初陣
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「あー……なんか、意思疎通出来るようになったみたいです、はい……」
「私(わたくし)よりも流暢に……」
先程来たばかりの名前が、日本語とこの世界の言葉を見事に使いこなしている様を見て、与一はがっくりと項垂れた。
「そやつらはいいのかのー」
「!!」
与一が項垂れているのもお構いなしに、信長は豊久に詰め寄った。
「そやつらも日の本語なんかしゃべれんぞう。“死ね”じゃないのかにゃー」
信長の言葉に、豊久は一瞬固まった。
「タスケテー。ほら、くりかえせ。たすけてー」
『?』
「くり返せってんだッ。タスケテー」
『?』
『??』
「タスケテー。タスケテー。ほら言え!!」
「!?タスケテーッ」
「タスケテケテーッ」
「タスタスケテー」
「一、件、落、着」
「すごいゴリ押しですね」
「一揆衆並みのすごい言いくるめを見た」
気迫だけでエルフの少年達に日本語で助けを求めさせた豊久。
その様は、まさに鬼気迫るモノがあったと言えなくもなかった。
「じゃあ、むらをとりにいくか」
あくどい顔になり、殺した敵を見ながら信長は考えていた。
敵の装備が整いすぎている事から、領主であろう者の正規兵であろう、と。
「麦畑に火を?」
「おう。尊厳が無くとも飯が食えれば人は生きられる。飯が無くとも尊厳があれば人は耐えられる。だが、両方無くなるともはやどうでもよくなる。≪何にでも頼る≫。散々俺が一向一揆にヤられた手じゃもの。国をかっぱらうには一番の手よ」
エルフの村近くにある麦畑。そこに信長は何の躊躇いもなく火を放った。
「やっぱ火はいいのう。伊勢長島を思い出すわい。ふははははははは」
燃え盛る麦畑を見ながら、信長は笑っていた。
その笑い声を背にしながら、豊久と共に名前は燃え盛る麦畑の中をセオフィラスの背に乗りながら駆けて行った。
先陣は言うまでもなく豊久が切った。
『漂(ド)、流(リ)、物(フ)』
「ひとおつ!」
声と共に、豊久は敵兵の首を斬り落とした。
そして、斬り落とした敵兵の頭を持ったまま煙の中へと走った。
『な……』
『な……ッ』
『何だ!!何だ!?今のは!?』
『こ……こんな……』
突然の敵襲に混乱している中、豊久は背後から敵兵の首を斬り落とした。
『ひ、ひいいい』
『逃げるな!!殺すぞ!!』
逃げ惑う敵兵。それを叱責するひと際大きな声。
「首置いてけ、なあ。大将首だ!!大将首だろう!?なあ、大将首だろ、お前」
叱責していた人物に向かって叫びながら、豊久は殺されてしまったエルフ達の亡骸を見た。
「ようもやってくれたのぅ。やっぱりお前の首などいらねえ」
『これが漂流物か。何を、何を言っている!!』
『お前ら……許さねぇ……無益に罪もないエルフ達を殺しやがって……許さねえ!』
辿り着いた先の惨状を見て、名前は呟いた。
『漂流物、邪魔立てするか』
「ようも、やってくれたのう。貴様(きさん)の首はいらん。命だけ置いてけ!!」
奥歯を噛みしめながら、豊久は言い切った。
『あれが……漂流者(ドリフターズ)……ッ!!』
『兄ちゃん!』
『!!』
豊久の気迫に呟いたエルフの青年は、先ほど助けた少年達の声に振り向いた。
『マーシャ!マルク!生きてたのか!!』
『あの人達が……あの怖い人とそこのお姉さんが助けてくれたんだ』
『あの漂流者が!』
『何なんだ一体、漂流者って何なんだ!!』
エルフの青年が豊久と名前を交互に見ながら呟いた。
『何を言ってるかわからんよ。言葉もわからぬ蛮徒め。我らが剣で語るとしよう。漂流物め、来るがいい』
敵の大将であろう男が剣を抜き、豊久と向き合った。
『アラムは他の兵とは違う!!代官付きの本物の騎士武官だ。いくら漂流者でも……ッ』
『大丈夫。私らは負けないよ。こんな惨劇……見逃せるワケがない!!』
名前がそう言うと、豊久はエルフの青年がアラムと呼んだ男目掛け持っていた刀を力いっぱい投げた。
『≪さかし≫!窮したか!他愛無し!』
アラムが豊久の刀を弾き飛ばすと、豊久はすでにアラムの眼前に飛びかかっていた。
そのままの勢いでアラムの首を左半身で締め上げる豊久。
『な……』
「どっこい、しょ」
「私(わたくし)よりも流暢に……」
先程来たばかりの名前が、日本語とこの世界の言葉を見事に使いこなしている様を見て、与一はがっくりと項垂れた。
「そやつらはいいのかのー」
「!!」
与一が項垂れているのもお構いなしに、信長は豊久に詰め寄った。
「そやつらも日の本語なんかしゃべれんぞう。“死ね”じゃないのかにゃー」
信長の言葉に、豊久は一瞬固まった。
「タスケテー。ほら、くりかえせ。たすけてー」
『?』
「くり返せってんだッ。タスケテー」
『?』
『??』
「タスケテー。タスケテー。ほら言え!!」
「!?タスケテーッ」
「タスケテケテーッ」
「タスタスケテー」
「一、件、落、着」
「すごいゴリ押しですね」
「一揆衆並みのすごい言いくるめを見た」
気迫だけでエルフの少年達に日本語で助けを求めさせた豊久。
その様は、まさに鬼気迫るモノがあったと言えなくもなかった。
「じゃあ、むらをとりにいくか」
あくどい顔になり、殺した敵を見ながら信長は考えていた。
敵の装備が整いすぎている事から、領主であろう者の正規兵であろう、と。
「麦畑に火を?」
「おう。尊厳が無くとも飯が食えれば人は生きられる。飯が無くとも尊厳があれば人は耐えられる。だが、両方無くなるともはやどうでもよくなる。≪何にでも頼る≫。散々俺が一向一揆にヤられた手じゃもの。国をかっぱらうには一番の手よ」
エルフの村近くにある麦畑。そこに信長は何の躊躇いもなく火を放った。
「やっぱ火はいいのう。伊勢長島を思い出すわい。ふははははははは」
燃え盛る麦畑を見ながら、信長は笑っていた。
その笑い声を背にしながら、豊久と共に名前は燃え盛る麦畑の中をセオフィラスの背に乗りながら駆けて行った。
先陣は言うまでもなく豊久が切った。
『漂(ド)、流(リ)、物(フ)』
「ひとおつ!」
声と共に、豊久は敵兵の首を斬り落とした。
そして、斬り落とした敵兵の頭を持ったまま煙の中へと走った。
『な……』
『な……ッ』
『何だ!!何だ!?今のは!?』
『こ……こんな……』
突然の敵襲に混乱している中、豊久は背後から敵兵の首を斬り落とした。
『ひ、ひいいい』
『逃げるな!!殺すぞ!!』
逃げ惑う敵兵。それを叱責するひと際大きな声。
「首置いてけ、なあ。大将首だ!!大将首だろう!?なあ、大将首だろ、お前」
叱責していた人物に向かって叫びながら、豊久は殺されてしまったエルフ達の亡骸を見た。
「ようもやってくれたのぅ。やっぱりお前の首などいらねえ」
『これが漂流物か。何を、何を言っている!!』
『お前ら……許さねぇ……無益に罪もないエルフ達を殺しやがって……許さねえ!』
辿り着いた先の惨状を見て、名前は呟いた。
『漂流物、邪魔立てするか』
「ようも、やってくれたのう。貴様(きさん)の首はいらん。命だけ置いてけ!!」
奥歯を噛みしめながら、豊久は言い切った。
『あれが……漂流者(ドリフターズ)……ッ!!』
『兄ちゃん!』
『!!』
豊久の気迫に呟いたエルフの青年は、先ほど助けた少年達の声に振り向いた。
『マーシャ!マルク!生きてたのか!!』
『あの人達が……あの怖い人とそこのお姉さんが助けてくれたんだ』
『あの漂流者が!』
『何なんだ一体、漂流者って何なんだ!!』
エルフの青年が豊久と名前を交互に見ながら呟いた。
『何を言ってるかわからんよ。言葉もわからぬ蛮徒め。我らが剣で語るとしよう。漂流物め、来るがいい』
敵の大将であろう男が剣を抜き、豊久と向き合った。
『アラムは他の兵とは違う!!代官付きの本物の騎士武官だ。いくら漂流者でも……ッ』
『大丈夫。私らは負けないよ。こんな惨劇……見逃せるワケがない!!』
名前がそう言うと、豊久はエルフの青年がアラムと呼んだ男目掛け持っていた刀を力いっぱい投げた。
『≪さかし≫!窮したか!他愛無し!』
アラムが豊久の刀を弾き飛ばすと、豊久はすでにアラムの眼前に飛びかかっていた。
そのままの勢いでアラムの首を左半身で締め上げる豊久。
『な……』
「どっこい、しょ」