二次試験
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「はい!」
メンチが緊張の面持ちでネテロと向き合う。
「未知の物に挑戦する気概を彼等に問うた結果、全員その態度に問題あり、つまり不合格と思ったわけかね?」
「……テスト生に料理を軽んじる発言をされてついカッとなり、その際料理の作り方がテスト生全員に知られてしまうトラブルが重なりまして、頭に血が昇っているうちに腹がいっぱいにですね……」
「つまり、自分でも審査不十分だと判っとる訳だな?」
「…………はい。スイマセン!料理の事となると我を忘れるんです。審査員失格ですね。私は審査員を降りますので、試験は無効にして下さい」
「ふむ……審査を続行しようにも、選んだメニューの難度が少々高かった様じゃな。よし!では、こうしよう。審査員は続行して貰う。その代わり、新しいテストには審査員の君にも実演と言う形で参加して貰う――というのでいかがかな」
「!」
ネテロの言葉にメンチがピクリと反応する。
「その方がテスト生も合否に納得がいきやすいじゃろ」
「そうですね。それじゃ、ゆで卵」
「!?」
メンチの言葉に、ナマエ以外の受験生は驚きを隠せずにいた。
「会長、私達をあの山まで連れて行ってくれませんか」
「なるほど。もちろん、いいとも。」
メンチが指差した山の頂上まで、受験生は飛行船で連れて行かれた。
「着いたわよ」
メンチが指差す先は、断崖絶壁の谷間。
「一体……下はどうなっているんだ?」
「安心して。下は深ーい河よ。流れが速いから、落ちたら数十km先の海までノンストップだけど」
靴を脱ぎながらメンチは言った。
「それじゃ、お先に」
「「え!?えーーー!?」」
「!?なっ」
「マフタツ山に生息するクモワシ。その卵を採りに行ったのじゃよ。クモワシは陸の獣から卵を守る為、谷の間に丈夫な糸を張り卵を吊るしておく。その糸に上手く掴まり、1つだけ卵を採り、岩壁をよじ登って戻ってくる」
「よっと。この卵でゆで卵を作るのよ」
「あー良かった」
「こーゆーのを待ってたんだよね」
少年組が無邪気に笑いながら言う。
「走るのやら民族料理よりよっぽど早くて判りやすいぜ。よっしゃ、行くぜ。そりゃあー!!」
受験生が次々と走り出した。
「どうしたの?行かないの?」
いつの間にか隣に立っているギタラクルに問いかけられたナマエ。
「――症」
「ん?」
「高所恐怖症なの!」
「ああ。なる程」
そう言うや否や、ギタラクルはナマエを抱きかかえて谷に飛び降りた。
「ちょっ……いやぁーーっ!!」
ナマエは恐怖心から気味悪いとまで言ったギタラクルの首に手を回し、しがみ付く。
「よっと」
器用にクモワシの糸の上に降り立ったギタラクルは、これまた器用にナマエを背負った。
「ちょっ……ギタラクル、怖いって……」
「大丈夫。落とさないから」
「落とすとか落とさないの問題じゃなくて……」
「あんまり動くと、オレごと落ちちゃうからジッとしてて」
ギタラクルの言葉に、ナマエは固まった。
「うん。良い子」
そういうとギタラクルはナマエを背負ったままクモワシの卵を2つ採り、岩壁をよじ登った。
「ずりー!」
「アレってアリなのか!?」
「アリじゃ。試験合格のために同盟を組んだりしていても全く問題は無い」
ネテロの言葉に、ナマエに対するブーイングが納まった。
「ギタラクル……」
「何?」
コテンと首を傾げながら振り向くギタラクル。
「……有難う」
「後でお礼貰うからいいよ」
「お礼?」
「うん」
そう言い残し、ギタラクルはクモワシの卵を1つナマエに手渡すとナマエから離れていった。
「こっちが市販の卵で、こっちがクモワシの卵。さぁ、比べてみて」
「う……うまいっっ!!」
「濃厚でいて舌の上でとろける様な深い味は、市販の卵とは遥かに段違いだ!!」
「美味しい物を発見した時の喜び!!少しは味わって貰えたかしら。こちとら、これに命掛てんのよね」
「オ、オレにも食わせてくれ!」
「オレの半分あげる」
ゴンからクモワシの卵を半分貰ったトードーは絶句した。
「ね?」
「……今年は完敗だ。来年また来るぜ」
第二次試験後半 メンチのメニュー 合格者43名
メンチが緊張の面持ちでネテロと向き合う。
「未知の物に挑戦する気概を彼等に問うた結果、全員その態度に問題あり、つまり不合格と思ったわけかね?」
「……テスト生に料理を軽んじる発言をされてついカッとなり、その際料理の作り方がテスト生全員に知られてしまうトラブルが重なりまして、頭に血が昇っているうちに腹がいっぱいにですね……」
「つまり、自分でも審査不十分だと判っとる訳だな?」
「…………はい。スイマセン!料理の事となると我を忘れるんです。審査員失格ですね。私は審査員を降りますので、試験は無効にして下さい」
「ふむ……審査を続行しようにも、選んだメニューの難度が少々高かった様じゃな。よし!では、こうしよう。審査員は続行して貰う。その代わり、新しいテストには審査員の君にも実演と言う形で参加して貰う――というのでいかがかな」
「!」
ネテロの言葉にメンチがピクリと反応する。
「その方がテスト生も合否に納得がいきやすいじゃろ」
「そうですね。それじゃ、ゆで卵」
「!?」
メンチの言葉に、ナマエ以外の受験生は驚きを隠せずにいた。
「会長、私達をあの山まで連れて行ってくれませんか」
「なるほど。もちろん、いいとも。」
メンチが指差した山の頂上まで、受験生は飛行船で連れて行かれた。
「着いたわよ」
メンチが指差す先は、断崖絶壁の谷間。
「一体……下はどうなっているんだ?」
「安心して。下は深ーい河よ。流れが速いから、落ちたら数十km先の海までノンストップだけど」
靴を脱ぎながらメンチは言った。
「それじゃ、お先に」
「「え!?えーーー!?」」
「!?なっ」
「マフタツ山に生息するクモワシ。その卵を採りに行ったのじゃよ。クモワシは陸の獣から卵を守る為、谷の間に丈夫な糸を張り卵を吊るしておく。その糸に上手く掴まり、1つだけ卵を採り、岩壁をよじ登って戻ってくる」
「よっと。この卵でゆで卵を作るのよ」
「あー良かった」
「こーゆーのを待ってたんだよね」
少年組が無邪気に笑いながら言う。
「走るのやら民族料理よりよっぽど早くて判りやすいぜ。よっしゃ、行くぜ。そりゃあー!!」
受験生が次々と走り出した。
「どうしたの?行かないの?」
いつの間にか隣に立っているギタラクルに問いかけられたナマエ。
「――症」
「ん?」
「高所恐怖症なの!」
「ああ。なる程」
そう言うや否や、ギタラクルはナマエを抱きかかえて谷に飛び降りた。
「ちょっ……いやぁーーっ!!」
ナマエは恐怖心から気味悪いとまで言ったギタラクルの首に手を回し、しがみ付く。
「よっと」
器用にクモワシの糸の上に降り立ったギタラクルは、これまた器用にナマエを背負った。
「ちょっ……ギタラクル、怖いって……」
「大丈夫。落とさないから」
「落とすとか落とさないの問題じゃなくて……」
「あんまり動くと、オレごと落ちちゃうからジッとしてて」
ギタラクルの言葉に、ナマエは固まった。
「うん。良い子」
そういうとギタラクルはナマエを背負ったままクモワシの卵を2つ採り、岩壁をよじ登った。
「ずりー!」
「アレってアリなのか!?」
「アリじゃ。試験合格のために同盟を組んだりしていても全く問題は無い」
ネテロの言葉に、ナマエに対するブーイングが納まった。
「ギタラクル……」
「何?」
コテンと首を傾げながら振り向くギタラクル。
「……有難う」
「後でお礼貰うからいいよ」
「お礼?」
「うん」
そう言い残し、ギタラクルはクモワシの卵を1つナマエに手渡すとナマエから離れていった。
「こっちが市販の卵で、こっちがクモワシの卵。さぁ、比べてみて」
「う……うまいっっ!!」
「濃厚でいて舌の上でとろける様な深い味は、市販の卵とは遥かに段違いだ!!」
「美味しい物を発見した時の喜び!!少しは味わって貰えたかしら。こちとら、これに命掛てんのよね」
「オ、オレにも食わせてくれ!」
「オレの半分あげる」
ゴンからクモワシの卵を半分貰ったトードーは絶句した。
「ね?」
「……今年は完敗だ。来年また来るぜ」
第二次試験後半 メンチのメニュー 合格者43名