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「ねぇヒソカ」
「ん?なんだい?」
いつもと変わらぬ日常を過ごしていた時だった。
それまで雑誌を読んでいたヒソカの愛しい恋人がいきなり話しかけてきた。
「何か欲しい物ない?」
いきなりの問いかけに、ヒソカは何事かと思考を巡らせた。
「欲しい物……?」
「そ、欲しい物」
「んー……強いて言うなら――」
「私、とか言うのは無しね」
「♣」
欲しい物は無い。ただ、愛おしい恋人が欲しい。
そんなヒソカの思考を読み取ったのか、彼女からは却下されてしまった。
「物で欲しいのって何かない?」
「そうだねェ……特に無いかな♦」
「そっか……」
ヒソカの言葉に、ナマエは会話を止めてまた雑誌に視線を落としてしまった。
それから数日後の事だった。ヒソカは何故か分からないが、ナマエから一緒に暮らしている家ではなく外へと呼び出されていた。
「こんな所に呼び出して、どうしたんだい?それに、その格好は??」
ナマエに呼び出された場所へと赴くと、そこにはいつもと違った雰囲気の化粧をし、いつもとは違いシックな格好をした彼女がいた。
「いいから、行こう」
「行こうって、どこへだい?」
「それは着いてからのお楽しみだよ」
そう言いながら、ナマエはヒソカの手を取って歩き出した。
ナマエが住んでいる町よりも遥かに賑わっている都会へと赴いた2人。
「こんな所に来て、何がしたいんだい?」
いつもは近くにある森で過ごす事が多く人混みが嫌いな彼女が、珍しく人混みが多い街へと繰り出したのだから、ヒソカの頭の中は疑問でいっぱいだった。
「もう少ししたら解かるよ」
そう言いながら、ナマエはヒソカの手を握ったまま逸れないように人混みの隙間を縫って進んで行く。
そんな彼女の行動を理解しきれずにいると、辿り着いたのは1軒のお店だった。
「?」
「さ、入ろう」
彼女に手を引かれるまま中へと足を踏み入れるヒソカ。
店内には沢山の種類の石が、所狭しと並んでいた。
「おや……その人がこの間言ってた人かい?」
「はい。注文していたモノは出来上がってますか?」
「あぁ、出来てるよ」
店主はナマエの問い掛けに頷くと、店の奥へと姿を消した。
「何か買うのかい?」
「そうだよ」
「珍しいね♦キミがこんな人混みに溢れた街へ買い物に来るなんて♠」
「ちょっとね……」
ヒソカの疑問にナマエが答えていると、店主が小さな紙袋を手に戻って来た。
「はいよ」
「ありがとうございます」
「いや、こっちこそこんな高い注文をして貰って有り難いよ」
紙袋を受け取ると、店主に礼を言いナマエはヒソカの手を取って店を出た。
「まさか、こんな買い物のためだけにこの街に来たのかい?」
「違うよ。さ、行こう」
ヒソカの手を引き、ナマエは歩き出した。
先程の店を出てから数十分歩いた所で、ナマエの足が止まった。
「ここが目的地だよ」
そう言ってナマエが指差した方を見ると、そこは予約が困難だと言われている店だった。
「ここが……目的地?」
「そうだよ」
目を丸くしているヒソカの手を引っ張り、彼女は迷う事無く店へと入っていった。
店で彼女が名前を言うと、すぐに席へと案内される。
席に着くなり、一人の男がやって来た。
「久しぶりだな!」
「うん、久しぶり」
「元気にしてたか?」
「見ての通りだよ。そっちこそ、元気だった?」
「俺も見ての通り元気さ。お前のおかげで繁盛してるしな」
「知り合いかい?」
「うん。ここのオーナーで、私の兄弟子」
「へェ……♣」
仲よさげに彼女と話す男性を見て、ヒソカは僅かに殺気を漏らしていた。
「おいおい、俺の店で騒ぎを起こされるのは勘弁願いたいぜ」
「キミ……使えるみたいだね♦」
「ヒソカ、タツキさんに殺気向けないで。彼は兄弟子ってだけでそれ以上の関係じゃないから」
ナマエにタツキと呼ばれた男は、ヒソカの殺気に怯えることなく言葉を続けた。
「お前さんがこいつの彼氏か?」
「だとしたら、なんだって言うんだい?」
「文句は言わねぇよ。だがな、こいつを悲しませるな。俺にとっては妹同然だからな」
真剣な表情で、タツキはヒソカを見据えた。
そんな彼に、ヒソカは漸く殺気を仕舞った。
「じゃ、俺は戻るぜ。楽しんでいってくれな」
「ありがとう、タツキさん」
「ん?なんだい?」
いつもと変わらぬ日常を過ごしていた時だった。
それまで雑誌を読んでいたヒソカの愛しい恋人がいきなり話しかけてきた。
「何か欲しい物ない?」
いきなりの問いかけに、ヒソカは何事かと思考を巡らせた。
「欲しい物……?」
「そ、欲しい物」
「んー……強いて言うなら――」
「私、とか言うのは無しね」
「♣」
欲しい物は無い。ただ、愛おしい恋人が欲しい。
そんなヒソカの思考を読み取ったのか、彼女からは却下されてしまった。
「物で欲しいのって何かない?」
「そうだねェ……特に無いかな♦」
「そっか……」
ヒソカの言葉に、ナマエは会話を止めてまた雑誌に視線を落としてしまった。
それから数日後の事だった。ヒソカは何故か分からないが、ナマエから一緒に暮らしている家ではなく外へと呼び出されていた。
「こんな所に呼び出して、どうしたんだい?それに、その格好は??」
ナマエに呼び出された場所へと赴くと、そこにはいつもと違った雰囲気の化粧をし、いつもとは違いシックな格好をした彼女がいた。
「いいから、行こう」
「行こうって、どこへだい?」
「それは着いてからのお楽しみだよ」
そう言いながら、ナマエはヒソカの手を取って歩き出した。
ナマエが住んでいる町よりも遥かに賑わっている都会へと赴いた2人。
「こんな所に来て、何がしたいんだい?」
いつもは近くにある森で過ごす事が多く人混みが嫌いな彼女が、珍しく人混みが多い街へと繰り出したのだから、ヒソカの頭の中は疑問でいっぱいだった。
「もう少ししたら解かるよ」
そう言いながら、ナマエはヒソカの手を握ったまま逸れないように人混みの隙間を縫って進んで行く。
そんな彼女の行動を理解しきれずにいると、辿り着いたのは1軒のお店だった。
「?」
「さ、入ろう」
彼女に手を引かれるまま中へと足を踏み入れるヒソカ。
店内には沢山の種類の石が、所狭しと並んでいた。
「おや……その人がこの間言ってた人かい?」
「はい。注文していたモノは出来上がってますか?」
「あぁ、出来てるよ」
店主はナマエの問い掛けに頷くと、店の奥へと姿を消した。
「何か買うのかい?」
「そうだよ」
「珍しいね♦キミがこんな人混みに溢れた街へ買い物に来るなんて♠」
「ちょっとね……」
ヒソカの疑問にナマエが答えていると、店主が小さな紙袋を手に戻って来た。
「はいよ」
「ありがとうございます」
「いや、こっちこそこんな高い注文をして貰って有り難いよ」
紙袋を受け取ると、店主に礼を言いナマエはヒソカの手を取って店を出た。
「まさか、こんな買い物のためだけにこの街に来たのかい?」
「違うよ。さ、行こう」
ヒソカの手を引き、ナマエは歩き出した。
先程の店を出てから数十分歩いた所で、ナマエの足が止まった。
「ここが目的地だよ」
そう言ってナマエが指差した方を見ると、そこは予約が困難だと言われている店だった。
「ここが……目的地?」
「そうだよ」
目を丸くしているヒソカの手を引っ張り、彼女は迷う事無く店へと入っていった。
店で彼女が名前を言うと、すぐに席へと案内される。
席に着くなり、一人の男がやって来た。
「久しぶりだな!」
「うん、久しぶり」
「元気にしてたか?」
「見ての通りだよ。そっちこそ、元気だった?」
「俺も見ての通り元気さ。お前のおかげで繁盛してるしな」
「知り合いかい?」
「うん。ここのオーナーで、私の兄弟子」
「へェ……♣」
仲よさげに彼女と話す男性を見て、ヒソカは僅かに殺気を漏らしていた。
「おいおい、俺の店で騒ぎを起こされるのは勘弁願いたいぜ」
「キミ……使えるみたいだね♦」
「ヒソカ、タツキさんに殺気向けないで。彼は兄弟子ってだけでそれ以上の関係じゃないから」
ナマエにタツキと呼ばれた男は、ヒソカの殺気に怯えることなく言葉を続けた。
「お前さんがこいつの彼氏か?」
「だとしたら、なんだって言うんだい?」
「文句は言わねぇよ。だがな、こいつを悲しませるな。俺にとっては妹同然だからな」
真剣な表情で、タツキはヒソカを見据えた。
そんな彼に、ヒソカは漸く殺気を仕舞った。
「じゃ、俺は戻るぜ。楽しんでいってくれな」
「ありがとう、タツキさん」