れないですから」
『仕方が無いんです』とナマエは消え入りそうな声で呟いた。
怪鳥に乗ったまま、上空から宮殿の様子を探る事数分。宮殿の外にネテロとゼノ、それに王のオーラが出て来た事をナマエは感じ取った。
「さて、ゼノさんとの合流地点へ行きましょうか」
ナマエの声に呼応するかのように、怪鳥は宮殿を離れた。
宮殿から離れて暫く経った所で、漸くゼノの姿を地上に確認出来るようになった。
「行くぞ」
「……はい」
シルバの呼び掛けに、ナマエは短く返事をして怪鳥から飛び降りた。
シルバはそのまま、ゼノに付き纏っているヂートゥ目指して一直線に、ナマエはそれを見越して、シルバから少し離れた位置に降り立つように計算してから飛び降りていた。
「ま、見ても見んでも、結果は一緒じゃ」
ゼノの言葉はヂートゥに届くことは無かった。
「生かしておいた方が良かったか?」
「ん。ぜーんぜん」
大きな穴を開けて、ヂートゥはシルバに文字通り潰され息絶えた。
「シルバさん……グロいもん見せないで下さいよ」
ヂートゥの亡骸から視線を逸らしながら、ナマエは訴えた。
「グロい?この位でか?」
不思議そうに問うてくるシルバに対し、ナマエは尚も顔を背けている。
「裏社会の【この位】を基準にしないで下さい……」
「すまんな、一般的なグロさはとうの昔に忘れたんでな」
苦笑しながら穴から出てくるシルバに、ナマエは溜息を漏らした。
「さて、ワシ等は帰るが……ナマエはどうするつもりだ?」
「待ちますよ。その【瞬間】までは」
「そうか。イルミに伝える事はあるか?」
「とりあえず、今の所は【無事】だっていう事だけ伝えて頂けますか?」
「分かった。生きて帰ってこいよ」
シルバはその大きな掌で、ナマエの頭を撫でた。
思いもよらないシルバの行動に、ナマエは一瞬戸惑ったがすぐに笑い声を漏らした。
「?」
「ふふ。すいません」
「こんな時でも笑えるんだな」
「いや……シルバさんが父親だったら良いなって思ったら、自然とですね――」
「なら、今からオレの事を【父】だと思えば良い」
『どうせイルミの嫁に迎えるつもりだしな』とシルバは続けた。
「ゾルディック家の人って、皆自己中心的なんですね」
苦笑するナマエに、ゼノとシルバは言い切った。
「この位序の口じゃ」
「決定事項だからな」
「拒否権は……?」
「言わなくとも解っておるじゃろ?」
「ナマエに拒否権はないな。イルミが初めて自ら欲したんだ。親としてはその願いを叶えてやりたい」
「……やっぱ敵わないや」
「そう簡単に勝たれても困るわい」
好々爺の様に笑うゼノを見て、改めてゾルディック家の歪んだ愛情を思い知った気がしたナマエ。
「……それでは、私はそろそろ移動しますね」
「ああ。ちゃんと【帰って】来い」
「はいっ!」
ゼノ達と別れて、ナマエは討伐軍が拠点としている屋敷へ向かい走った。
ナマエが屋敷へ足を踏み入れようとしたまさにその時、遥か後方で爆音が鳴り響いた。
あまりにも大きなその音に振り返ると、土煙の中に咲き誇る、一本の薔薇の花が見えた。
(【貧者の薔薇(ミニチュアローズ)】……!?ゴンは?!間に合って――お願い!!)
古城の奥深くにある、とある扉の奥。その扉の奥に、微かだが【何か】がいる気配があった。
(禍々しいオーラ……でも、【生きてる】人間のオーラとは違う――カイト?!)
嫌な予感という物は当たるものだ。扉を開けて中の様子を伺うナマエ。
(やっぱり……)