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何でもないという風に、豊久はアラムをそのまま地面へと叩きつけた。
『う、お、あ』
「へっ。はン、他愛なか」
鼻で笑うと、豊久は刀を拾うでもなく、鞘に手をかけた。
『な、う……お』
アラムが驚きを隠せずにいると、豊久は腰から抜き取った鞘を顔面に叩きつけた。
『さぁてと……お前ら、覚悟はいいか?生きて逃げれると思うなよ??』
アラムが豊久に組み倒されたのを見て逃げようとした兵士の前に、名前が立ち塞がった。
低く唸るセオフィラスは、まるで名前の怒りを代弁しているようでもある。
「殺(や)れ、セオフィラス」
名前の命が下ると、セオフィラスは勢いよく兵士達に向かって飛びかかった。
セオフィラスから逃げ遂せた兵士の前には、名前が立っている。
『言ったろ?≪逃げれると思うな≫って』
そう言いながら、名前は手にしている薙刀を振るった。
『ヒッ……た……助け……ッ』
『お前らに……生きてる資格なんざねぇんだよッ!!』
名前の細められた眼は、日本人とは思えない……否、この世のモノとは思えない程、黄金色に光っていた。
『黙って……灯に屠られやがれッ!!』
怒り狂う名前の背後では、豊久によって顔面を叩きつけられる音が響いている。
「刀の鞘で……!!組手甲冑術……!!えげつねぇーッ」
「うわあ、おっかない」
屋根の上から豊久の戦い方を眺めていた信長の隣に、いきなり与一が現れた。
「≪すんだ≫のか」
「ええ。逃げた敵はもう≪いませんよ≫」
「≪あいつら≫もこわいが、お前もこわいわい」
薄く笑いながら言う信長に、与一はただ黙って薄笑いで答えた。
「さあて。あいつ、どうする気かな」
気が済むまで殴り終えたのか、豊久は首を鳴らした。
「ふう」
『や、やめ……』
豊久とアラムの戦いを見ていたエルフ達は、言葉を失っていた。
周りを見渡した豊久は、おもむろに立ち上がると無言で歩き出した。
『うわっ』
『わぁ』
『ひっ』
怖がるエルフを無視するかのように、豊久は歩き続けた。
やがて立ち止まったのは、死んだ若いエルフの傍らで悔しそうに顔を歪めている1人のエルフの前だった。
「殺れ」
『……ッ』
「殺るんだ」
死んだエルフを指さしながら言う豊久に、言葉は通じずともそのエルフは首を左右に振った。
「駄目だ。殺るのだ。殺るのだ。殺らねばならぬのだ。ここがどこでお前らが誰であろうと、仇はお前らが討たねばならぬ。この子が応報せよと言っている!!」
やはり言葉は通じない。しかし、豊久が言わんとしている事は理解出来ているようだ。
「あやつめ……」
『さぁ、敵討ちの時間だ……覚悟を決めるんだ!』
周りにいた兵士をすべて片付けた名前は、生き残っているエルフ達に向かって叫んだ。
豊久の言わんとしている事と名前の言葉に呼応し、刀を差し出されたエルフは恐る恐る受け取った。
それを見た他のエルフ達も、落ちている敵兵の剣や農具などを手に取った。
『やめろきさまら。やめろ!!やめろぉ!』
アラムが叫ぶも、エルフ達の動きは止まらない。
『やめろ!私が悪……やめ、やめてくれ。こんなことしてどうなるか、わかってるのか』
いくらアラムが止めようとするも、エルフ達の意思は揺るがなかった。
『ぎゃああ』
「良か」
エルフ達がアラムに止めを刺した事を確認し、豊久は穏やかな表情を浮かべた。
「イヨーッ、オツー」
「む」
そこへ信長と与一がいきなり現れた。
「あんたら2人何やってた。こちとら病み上がりだぞ」
「まー、いろいろとにゃー」
「いろいろと」
「まーまー、それよりもつかれたろ。すわるがよい。俺が座ろうと思ったのだが、おまえ座らせてやろうぞ」
「?」
信長の意味深な言葉に、豊久は訳が分からないといった表情を浮かべていた。
「いや~、流石は戦国武将。豊久さんはお強いですねー」
先程までの冷徹な黄金色の眼ではなくなった名前が、暢気な声を出しながらエルフ達の後ろから出てきた。
「お前(おまん)も強かじゃなかか。どこで武芸を嗜んだ?≪戦≫のにおいがせんのに、戦上手じゃ」
「あー、確かに。いかにも≪戦慣れしてます≫っていう感じの殺し方でしたよね」
「まぁ……その話はまた後で……それよりも豊久さん、座りましょう!怪我人なんですし!!」
豊久を空き箱に座らせ、残りの3人はその後ろに立った。
『う、お、あ』
「へっ。はン、他愛なか」
鼻で笑うと、豊久は刀を拾うでもなく、鞘に手をかけた。
『な、う……お』
アラムが驚きを隠せずにいると、豊久は腰から抜き取った鞘を顔面に叩きつけた。
『さぁてと……お前ら、覚悟はいいか?生きて逃げれると思うなよ??』
アラムが豊久に組み倒されたのを見て逃げようとした兵士の前に、名前が立ち塞がった。
低く唸るセオフィラスは、まるで名前の怒りを代弁しているようでもある。
「殺(や)れ、セオフィラス」
名前の命が下ると、セオフィラスは勢いよく兵士達に向かって飛びかかった。
セオフィラスから逃げ遂せた兵士の前には、名前が立っている。
『言ったろ?≪逃げれると思うな≫って』
そう言いながら、名前は手にしている薙刀を振るった。
『ヒッ……た……助け……ッ』
『お前らに……生きてる資格なんざねぇんだよッ!!』
名前の細められた眼は、日本人とは思えない……否、この世のモノとは思えない程、黄金色に光っていた。
『黙って……灯に屠られやがれッ!!』
怒り狂う名前の背後では、豊久によって顔面を叩きつけられる音が響いている。
「刀の鞘で……!!組手甲冑術……!!えげつねぇーッ」
「うわあ、おっかない」
屋根の上から豊久の戦い方を眺めていた信長の隣に、いきなり与一が現れた。
「≪すんだ≫のか」
「ええ。逃げた敵はもう≪いませんよ≫」
「≪あいつら≫もこわいが、お前もこわいわい」
薄く笑いながら言う信長に、与一はただ黙って薄笑いで答えた。
「さあて。あいつ、どうする気かな」
気が済むまで殴り終えたのか、豊久は首を鳴らした。
「ふう」
『や、やめ……』
豊久とアラムの戦いを見ていたエルフ達は、言葉を失っていた。
周りを見渡した豊久は、おもむろに立ち上がると無言で歩き出した。
『うわっ』
『わぁ』
『ひっ』
怖がるエルフを無視するかのように、豊久は歩き続けた。
やがて立ち止まったのは、死んだ若いエルフの傍らで悔しそうに顔を歪めている1人のエルフの前だった。
「殺れ」
『……ッ』
「殺るんだ」
死んだエルフを指さしながら言う豊久に、言葉は通じずともそのエルフは首を左右に振った。
「駄目だ。殺るのだ。殺るのだ。殺らねばならぬのだ。ここがどこでお前らが誰であろうと、仇はお前らが討たねばならぬ。この子が応報せよと言っている!!」
やはり言葉は通じない。しかし、豊久が言わんとしている事は理解出来ているようだ。
「あやつめ……」
『さぁ、敵討ちの時間だ……覚悟を決めるんだ!』
周りにいた兵士をすべて片付けた名前は、生き残っているエルフ達に向かって叫んだ。
豊久の言わんとしている事と名前の言葉に呼応し、刀を差し出されたエルフは恐る恐る受け取った。
それを見た他のエルフ達も、落ちている敵兵の剣や農具などを手に取った。
『やめろきさまら。やめろ!!やめろぉ!』
アラムが叫ぶも、エルフ達の動きは止まらない。
『やめろ!私が悪……やめ、やめてくれ。こんなことしてどうなるか、わかってるのか』
いくらアラムが止めようとするも、エルフ達の意思は揺るがなかった。
『ぎゃああ』
「良か」
エルフ達がアラムに止めを刺した事を確認し、豊久は穏やかな表情を浮かべた。
「イヨーッ、オツー」
「む」
そこへ信長と与一がいきなり現れた。
「あんたら2人何やってた。こちとら病み上がりだぞ」
「まー、いろいろとにゃー」
「いろいろと」
「まーまー、それよりもつかれたろ。すわるがよい。俺が座ろうと思ったのだが、おまえ座らせてやろうぞ」
「?」
信長の意味深な言葉に、豊久は訳が分からないといった表情を浮かべていた。
「いや~、流石は戦国武将。豊久さんはお強いですねー」
先程までの冷徹な黄金色の眼ではなくなった名前が、暢気な声を出しながらエルフ達の後ろから出てきた。
「お前(おまん)も強かじゃなかか。どこで武芸を嗜んだ?≪戦≫のにおいがせんのに、戦上手じゃ」
「あー、確かに。いかにも≪戦慣れしてます≫っていう感じの殺し方でしたよね」
「まぁ……その話はまた後で……それよりも豊久さん、座りましょう!怪我人なんですし!!」
豊久を空き箱に座らせ、残りの3人はその後ろに立った。