キメラ=アント
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《今日昼頃、パタ市郊外で市民7名が謎の生物に殺害されました。謎の生物は駆けつけた警官数名にも重症を負わせ、ミエラ山中に逃走。警官の証言によりますと、謎の生物は時速200キロ以上で『明日また来る』『もっと速いヤツを連れて来い』等と話していることから、新種の魔獣である可能性が高く、周辺の住民には避難命令が出されています。政府はハンター協会へ生物捕獲要請を打診、教会はこれを了承しました》
TVから流れるニュースに、ナマエは目を瞠った。
(始まった……!?)
ナマエの異変に気付いたイルミ。そんなイルミに、ナマエは気付き声を掛けた。
「イルミ?」
「駄目だからね」
「……まだ何も言ってないのに」
苦笑するナマエに、イルミはその瞳を見つめたまま『駄目だ』とだけ言った。
「行くつもりなんでしょ?」
「……イルミには隠せないか――行くよ?【弟】を助けるために、ね」
「行かせない――って言ったら?」
「ん~……強硬手段に出る、かな」
今にも泣きそうな表情で、ナマエはイルミを見つめた。
「強行手段、か……分かった。けど、1つだけ【約束】して」
「何?」
「必ず生きて戻って来るって」
「そんな事――当たり前じゃない」
《ここ最近、東ゴルドーの急速な動きには一体どの様な糸があるのでしょうか?今日もディーゴ総帥自らがTVでスピーチを行い、10日後にはペイジンで開催される暗黒記念大会への国民全員参加を強く呼びかけました。この様な大規模な集会、前例はあるのですか?》
《はい。過去にも全員参加の集会は何回か行われています。ただし、いずれも一日限りの行事で、病院関係者や公共の仕事に就いている者等は特例として欠席が認められていまして、実際の出席率は70%前後だろうと言われています。今回の様に大会を三日に渡って行い、赤ん坊や病人まで含めて限りなく100%に近い国民を徴集するのは、異例中の異例ですね。列車やバスの公共運賃を無料にするのも前代未聞です。今までの大会とは全く目的が違うと考えるのが自然でしょうね》
《例えば、どんな理由が考えられますか?》
《そうですね。後継者の初披露と政権譲渡が同時に発表されれば、強い効果があるでしょうね。しかし、ディーゴ自ら権力の座から下りる事は考えにくいですし、もしかしたら別の何かから目を逸らさせる為の陽動作戦かもしれません》
《とにかく10日後、全世界の視線が東ゴルドーに集まります。それでは、次のニュース――》
TVから流れてきたのは、ネフェルピトーに操られている東ゴルドーの主導者ディーゴに関するニュースだった。ナマエはそれを真剣に見ていた。流れを変える事はしない。ただ、『【弟】を死なせはしない』という思いを胸に抱いていた。
《~♪~~♫》
携帯電話が着信を告げ、ナマエはTVを切った。
「はい」
『ナマエか?』
「どうしたんですか?会長」
『実は頼みがあってな――』
「分かってます。今から現地へ向かいます」
『そうしてくれ。その際に……』
「深手を負わせるのに留めておきます」
『何で判ったんじゃ?』
「企業秘密です」
クスリと笑い、ナマエは電話を切った。
「行くの?」
「うん。平和な時間は長く続かないね」
上着に手をかけ、ナマエはイルミを見た。
「これが最後の我儘だから。ごめんね、イルミ」
「悪いと思ってるなら、無事に帰ってくる事」
「大丈夫。そう簡単に死ぬ気はないから」
困ったように笑うナマエをイルミは抱き締め、『ちゃんと帰って来てね』と念を押した。
ナマエはイルミと【約束】し、部屋を後にした。
TVから流れるニュースに、ナマエは目を瞠った。
(始まった……!?)
ナマエの異変に気付いたイルミ。そんなイルミに、ナマエは気付き声を掛けた。
「イルミ?」
「駄目だからね」
「……まだ何も言ってないのに」
苦笑するナマエに、イルミはその瞳を見つめたまま『駄目だ』とだけ言った。
「行くつもりなんでしょ?」
「……イルミには隠せないか――行くよ?【弟】を助けるために、ね」
「行かせない――って言ったら?」
「ん~……強硬手段に出る、かな」
今にも泣きそうな表情で、ナマエはイルミを見つめた。
「強行手段、か……分かった。けど、1つだけ【約束】して」
「何?」
「必ず生きて戻って来るって」
「そんな事――当たり前じゃない」
《ここ最近、東ゴルドーの急速な動きには一体どの様な糸があるのでしょうか?今日もディーゴ総帥自らがTVでスピーチを行い、10日後にはペイジンで開催される暗黒記念大会への国民全員参加を強く呼びかけました。この様な大規模な集会、前例はあるのですか?》
《はい。過去にも全員参加の集会は何回か行われています。ただし、いずれも一日限りの行事で、病院関係者や公共の仕事に就いている者等は特例として欠席が認められていまして、実際の出席率は70%前後だろうと言われています。今回の様に大会を三日に渡って行い、赤ん坊や病人まで含めて限りなく100%に近い国民を徴集するのは、異例中の異例ですね。列車やバスの公共運賃を無料にするのも前代未聞です。今までの大会とは全く目的が違うと考えるのが自然でしょうね》
《例えば、どんな理由が考えられますか?》
《そうですね。後継者の初披露と政権譲渡が同時に発表されれば、強い効果があるでしょうね。しかし、ディーゴ自ら権力の座から下りる事は考えにくいですし、もしかしたら別の何かから目を逸らさせる為の陽動作戦かもしれません》
《とにかく10日後、全世界の視線が東ゴルドーに集まります。それでは、次のニュース――》
TVから流れてきたのは、ネフェルピトーに操られている東ゴルドーの主導者ディーゴに関するニュースだった。ナマエはそれを真剣に見ていた。流れを変える事はしない。ただ、『【弟】を死なせはしない』という思いを胸に抱いていた。
《~♪~~♫》
携帯電話が着信を告げ、ナマエはTVを切った。
「はい」
『ナマエか?』
「どうしたんですか?会長」
『実は頼みがあってな――』
「分かってます。今から現地へ向かいます」
『そうしてくれ。その際に……』
「深手を負わせるのに留めておきます」
『何で判ったんじゃ?』
「企業秘密です」
クスリと笑い、ナマエは電話を切った。
「行くの?」
「うん。平和な時間は長く続かないね」
上着に手をかけ、ナマエはイルミを見た。
「これが最後の我儘だから。ごめんね、イルミ」
「悪いと思ってるなら、無事に帰ってくる事」
「大丈夫。そう簡単に死ぬ気はないから」
困ったように笑うナマエをイルミは抱き締め、『ちゃんと帰って来てね』と念を押した。
ナマエはイルミと【約束】し、部屋を後にした。