流星街
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「でも、もしかしたらジイサン達なら何か知ってるかも……」
「ジイサン達?」
「ココの議会、謂わばお偉いさんさ」
何か考えるような仕草をし、シャルナークは思い立ったかのように立ち上がった。
「よし、こうしてても仕方がない。議会へ行こう」
言うが早いか、シャルナークは議会へ向けて歩き出していた。
「ここ?」
着いたのは教会の近くにある立派な建物だった。
「うん、ここ」
建物を指差しながら、シャルナークはにこやかに笑った。
「会えるかどうか判らないけど、何もしないよりはマシだと思うから」
そう言うと、シャルナークは1人で建物の中に入っていった。
シャルナークを見送って10分程経ったであろうか。建物から漸く出てきたと思ったら、ナマエに向けて一言だけ言った。
「ナマエだけなら会ってくれるって」
シャルナークの後ろには、防護服に身を包んだ大人が数人。
「【トリップ】について調べているというのは……お前か?」
リーダー格らしき男に声を掛けられ、視線がナマエに集中する。
「……そうです」
「そうか……ついて来い」
男に促され、ナマエは歩き出そうとしたが、足を1歩踏み出した所でイルミを振り返った。
「イルミ」
「何?」
「何があっても……ちゃんと戻って来るから!」
「分かった。いってらっしゃい」
ヒラヒラと手を降って、イルミはナマエを送り出した。
「いいの?」
建物に入って行くナマエを見送りながら、シャルナークはイルミに問いかけた。
「何が?」
「ナマエ、帰って来ないかもしれないよ」
「ナマエは【戻って来る】って言った。なら、オレはそれを信じるよ」
目を細めてナマエを見ているイルミ。そんなイルミを見て、シャルナークは何も言わなかった。
「お前さんがナマエか?」
「はい」
「【トリップ】について、調べているそうだな」
「……そうです」
「何故、そこまでして【知りたい】のだ?」
「自分が【この世界】に来た理由が知りたい。ただそれだけです」
議会のジイサマと呼ばれていた初老の男性の目を見据え、ナマエは簡潔に答えた。
「そうか……なら、我々が把握している情報を教えてやろう」
「!有難う御座いますっ」
勢い良く頭を垂れるナマエに、ジイサマは困惑していた。このまま話していいのかという気持ちが、一瞬現れたのだ。
「私は……【元の世界】に戻りたいとは思ってません。ただ、【この世界】に踏み留まる方法を探しているだけなんです」
にこやかに言うナマエに、ジイサマは話す決意を固めた。
「まず、お前さんの様に【この世界】に来た者は何人か居る」
「そうなんですか?!」
「ああ……だが――」
「……今は……居ないんですね?」
「察しが良いな」
「貴方の顔を見ていれば、それ位は判ります」
残念そうな顔をしながら、ナマエは返した。
「年中無表情な【彼氏】が居るんでね、大抵の人の表情なら読めるんですよ」
「そうか……なら話が早い。ココに流れ着いた者も居れば、初めからココに現れた者も居る。しかし――適応能力の問題なのか、多くは心を病んでしまってな」
「……でしょうね。私も始めは驚きましたから」
ナマエは苦笑した。そして、思い出していた。初めてジンに会った日の事を。
【この世界】に来て、初めは戸惑っていた。しかし、出会った相手が良かった。ジンに拾われていなければ、自分も心を病んでいた可能性が高い。
「――でも、私は【人】に恵まれましたから」
「その様だな、ナマエ。お前さんの眼には、今まで会った【異世界】から来た奴等とは違う輝きがある。真相を話しても、お前さんなら耐えられるだろう……」
そうして語られた真実はナマエにとって受け入れがたい部分があった。
「ジイサン達?」
「ココの議会、謂わばお偉いさんさ」
何か考えるような仕草をし、シャルナークは思い立ったかのように立ち上がった。
「よし、こうしてても仕方がない。議会へ行こう」
言うが早いか、シャルナークは議会へ向けて歩き出していた。
「ここ?」
着いたのは教会の近くにある立派な建物だった。
「うん、ここ」
建物を指差しながら、シャルナークはにこやかに笑った。
「会えるかどうか判らないけど、何もしないよりはマシだと思うから」
そう言うと、シャルナークは1人で建物の中に入っていった。
シャルナークを見送って10分程経ったであろうか。建物から漸く出てきたと思ったら、ナマエに向けて一言だけ言った。
「ナマエだけなら会ってくれるって」
シャルナークの後ろには、防護服に身を包んだ大人が数人。
「【トリップ】について調べているというのは……お前か?」
リーダー格らしき男に声を掛けられ、視線がナマエに集中する。
「……そうです」
「そうか……ついて来い」
男に促され、ナマエは歩き出そうとしたが、足を1歩踏み出した所でイルミを振り返った。
「イルミ」
「何?」
「何があっても……ちゃんと戻って来るから!」
「分かった。いってらっしゃい」
ヒラヒラと手を降って、イルミはナマエを送り出した。
「いいの?」
建物に入って行くナマエを見送りながら、シャルナークはイルミに問いかけた。
「何が?」
「ナマエ、帰って来ないかもしれないよ」
「ナマエは【戻って来る】って言った。なら、オレはそれを信じるよ」
目を細めてナマエを見ているイルミ。そんなイルミを見て、シャルナークは何も言わなかった。
「お前さんがナマエか?」
「はい」
「【トリップ】について、調べているそうだな」
「……そうです」
「何故、そこまでして【知りたい】のだ?」
「自分が【この世界】に来た理由が知りたい。ただそれだけです」
議会のジイサマと呼ばれていた初老の男性の目を見据え、ナマエは簡潔に答えた。
「そうか……なら、我々が把握している情報を教えてやろう」
「!有難う御座いますっ」
勢い良く頭を垂れるナマエに、ジイサマは困惑していた。このまま話していいのかという気持ちが、一瞬現れたのだ。
「私は……【元の世界】に戻りたいとは思ってません。ただ、【この世界】に踏み留まる方法を探しているだけなんです」
にこやかに言うナマエに、ジイサマは話す決意を固めた。
「まず、お前さんの様に【この世界】に来た者は何人か居る」
「そうなんですか?!」
「ああ……だが――」
「……今は……居ないんですね?」
「察しが良いな」
「貴方の顔を見ていれば、それ位は判ります」
残念そうな顔をしながら、ナマエは返した。
「年中無表情な【彼氏】が居るんでね、大抵の人の表情なら読めるんですよ」
「そうか……なら話が早い。ココに流れ着いた者も居れば、初めからココに現れた者も居る。しかし――適応能力の問題なのか、多くは心を病んでしまってな」
「……でしょうね。私も始めは驚きましたから」
ナマエは苦笑した。そして、思い出していた。初めてジンに会った日の事を。
【この世界】に来て、初めは戸惑っていた。しかし、出会った相手が良かった。ジンに拾われていなければ、自分も心を病んでいた可能性が高い。
「――でも、私は【人】に恵まれましたから」
「その様だな、ナマエ。お前さんの眼には、今まで会った【異世界】から来た奴等とは違う輝きがある。真相を話しても、お前さんなら耐えられるだろう……」
そうして語られた真実はナマエにとって受け入れがたい部分があった。