流星街
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「そう……ですか。まぁ――戻りたいとは思ってないんで、好都合ではありますがね」
「もっと驚くか、発狂すると思ってたが……」
「ご期待に添えず、申し訳ございませんね」
「いや……だからこそ、今のお前さんがいるんだろう?」
「ですね。私が【存在】出来るのは、今まで会って来た人達のお陰ですから」
吹っ切れたように笑うナマエを見て、ジイサマも笑った。
「ふはははは。面白いな、お前さんは。ここまで話して正気を保っていられたのは、お前さんが初めてだよ。ナマエ」
「まぁ、【生きる】事を諦めてた人間ですからね」
自嘲気味に笑うナマエに、ジイサマは手を差し出した。
「ん?」
「握手は【向こうの世界】にもあっただろう?」
「いや、ありますけど……何でいきなり握手なんですか?」
「ワシがそうしたいと思ったから、だな」
「不思議ですね……私もそう思ってました」
ジイサマと握手を交わし、ナマエはその場を後にした。
「おかえり」
「ただいま、イルミ。シャルは?」
「ホームに戻ったよ」
「そっか……お礼、言いたかったのにな」
溜息混じりに言うナマエを、イルミは黙って見ていた。
「イルミ、帰ろう?ククルーマウンテンに」
ナマエの瞳に迷いは無かった。
「分かった。帰ろうか、ナマエ」
ナマエの手を取り、イルミは歩き出した。
「どうだったの?ナマエ」
「ん~?イルミにとっては嬉しい結果だと思うよ」
「どういう意味?」
歩いていた足を止め、ナマエを見つめるイルミ。
「ねぇ、ナマエ。ちゃんと話して」
「……話すよ。飛行船へ着いたらね」
ナマエの声を合図に、イルミは手を引いたまま走りだした。
走りだして数時間。漸く飛行場が見えてきた所で、イルミは足を止めた。
何か訊かれるかと思っていたのだが、イルミは何も訊かずにそのままゾルディック家専用飛行船へと乗り込んだ。
「さて――話して貰おうか、ナマエ」
飛行船内にあるイルミの自室へ連れて行かれ、ソファーに腰を下ろした途端にイルミは口を開いた。
「何があったのか……ちゃんと話して貰うよ」
大きな双眼に見つめられ、ナマエはただ頷いた。
「オレにとって【嬉しい結果】って、何?」
「【元の世界】に戻る事は――あり得ない」
「何で?」
「向こうじゃ……私の存在は無くなってるから」
「……どういう意味?」
「【死んだ】んだって。色んな出来事が重ならないと【トリップ】は起こらない。それが、私に起こった事みたい」
「それで?」
「…………相変わらず反応薄いなぁ」
ナマエは苦笑するしか出来なかった。そんなナマエをイルミは不思議そうに見つめ、先を促した。
「ま、そんな感じだから私は【この世界】で生き続けるよ」
吹っ切れたように言うナマエに、イルミは何も言わずに頭を撫で始めた。
「分かった……ナマエがそれで良いなら、オレは何も言わない」
「――有難う、イルミ」
「もう我慢しなくていいから」
「うん……」
ナマエはイルミに抱きつくと、そのまま泣き出した。
どの位泣いていたのかは分からない。ただ、声が枯れるまで泣いていた。
「やっと泣き止んだか……」
イルミの腕の中で、ナマエは眠っていた。
「さて、これからどうしようかな」
イルミの声はナマエの耳に届くことなく、空に消えた。
「もっと驚くか、発狂すると思ってたが……」
「ご期待に添えず、申し訳ございませんね」
「いや……だからこそ、今のお前さんがいるんだろう?」
「ですね。私が【存在】出来るのは、今まで会って来た人達のお陰ですから」
吹っ切れたように笑うナマエを見て、ジイサマも笑った。
「ふはははは。面白いな、お前さんは。ここまで話して正気を保っていられたのは、お前さんが初めてだよ。ナマエ」
「まぁ、【生きる】事を諦めてた人間ですからね」
自嘲気味に笑うナマエに、ジイサマは手を差し出した。
「ん?」
「握手は【向こうの世界】にもあっただろう?」
「いや、ありますけど……何でいきなり握手なんですか?」
「ワシがそうしたいと思ったから、だな」
「不思議ですね……私もそう思ってました」
ジイサマと握手を交わし、ナマエはその場を後にした。
「おかえり」
「ただいま、イルミ。シャルは?」
「ホームに戻ったよ」
「そっか……お礼、言いたかったのにな」
溜息混じりに言うナマエを、イルミは黙って見ていた。
「イルミ、帰ろう?ククルーマウンテンに」
ナマエの瞳に迷いは無かった。
「分かった。帰ろうか、ナマエ」
ナマエの手を取り、イルミは歩き出した。
「どうだったの?ナマエ」
「ん~?イルミにとっては嬉しい結果だと思うよ」
「どういう意味?」
歩いていた足を止め、ナマエを見つめるイルミ。
「ねぇ、ナマエ。ちゃんと話して」
「……話すよ。飛行船へ着いたらね」
ナマエの声を合図に、イルミは手を引いたまま走りだした。
走りだして数時間。漸く飛行場が見えてきた所で、イルミは足を止めた。
何か訊かれるかと思っていたのだが、イルミは何も訊かずにそのままゾルディック家専用飛行船へと乗り込んだ。
「さて――話して貰おうか、ナマエ」
飛行船内にあるイルミの自室へ連れて行かれ、ソファーに腰を下ろした途端にイルミは口を開いた。
「何があったのか……ちゃんと話して貰うよ」
大きな双眼に見つめられ、ナマエはただ頷いた。
「オレにとって【嬉しい結果】って、何?」
「【元の世界】に戻る事は――あり得ない」
「何で?」
「向こうじゃ……私の存在は無くなってるから」
「……どういう意味?」
「【死んだ】んだって。色んな出来事が重ならないと【トリップ】は起こらない。それが、私に起こった事みたい」
「それで?」
「…………相変わらず反応薄いなぁ」
ナマエは苦笑するしか出来なかった。そんなナマエをイルミは不思議そうに見つめ、先を促した。
「ま、そんな感じだから私は【この世界】で生き続けるよ」
吹っ切れたように言うナマエに、イルミは何も言わずに頭を撫で始めた。
「分かった……ナマエがそれで良いなら、オレは何も言わない」
「――有難う、イルミ」
「もう我慢しなくていいから」
「うん……」
ナマエはイルミに抱きつくと、そのまま泣き出した。
どの位泣いていたのかは分からない。ただ、声が枯れるまで泣いていた。
「やっと泣き止んだか……」
イルミの腕の中で、ナマエは眠っていた。
「さて、これからどうしようかな」
イルミの声はナマエの耳に届くことなく、空に消えた。