《スローインと同時に試合開始です！！レディーーーー―ゴー！！》
No0の掛け声とともに宙に放たれたボールは、キルアによってゴンチームの物となった。
「先手はくれてやるよ」
キルアが弾いたボールを受け取ったゴレイヌは、そのままレイザーチームに向かってボールを投げる。
「余裕こきやがって……」
《ドッジボール試合開始！！》
「挨拶代わりにかましてやるぜ！！どりゃ」
ゴレイヌが投げたボールは、No4に当たりゴンチームの外野ボールとなった。
「おおっ、やった！！」
「よーーーし、まず1匹！！」
「はい」
イルミからパスを受け取ったゴレイヌは、そのままNo5をアウトにした。
「よーし、準備OK」
「ギシシ」
「あ？今、何て言った？」
「お前達を倒す準備が整ったって言ったのさ」
「……ヘェ。面白ェ。やってみろよ！！」
ゴレイヌが力いっぱいボールを投げるも、レイザーは片手でそれを掴んでしまう。
「さぁ……てと……反撃開始だ」
ゴレイヌを言い知れぬ恐怖が支配する。
「！？」
ボールを掴んだ位置から、レイザーはゴレイヌに向けてボールを投げた。
その速さから、ナマエは判断した。
（あいつ……このままだと【死ぬ】な。しゃーない……）
「どけっ！！」
言うが早いか、ナマエはゴレイヌを蹴り飛ばしていた。
「！？」
「痛っ……」
「ナイスリバウンド」
ボールはゴレイヌを掠り、レイザーの元へと飛んで行った。
「賢明な判断だ――さあ、次行くぞ」
レイザーは受け取ったボールを高速で外野へと回すと、外野とレイザーとの間で超高速パスが繰り広げられる。
「くっ」
「ツェズゲラ！！」
「後ろ！！！」
「ご……」
ゴンとキルアの声に反応して、ツェズゲラは一瞬の判断でオーラを背中に集中させ、致命的なダメージを避けた。
「折れた骨が内蔵を痛めているかもしれない。おい……手当してやれ！」
レイザーの言葉に、見ていた囚人が動くもツェズゲラに拒否されてしまう。
《プレー続行不可能となるケガをした場合、その選手は退場となります。外野としても、内野としてもカウントされませんので御注意を。ただし、ゲームに勝った場合の8人には含まれますから、御安心を。ゲシシシ》
「…………」
「ますますえげつない……面白いじゃないの」
「「ヒソカ！」」
ナマエとゴンの呼びかけに、ヒソカもその思考を読み取った。
「オーケー、ボールを♣」
キルアからボールを受け取ったヒソカは、【伸縮自在の愛（バンジーガム）】でNo3をアウトにし、そのボールを引き寄せた。
「さあ、楽しませてくれよ♦このまま終わりじゃないだろうね？」
「くくく。いいとも」
キルアもこの作戦に漸く気付いた。
「審判、質問！最後に内野に残ってた奴が、ボールに当たった瞬間“バック”って言って復活すんのはアリ！？」
《ナシです。最後の1人がボールに当たったら、一瞬とはいえ内野が0になりますから、その時点で負けです。ただし、最後の1人がボールに当たるのとほぼ同時に外野の誰かが“バック”を宣言して復活するのはアリです。“バック”は宣言した者に権利があります。宣言者でない他のプレイヤーに権利を譲る事は出来ませんので、御注意下さい》
「OK。ヒソカ」
「ああ、解ってる♦レイザーは最後だね♣いくよ♦」
ヒソカが助走をつけてボールを投げると、No6とNo7が合体してそのボールを受けた。
【伸縮自在の愛（バンジーガム）】で引き戻そうと試みるも、ヒソカはその強さに諦める。
「あれ、アリかよ！！」
《アリです》
「合体アリなら、分裂もアリって事かよ！？」
《ハイ。ただし、規定人数をオーバーするのはダメですから》
「さぁ……再び攻守交代だな」
「これでまた、あいつから球を取り戻さなきゃダメだね」
「あの球を止めるには…………」
ゴンとキルアが【堅】をする。
「ほォ」
「へぇ……」