キメラ=アント
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
【念弾】が飛び交って来る中、ハギャは勇猛果敢にもナマエに向かって突進してくる。
殴りかかってくるハギャの攻撃を避けて、ナマエは確実に追い込んでいく。
「避けてんじゃねーよ!!」
「避けるなって言われてもねぇ……タダで殴られる程お人好しでも無ければ――弱くも無いんでね!」
ハギャの両腕を撃ち抜き、ナマエは吐き捨てる様に呟いた。
「こうも弱いと……殺る気が削がれる」
「弱い?!誰の事を言ってやがる!?」
「アンタ以外にいないだろうが」
ナマエの冷めた視線に射竦められ、ハギャは後退った。
「何で勝てねーんだ!?」
「それは――お前が虫螻だからだよっ!!」
ハギャの利き足を撃ち抜き、ナマエは背を向けた。
「油断大敵ッ!」
「――それはこっちのセリフだね」
背後から襲い掛かってくるハギャの真後ろに移動したナマエは、そのままハギャの頭に照準を合わせた。
「せっかくだから、選ばせてあげる。このまま今死ぬか、後で死ぬか――」
『どっちがいい?』と冷たく呟くナマエに、ハギャは背中に冷たい物が流れるのを感じた。
「くっ……誰が死ぬか!!」
言うが早いか、ハギャは痛みに耐える様に走りだした。
(これでいい……会長からの【依頼】は完了した!)
それから身を潜める事十数日。一本の電話が静寂を破った。
「はい」
「ナマエか?」
「その声は――シルバさん?」
「そうだ」
「どうしたんですか?」
「親父がネテロ会長の【依頼】を受けた。お前はどうする」
「……現地集合でいいですか?」
「フッ……いいだろう。場所は――」
「…………分かりました。では、また当日現地で」
「あぁ」
電話を終え、ナマエは来る日に向けて準備した。
「久方振りじゃのォ」
「お久し振りです、会長」
「何じゃ、ナマエも【依頼】を受けとったんか?」
「会長からの【依頼】はもう終わってますよ、ゼノさん」
「なら、何故この作戦に参加する気になったんじゃ?」
「……私の自己満足の為――ですかね」
そう言うと、儚げにナマエは笑った。
「自己満足の為に、イルミを置いて来たのか?」
「痛いとこ突いてくれますね、シルバさん……そうですよ。私はイルミに我儘を言って、ここに居るんです。大事な【弟】の為に、ね」
ナマエの眼には、決意が現れていた。その双眼を見て、シルバは『これ以上何も言うまい』と決めた。
「さて――お主には既に【判って】おるんじゃろう?」
「……相変わらず、食えない爺さんですね。会長は」
「ほっほっほっ。お主も、相変わらず何を考えているのやら……」
「何も考えてませんよ。【弟】を助ける事以外は……ね」
「作戦は?」
「知ってますが……邪魔はしませんよ」
「うむ。ならば問題なかろうて」
ほくそ笑むネテロを横目に、ゼノはナマエを見ていた。
見た目はそこら辺にいる、普通の女。ただ、【念能力】が使えるだけで、孫の【恋人】だという事を除けば一般人と変りなく見える。そんな女を、何故ネテロは同行させたのか。全くもって謎である。
怪鳥に乗り、ナマエと合流して暫くした所で宮殿が見えてきた。
「お主とはここで【お別れ】じゃな」
「ですね。【お疲れ様】でした、会長」
この後の出来事が判っているかの様に微笑むナマエに、ゼノとシルバは何か言おうとしたが口を噤んだ。ナマエのオーラが、『何も言うな』『何も訊くな』と物語っていたからだ。
「さて、行くかのォ」
ネテロの言葉を合図に、ゼノは【龍星群(ドラゴンダイブ)】を発動した。
発動された【龍星群(ドラゴンダイブ)】に乗り、ネテロとゼノは宮殿へ向けて降り立っていく。
殴りかかってくるハギャの攻撃を避けて、ナマエは確実に追い込んでいく。
「避けてんじゃねーよ!!」
「避けるなって言われてもねぇ……タダで殴られる程お人好しでも無ければ――弱くも無いんでね!」
ハギャの両腕を撃ち抜き、ナマエは吐き捨てる様に呟いた。
「こうも弱いと……殺る気が削がれる」
「弱い?!誰の事を言ってやがる!?」
「アンタ以外にいないだろうが」
ナマエの冷めた視線に射竦められ、ハギャは後退った。
「何で勝てねーんだ!?」
「それは――お前が虫螻だからだよっ!!」
ハギャの利き足を撃ち抜き、ナマエは背を向けた。
「油断大敵ッ!」
「――それはこっちのセリフだね」
背後から襲い掛かってくるハギャの真後ろに移動したナマエは、そのままハギャの頭に照準を合わせた。
「せっかくだから、選ばせてあげる。このまま今死ぬか、後で死ぬか――」
『どっちがいい?』と冷たく呟くナマエに、ハギャは背中に冷たい物が流れるのを感じた。
「くっ……誰が死ぬか!!」
言うが早いか、ハギャは痛みに耐える様に走りだした。
(これでいい……会長からの【依頼】は完了した!)
それから身を潜める事十数日。一本の電話が静寂を破った。
「はい」
「ナマエか?」
「その声は――シルバさん?」
「そうだ」
「どうしたんですか?」
「親父がネテロ会長の【依頼】を受けた。お前はどうする」
「……現地集合でいいですか?」
「フッ……いいだろう。場所は――」
「…………分かりました。では、また当日現地で」
「あぁ」
電話を終え、ナマエは来る日に向けて準備した。
「久方振りじゃのォ」
「お久し振りです、会長」
「何じゃ、ナマエも【依頼】を受けとったんか?」
「会長からの【依頼】はもう終わってますよ、ゼノさん」
「なら、何故この作戦に参加する気になったんじゃ?」
「……私の自己満足の為――ですかね」
そう言うと、儚げにナマエは笑った。
「自己満足の為に、イルミを置いて来たのか?」
「痛いとこ突いてくれますね、シルバさん……そうですよ。私はイルミに我儘を言って、ここに居るんです。大事な【弟】の為に、ね」
ナマエの眼には、決意が現れていた。その双眼を見て、シルバは『これ以上何も言うまい』と決めた。
「さて――お主には既に【判って】おるんじゃろう?」
「……相変わらず、食えない爺さんですね。会長は」
「ほっほっほっ。お主も、相変わらず何を考えているのやら……」
「何も考えてませんよ。【弟】を助ける事以外は……ね」
「作戦は?」
「知ってますが……邪魔はしませんよ」
「うむ。ならば問題なかろうて」
ほくそ笑むネテロを横目に、ゼノはナマエを見ていた。
見た目はそこら辺にいる、普通の女。ただ、【念能力】が使えるだけで、孫の【恋人】だという事を除けば一般人と変りなく見える。そんな女を、何故ネテロは同行させたのか。全くもって謎である。
怪鳥に乗り、ナマエと合流して暫くした所で宮殿が見えてきた。
「お主とはここで【お別れ】じゃな」
「ですね。【お疲れ様】でした、会長」
この後の出来事が判っているかの様に微笑むナマエに、ゼノとシルバは何か言おうとしたが口を噤んだ。ナマエのオーラが、『何も言うな』『何も訊くな』と物語っていたからだ。
「さて、行くかのォ」
ネテロの言葉を合図に、ゼノは【龍星群(ドラゴンダイブ)】を発動した。
発動された【龍星群(ドラゴンダイブ)】に乗り、ネテロとゼノは宮殿へ向けて降り立っていく。