クリスマス(イルミ)
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その日イルミはいつもの様に家業の仕事をしていた。世間はクリスマス一色。そんな事もお構いなしに、イルミには暗殺の仕事が来ていた。
(この分じゃ、ナマエの所には行けそうにないかもな……)
そんな事を考えながら、その日の仕事を淡々とこなしていく。
「今日の分はこれで終わりか」
誰に言うでもなく、独り呟くイルミ。その声は風に消えた。
「ナマエは彼氏とクリスマス過ごすんでしょ?」
ナマエは友達にそう訊かれて、眉根を寄せて困った様に微笑んだ。
「仕事忙しいみたいだから、どうなんだろ……」
「えー!?彼氏って何の仕事してるの?」
「んー……家業の手伝い?」
「何で疑問形なのよ」
友達に突っ込まれるも、イルミの職業は明かせない。少し困っていると、持っている携帯が鳴った。慌てて鞄から携帯を取り出すと、イルミからメールが着ていた。
「何?その顔は彼氏から?」
「……うん」
[今から会える?]
メールには端的にそれだけが書かれていた。
「ごめん。呼び出された」
友達にそう言うと、急いでそのメールに返信した。
[良いけど、今どこ?]
返信して1分経ったかどうかで、今度は電話の着信。
「もしもし?」
「もしもし、オレだけど」
「どうしたの?イルミ」
「今キミの家にいるんだけど……どこにいるの?」
「えっと……友達と一緒にいるけど」
「ふーん。で、今から会える?」
少々不機嫌そうに言うイルミの声音に、ナマエは少し緊張した。
「会えるけど……いきなりどうしたの?」
「会えるなら良いや。とりあえず帰ってきなよ」
それだけ言うと、イルミは電話を切ってしまった。
「ゴメン、直ぐに帰らなきゃ駄目になっちゃった」
「良いよ良いよ。彼氏からの呼び出しでしょ?」
「うん」
「なら早く行きなよ!待たせちゃ悪いでしょ?彼氏によろしくねー」
友達と別れ、ナマエは急いで帰宅の途に着いた。
「ただいま~」
急いで玄関を開けると、真っ暗な部屋の中で何かが動く気配がした。
不審に思い声を掛けると、だんだんと暗闇に慣れてきた目に人の影が見え始めた。
「イルミ?」
声を掛けてみるも、人影からの反応はない。怖くなり、ナマエは慌てて電気を点けた。
すると、イルミが疲れたのかリビングのソファーに座ったまま眠っていた。
「寝ちゃってる……」
暖房もついていない寒い部屋の中、イルミはブランケットも羽織らずに眠っている。
「こんなに寒いのに……風邪引いちゃうじゃん」
ナマエは寝室からブランケットを持ってくると、イルミに掛けてやった。
とりあえずコーヒーでも飲もうとその場を離れようとした所、その腕を後ろに引かれてナマエはそのまま倒れこんでしまった。
「どこ行くの?」
「イルミ……」
ナマエが倒れこんだのは、イルミの腕の中だった。
「何?ってか、オレの質問は無視?」
「いや……コーヒー飲もうかと思って」
「そう。オレの分もお願い」
「うん」
イルミに掴まれた腕を離され、腑に落ちないモノがあるもののそのまま彼女はコーヒーを淹れる為にキッチンへと向かった。
しばらくしてコーヒーを淹れ終わると、カップを2つ持ってイルミの元へと戻ったナマエ。
「はい」
「有難う」
2人の間を気不味い沈黙が流れた。
その空気を先に破ったのは、意外にもイルミだった。
「ねェ」
「ん?」
「今日何の日か知ってる?」
「今日?イルミの誕生日じゃないし……」
「うん。オレの誕生日じゃないね」
「んー……他に何かあったっけ?」
思い当たる節がないと降参の意をナマエ伝えた。
「ふーん……急いで仕事切り上げてきたのに、ナマエにとってはそんなモノなのか」
呆れた様に言うイルミに、ナマエは痺れを切らした。
「何なの?もう!」
「……本当に判らないの?」
「判んないから訊いてるんじゃないの!」
声を荒げるナマエをイルミは無言で抱き寄せた。
「A merry Christmas to you(クリスマスおめでとう)」
「へ?」
「はいコレ、あげるよ」
イルミは小さな箱を彼女に渡すと、そのまま窓から外へ出ようとした。
「ちょっと!待ってよ!!」
「何?」
ナマエの声にイルミは振り向き、その顔を見つめた。
(この分じゃ、ナマエの所には行けそうにないかもな……)
そんな事を考えながら、その日の仕事を淡々とこなしていく。
「今日の分はこれで終わりか」
誰に言うでもなく、独り呟くイルミ。その声は風に消えた。
「ナマエは彼氏とクリスマス過ごすんでしょ?」
ナマエは友達にそう訊かれて、眉根を寄せて困った様に微笑んだ。
「仕事忙しいみたいだから、どうなんだろ……」
「えー!?彼氏って何の仕事してるの?」
「んー……家業の手伝い?」
「何で疑問形なのよ」
友達に突っ込まれるも、イルミの職業は明かせない。少し困っていると、持っている携帯が鳴った。慌てて鞄から携帯を取り出すと、イルミからメールが着ていた。
「何?その顔は彼氏から?」
「……うん」
[今から会える?]
メールには端的にそれだけが書かれていた。
「ごめん。呼び出された」
友達にそう言うと、急いでそのメールに返信した。
[良いけど、今どこ?]
返信して1分経ったかどうかで、今度は電話の着信。
「もしもし?」
「もしもし、オレだけど」
「どうしたの?イルミ」
「今キミの家にいるんだけど……どこにいるの?」
「えっと……友達と一緒にいるけど」
「ふーん。で、今から会える?」
少々不機嫌そうに言うイルミの声音に、ナマエは少し緊張した。
「会えるけど……いきなりどうしたの?」
「会えるなら良いや。とりあえず帰ってきなよ」
それだけ言うと、イルミは電話を切ってしまった。
「ゴメン、直ぐに帰らなきゃ駄目になっちゃった」
「良いよ良いよ。彼氏からの呼び出しでしょ?」
「うん」
「なら早く行きなよ!待たせちゃ悪いでしょ?彼氏によろしくねー」
友達と別れ、ナマエは急いで帰宅の途に着いた。
「ただいま~」
急いで玄関を開けると、真っ暗な部屋の中で何かが動く気配がした。
不審に思い声を掛けると、だんだんと暗闇に慣れてきた目に人の影が見え始めた。
「イルミ?」
声を掛けてみるも、人影からの反応はない。怖くなり、ナマエは慌てて電気を点けた。
すると、イルミが疲れたのかリビングのソファーに座ったまま眠っていた。
「寝ちゃってる……」
暖房もついていない寒い部屋の中、イルミはブランケットも羽織らずに眠っている。
「こんなに寒いのに……風邪引いちゃうじゃん」
ナマエは寝室からブランケットを持ってくると、イルミに掛けてやった。
とりあえずコーヒーでも飲もうとその場を離れようとした所、その腕を後ろに引かれてナマエはそのまま倒れこんでしまった。
「どこ行くの?」
「イルミ……」
ナマエが倒れこんだのは、イルミの腕の中だった。
「何?ってか、オレの質問は無視?」
「いや……コーヒー飲もうかと思って」
「そう。オレの分もお願い」
「うん」
イルミに掴まれた腕を離され、腑に落ちないモノがあるもののそのまま彼女はコーヒーを淹れる為にキッチンへと向かった。
しばらくしてコーヒーを淹れ終わると、カップを2つ持ってイルミの元へと戻ったナマエ。
「はい」
「有難う」
2人の間を気不味い沈黙が流れた。
その空気を先に破ったのは、意外にもイルミだった。
「ねェ」
「ん?」
「今日何の日か知ってる?」
「今日?イルミの誕生日じゃないし……」
「うん。オレの誕生日じゃないね」
「んー……他に何かあったっけ?」
思い当たる節がないと降参の意をナマエ伝えた。
「ふーん……急いで仕事切り上げてきたのに、ナマエにとってはそんなモノなのか」
呆れた様に言うイルミに、ナマエは痺れを切らした。
「何なの?もう!」
「……本当に判らないの?」
「判んないから訊いてるんじゃないの!」
声を荒げるナマエをイルミは無言で抱き寄せた。
「A merry Christmas to you(クリスマスおめでとう)」
「へ?」
「はいコレ、あげるよ」
イルミは小さな箱を彼女に渡すと、そのまま窓から外へ出ようとした。
「ちょっと!待ってよ!!」
「何?」
ナマエの声にイルミは振り向き、その顔を見つめた。