漂流
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「青森……あ、皆さんに分かりやすく言えば、陸奥……その中で津軽為信公に仕えていた武士の家系……らしいです。実家には本物の刀がありましたが、本当の事かは判らないです……」
「津軽の家中の子孫、か……」
「一応……そうなりますね」
信長の問いに答え終えると、つかの間の静寂が訪れた。
しかし、その静寂は豊久の言葉によって破られた。
「信長……と言うたな」
「うむ」
「本能寺で死んだのではないのか。お前は死んだはずだ!」
「はん。俺があんなハゲに殺されてたまるか。なんとか脱出してくれようと、乱丸つれて寺内を逃げておった。そうしたら、おかしな≪所≫に出た。奇妙な石造りの通路に無数の扉が壁を埋めておった。その通路の真ん中に、あの妙な男が≪いた≫」
「私もです。私もその男に会いました」
「俺もその男に会ったぞ!!関ケ原の大戦の退き口の中で!!」
「あ、私も会いました!質問しようとした途端に、いきなり扉に引きずり込まれて……」
「関ケ原?美濃のか」
信長は豊久の言葉にピクリと反応した。
「おう。徳川勢と石田勢の大戦(おおいくさ)じゃ」
「んん?待て。待て待て待て。何で徳川がそんなところで戦をする?」
「なんでって、関白亡き後、世は戦国逆戻りよ」
「関白って……何で関白なんぞが天下を差配する!?」
「関白殿が天下取ったからよ。関白秀吉公が」
「待てぇえい。あ〝あ〝?なァんであのハゲネズミが天下取ってんだよ!!」
「何だ!!もうめんどうくさい!!明智亡ぼして柴田も亡ぼして天下取ったんだよ、秀吉が!!」
「かッ、勝家死んだのかよ。お市は!?」
「知らぬ」
「丹波は!?一益は!?利家は!?」
「パッとしねえよ!!織田家は今、家康の≪お茶くみ≫よ。天下布武なんざ、誰も覚えておらん!」
「な〝に〝ぃぃ!!」
何とも言えぬ叫び声を上げた信長。
詳しい事は解らないが故、名前は何も言えない状況となってしまった。
「……信忠は……息子(せがれ)はどうなった」
「……死んだ!!光秀に二条を攻められて、お前さんが死んだと思って城を枕に最後まで戦って死んだ!!」
「ははは。ははは、バカ息子じゃ!!バカたれが。バカたれ。さっさと逃げれば良かろうに!!ははは、人間50年ってか。俺の50年は、全部無駄か」
「全ては無常ですなぁ。私も信長殿から源氏が滅び≪かまくら≫の幕府が無くなったと聞いた時、おどろきました」
「……ッ。あんたが信長だと言うたので、この男が現れた時、話に聞く森乱丸かと思うたわ。てか女かと」
「だったらよかったんだけどネェー」
「?」
「いやいやいや……どう考えても、声からして男やし!つーか、なんで歴史上の有名人に囲まれてんの私!?」
蚊帳の外状態だった名前が叫んだことで、3人の視線が名前に集まった。
「そーいやぁ……おみゃあ、いつの時代の者だ?」
「見たことがない恰好をしておりますね、言われてみれば……」
「お前(おまん)、武家の出と言うちょったが……お前からは≪戦≫のにおいがせん。≪先の世≫の者(モン)か?」
「あー……そ、うですね……関ケ原の合戦から、約420年後の世界で生きてました」
「420年じゃとぅ!?」
「それはまた……随分と先の御世から来られたんですね」
しみじみと与一がそう言うと、豊久はジーッと名前を舐めるように見ていた。
「な……なんですかね?その目は……」
冷や汗を流しながら、名前は豊久に問いかけつつも後退った。
「お前……そげなヒラヒラしたモン着とって、動きにくくなかね?」
現在の名前の服装。それは普通の綿パンにシャツ、その上にロングカーディガンを羽織っているだけ。
「ヒラヒラ……?あぁ、カーディガンですかね??」
「かーでがん?何ね、ソレ」
「服の上に羽織る、薄手の上着みたいなものです」
「ほぅ……先の世はおかしか服を着るな」
「津軽の家中の子孫、か……」
「一応……そうなりますね」
信長の問いに答え終えると、つかの間の静寂が訪れた。
しかし、その静寂は豊久の言葉によって破られた。
「信長……と言うたな」
「うむ」
「本能寺で死んだのではないのか。お前は死んだはずだ!」
「はん。俺があんなハゲに殺されてたまるか。なんとか脱出してくれようと、乱丸つれて寺内を逃げておった。そうしたら、おかしな≪所≫に出た。奇妙な石造りの通路に無数の扉が壁を埋めておった。その通路の真ん中に、あの妙な男が≪いた≫」
「私もです。私もその男に会いました」
「俺もその男に会ったぞ!!関ケ原の大戦の退き口の中で!!」
「あ、私も会いました!質問しようとした途端に、いきなり扉に引きずり込まれて……」
「関ケ原?美濃のか」
信長は豊久の言葉にピクリと反応した。
「おう。徳川勢と石田勢の大戦(おおいくさ)じゃ」
「んん?待て。待て待て待て。何で徳川がそんなところで戦をする?」
「なんでって、関白亡き後、世は戦国逆戻りよ」
「関白って……何で関白なんぞが天下を差配する!?」
「関白殿が天下取ったからよ。関白秀吉公が」
「待てぇえい。あ〝あ〝?なァんであのハゲネズミが天下取ってんだよ!!」
「何だ!!もうめんどうくさい!!明智亡ぼして柴田も亡ぼして天下取ったんだよ、秀吉が!!」
「かッ、勝家死んだのかよ。お市は!?」
「知らぬ」
「丹波は!?一益は!?利家は!?」
「パッとしねえよ!!織田家は今、家康の≪お茶くみ≫よ。天下布武なんざ、誰も覚えておらん!」
「な〝に〝ぃぃ!!」
何とも言えぬ叫び声を上げた信長。
詳しい事は解らないが故、名前は何も言えない状況となってしまった。
「……信忠は……息子(せがれ)はどうなった」
「……死んだ!!光秀に二条を攻められて、お前さんが死んだと思って城を枕に最後まで戦って死んだ!!」
「ははは。ははは、バカ息子じゃ!!バカたれが。バカたれ。さっさと逃げれば良かろうに!!ははは、人間50年ってか。俺の50年は、全部無駄か」
「全ては無常ですなぁ。私も信長殿から源氏が滅び≪かまくら≫の幕府が無くなったと聞いた時、おどろきました」
「……ッ。あんたが信長だと言うたので、この男が現れた時、話に聞く森乱丸かと思うたわ。てか女かと」
「だったらよかったんだけどネェー」
「?」
「いやいやいや……どう考えても、声からして男やし!つーか、なんで歴史上の有名人に囲まれてんの私!?」
蚊帳の外状態だった名前が叫んだことで、3人の視線が名前に集まった。
「そーいやぁ……おみゃあ、いつの時代の者だ?」
「見たことがない恰好をしておりますね、言われてみれば……」
「お前(おまん)、武家の出と言うちょったが……お前からは≪戦≫のにおいがせん。≪先の世≫の者(モン)か?」
「あー……そ、うですね……関ケ原の合戦から、約420年後の世界で生きてました」
「420年じゃとぅ!?」
「それはまた……随分と先の御世から来られたんですね」
しみじみと与一がそう言うと、豊久はジーッと名前を舐めるように見ていた。
「な……なんですかね?その目は……」
冷や汗を流しながら、名前は豊久に問いかけつつも後退った。
「お前……そげなヒラヒラしたモン着とって、動きにくくなかね?」
現在の名前の服装。それは普通の綿パンにシャツ、その上にロングカーディガンを羽織っているだけ。
「ヒラヒラ……?あぁ、カーディガンですかね??」
「かーでがん?何ね、ソレ」
「服の上に羽織る、薄手の上着みたいなものです」
「ほぅ……先の世はおかしか服を着るな」