団長とクロロ
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「クロロってさぁ」
「ん?」
「すっごい自信家で俺様だよね」
読書中にいきなりナマエから掛けられた言葉に視線を上げると、彼女はマジマジとクロロの顔を見ていた。
「いきなりどうしたんだ?」
「いや、前から思ってたんだけどさ……なんでそんなに自信家で俺様でいられるわけ?」
さも不思議そうに見つめてくるナマエに、クロロは思案した。何故今の自分が在るのか、何故今更そんな事を訊かれるのかを。
「言葉にするのは難しいな……まぁ、自信がなければ蜘蛛のリーダーは務まらんし、俺様だと思われているのは昔からだしな」
苦笑交じりに答えたクロロの顔を見ながら、彼女はどこか納得出来ずにいた。
「ふーん……」
「自分から訊いておきながら、随分と薄い反応だな」
「いや、前にも言ったでしょ?団長モードのクロロは絡みづらいって」
真っ直ぐに自身の目を見つめてくるナマエの言葉に、クロロは初めて自分が団長として振る舞っている事に気付いた。
「ごめん。今のは完全に無意識だったよ」
慌ててナマエに謝るが、そんなクロロを見ても彼女の表情は変わらなかった。
「別にいいけどさ。クロロがそっちのが楽だっていうなら」
それだけ言うと、ナマエはクロロの部屋を出ていった。
「団長」
「なんだ?」
ナマエと入れ違いで部屋に入って来たマチに、クロロは視線を本に落としたまま返事をした。
「ナマエに何したの?」
「何の事だ?」
「フェイタン相手に暴れてるんだけど、ナマエ」
「は?」
マチの言葉に、クロロは漸く視線を本から上げて目を丸くした。
「何があったか知らないけど、フェイタン相手に暴れるような事してないだろうね?」
「オレが?ナマエに??」
「団長が何かしたから、憂さ晴らしに暴れてるんじゃないのかい?」
「……」
ナマエの機嫌を損ねる様な事をした覚えがクロロにはなかった。しかし、現にナマエは“あの”フェイタン相手に暴れているという。
「マチ、あいつはどこにいる?」
「外の広場だよ。まぁ、フェイタンは手加減してるみたいだから大丈夫だと思うけど」
「分かった」
パタンと本を閉じたクロロを視認し、マチはその場を去った。
マチに言われた広場に来ると、確かにナマエがフェイタン相手に暴れていた。
「何でワタシがお前の相手しないといけないね」
「しょうがないでしょ。他に相手してくれる人いないんだし――さっ」
【勾陳(こうちん)】を手に、無謀にもナマエはフェイタンへと向かって行く。
「団長、コイツ止めるね」
クロロに気付いたフェイタンがそう言うも、クロロは何が起こっているのか理解出来ずに呆然とその光景を見ていた。
「団長、聞いてるね?!」
イラつきを隠そうともせずに、フェイタンはクロロに問いながらもナマエの攻撃を軽くいなしていた。
「これは……どういうつもりだ?」
クロロはナマエに向けて声を掛けるも、彼女からの返答はない。
「コイツ、いきなり攻撃してきたよ」
「おい、止めろ!お前がフェイタンに敵うわけ無いだろ!!」
「……クロロには関係ないで――しょッ」
ナマエはクロロを見ることもなく、フェイタンに攻撃しながら呟いた。
そんなナマエの言葉が琴線に触れたクロロは、フェイタンへ攻撃を仕掛けた彼女の腕を無理矢理掴んで押さえ込んだ。
「ん?」
「すっごい自信家で俺様だよね」
読書中にいきなりナマエから掛けられた言葉に視線を上げると、彼女はマジマジとクロロの顔を見ていた。
「いきなりどうしたんだ?」
「いや、前から思ってたんだけどさ……なんでそんなに自信家で俺様でいられるわけ?」
さも不思議そうに見つめてくるナマエに、クロロは思案した。何故今の自分が在るのか、何故今更そんな事を訊かれるのかを。
「言葉にするのは難しいな……まぁ、自信がなければ蜘蛛のリーダーは務まらんし、俺様だと思われているのは昔からだしな」
苦笑交じりに答えたクロロの顔を見ながら、彼女はどこか納得出来ずにいた。
「ふーん……」
「自分から訊いておきながら、随分と薄い反応だな」
「いや、前にも言ったでしょ?団長モードのクロロは絡みづらいって」
真っ直ぐに自身の目を見つめてくるナマエの言葉に、クロロは初めて自分が団長として振る舞っている事に気付いた。
「ごめん。今のは完全に無意識だったよ」
慌ててナマエに謝るが、そんなクロロを見ても彼女の表情は変わらなかった。
「別にいいけどさ。クロロがそっちのが楽だっていうなら」
それだけ言うと、ナマエはクロロの部屋を出ていった。
「団長」
「なんだ?」
ナマエと入れ違いで部屋に入って来たマチに、クロロは視線を本に落としたまま返事をした。
「ナマエに何したの?」
「何の事だ?」
「フェイタン相手に暴れてるんだけど、ナマエ」
「は?」
マチの言葉に、クロロは漸く視線を本から上げて目を丸くした。
「何があったか知らないけど、フェイタン相手に暴れるような事してないだろうね?」
「オレが?ナマエに??」
「団長が何かしたから、憂さ晴らしに暴れてるんじゃないのかい?」
「……」
ナマエの機嫌を損ねる様な事をした覚えがクロロにはなかった。しかし、現にナマエは“あの”フェイタン相手に暴れているという。
「マチ、あいつはどこにいる?」
「外の広場だよ。まぁ、フェイタンは手加減してるみたいだから大丈夫だと思うけど」
「分かった」
パタンと本を閉じたクロロを視認し、マチはその場を去った。
マチに言われた広場に来ると、確かにナマエがフェイタン相手に暴れていた。
「何でワタシがお前の相手しないといけないね」
「しょうがないでしょ。他に相手してくれる人いないんだし――さっ」
【勾陳(こうちん)】を手に、無謀にもナマエはフェイタンへと向かって行く。
「団長、コイツ止めるね」
クロロに気付いたフェイタンがそう言うも、クロロは何が起こっているのか理解出来ずに呆然とその光景を見ていた。
「団長、聞いてるね?!」
イラつきを隠そうともせずに、フェイタンはクロロに問いながらもナマエの攻撃を軽くいなしていた。
「これは……どういうつもりだ?」
クロロはナマエに向けて声を掛けるも、彼女からの返答はない。
「コイツ、いきなり攻撃してきたよ」
「おい、止めろ!お前がフェイタンに敵うわけ無いだろ!!」
「……クロロには関係ないで――しょッ」
ナマエはクロロを見ることもなく、フェイタンに攻撃しながら呟いた。
そんなナマエの言葉が琴線に触れたクロロは、フェイタンへ攻撃を仕掛けた彼女の腕を無理矢理掴んで押さえ込んだ。