反撃
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「ぐお」
「ぐあ」
「がッ」
「何をしておるかぁ。隊列を組み直せ!!一度に突っこめばあんな≪にわか≫柵、一揉みに潰せるだろうが!!」
「があッ」
「く……糞だ……ッ。矢に糞が塗ってあるぞ」
「なにぃッ。水だッ。水で洗え。破傷風になるぞ」
「水は……ッ。水はありません!!」
「井戸にも糞が投げ込まれてあります。兵たちの持ち水も、もうほとんど……ッ」
「!!」
エルフ達が矢じりに付けていた液体は、村から消えた小大便だった。
「信長さんは……コレも見越してやってた……のか?」
ポツリと呟いた名前の言葉に、セオフィラスは耳をピクリと動かすのみだった。
「最初からこのために……井戸に糞を投げ入れたのはこ……ッ、このためかッ。この村全部ワナだった!!ワナだ。村を捨てるためじゃなかったのかッ」
「構えい。放てぃ!!」
「う……うわ」
「おい、じょ……冗談じゃねえぞ」
「う……うろたえるな。数は我が方が圧倒的なんだ。押し包んでしまえば……」
「オォオォオォオオォ」
隊列が乱れまくる兵士達の背後から、突如雄叫びが響き渡った。
その声に振り向くと、ガラガラと音を立てながら崩れていく家々の間から豊久が姿を現した。
「何つう声だ。まるで猿叫(えんきょう)じゃい。あれが人の声か」
「大将首もろうてっくど。俺(おい)の手柄ちなってくいや、の?」
豊久は言い終わると同時に重心を低くし、抜身の刀を背負ったまま走り出した。
「うわ」
「ひッ」
「ひいッ」
走る豊久の気迫に負けた兵士達は、次々に道を開けていった。
「な……何だ。何だ…………」
やがて指揮官の近くまで辿り着いた豊久は、そのまま飛び上がり相手の首を一太刀で斬り落とした。
「奪(と)ったど!!」
「ひッ」
「にッ、逃げろ」
「ひいいッ」
指揮官が目の前で斬り殺された事により、兵士達は我先にと駆け出す。後に残ったのは、兵士の無数の亡骸。
「か……か……ッ」
「勝った」
「勝ったあ」
「やった、勝った!!」
「勝ったぞ!!!」
「うわあああ」
反旗を翻すことに成功したエルフ達は沸き上がった。
「まだぞ!!まだだ!!代官の根城ば落とすち言ったろ!!」
「落とす落とすって、お前なんか手立てあるの?」
「無か」
「あー、やっぱりねー」
「叩く時は追うて追うて根まで叩かねば駄目じゃ。叩いたら叩いて潰せち教わった。親父殿(おやっど)もおじ上も、もう一人のおじ上も、もう一人のおじ上も、おじい様もひいじい様も言うておった」
「やな一族だな。おまえんちやっぱおかしいって」
「何だとう」
「まあええ、まあええ。俺に考えがある。それに逃げた兵共は、今ごろ地獄を見ておる」
暗に策を講じているといった言い方をする信長。そんな彼らの様子を、少し距離のある所から眺めていた名前は動き出した。
「ここまであの人達の声がはっきり聞こえるのって……やっぱお前の力なの?」
主の問いかけに、セオフィラスはフサリと尻尾を振り答える。
名前が視線を動かせば、逃げ惑う兵士の一部がすぐそこまで来ていた。
「はぁ……セオフィラス、行くよ……」
半ば諦め気味にそう言うと、名前は影から取り出した灯を手に屋根から飛び降りた。
「ひ……ッ」
「おっ……女ッ!?」
「そこを退けッ!!」
「はぁ……ヤなこった。自分達の行い、悔い改めるにはもう遅いよ。せめて――苦しませずに逝かせてあげる」
名前が言い終わると同時に、セオフィラスは駆け出し兵士の首を嚙み切った。
「ひぃ……ッ」
血しぶきを浴び、逃げ惑う兵士達。そんな彼らに、名前は容赦なく斬りかかった。
「例え種族が異なろうと……やって良い事と悪い事がある。お前達はやり過ぎた。他者の尊厳を――踏み躙って許されて良いワケがないないんだッ!!」
ソレは、あっという間に終わりを告げた。
燃え盛る炎の中、立っているのは名前とセオフィラスだけになった。
「イヨー、お疲れさん」
「……信長さん、見てたんですか?」
「ぐあ」
「がッ」
「何をしておるかぁ。隊列を組み直せ!!一度に突っこめばあんな≪にわか≫柵、一揉みに潰せるだろうが!!」
「があッ」
「く……糞だ……ッ。矢に糞が塗ってあるぞ」
「なにぃッ。水だッ。水で洗え。破傷風になるぞ」
「水は……ッ。水はありません!!」
「井戸にも糞が投げ込まれてあります。兵たちの持ち水も、もうほとんど……ッ」
「!!」
エルフ達が矢じりに付けていた液体は、村から消えた小大便だった。
「信長さんは……コレも見越してやってた……のか?」
ポツリと呟いた名前の言葉に、セオフィラスは耳をピクリと動かすのみだった。
「最初からこのために……井戸に糞を投げ入れたのはこ……ッ、このためかッ。この村全部ワナだった!!ワナだ。村を捨てるためじゃなかったのかッ」
「構えい。放てぃ!!」
「う……うわ」
「おい、じょ……冗談じゃねえぞ」
「う……うろたえるな。数は我が方が圧倒的なんだ。押し包んでしまえば……」
「オォオォオォオオォ」
隊列が乱れまくる兵士達の背後から、突如雄叫びが響き渡った。
その声に振り向くと、ガラガラと音を立てながら崩れていく家々の間から豊久が姿を現した。
「何つう声だ。まるで猿叫(えんきょう)じゃい。あれが人の声か」
「大将首もろうてっくど。俺(おい)の手柄ちなってくいや、の?」
豊久は言い終わると同時に重心を低くし、抜身の刀を背負ったまま走り出した。
「うわ」
「ひッ」
「ひいッ」
走る豊久の気迫に負けた兵士達は、次々に道を開けていった。
「な……何だ。何だ…………」
やがて指揮官の近くまで辿り着いた豊久は、そのまま飛び上がり相手の首を一太刀で斬り落とした。
「奪(と)ったど!!」
「ひッ」
「にッ、逃げろ」
「ひいいッ」
指揮官が目の前で斬り殺された事により、兵士達は我先にと駆け出す。後に残ったのは、兵士の無数の亡骸。
「か……か……ッ」
「勝った」
「勝ったあ」
「やった、勝った!!」
「勝ったぞ!!!」
「うわあああ」
反旗を翻すことに成功したエルフ達は沸き上がった。
「まだぞ!!まだだ!!代官の根城ば落とすち言ったろ!!」
「落とす落とすって、お前なんか手立てあるの?」
「無か」
「あー、やっぱりねー」
「叩く時は追うて追うて根まで叩かねば駄目じゃ。叩いたら叩いて潰せち教わった。親父殿(おやっど)もおじ上も、もう一人のおじ上も、もう一人のおじ上も、おじい様もひいじい様も言うておった」
「やな一族だな。おまえんちやっぱおかしいって」
「何だとう」
「まあええ、まあええ。俺に考えがある。それに逃げた兵共は、今ごろ地獄を見ておる」
暗に策を講じているといった言い方をする信長。そんな彼らの様子を、少し距離のある所から眺めていた名前は動き出した。
「ここまであの人達の声がはっきり聞こえるのって……やっぱお前の力なの?」
主の問いかけに、セオフィラスはフサリと尻尾を振り答える。
名前が視線を動かせば、逃げ惑う兵士の一部がすぐそこまで来ていた。
「はぁ……セオフィラス、行くよ……」
半ば諦め気味にそう言うと、名前は影から取り出した灯を手に屋根から飛び降りた。
「ひ……ッ」
「おっ……女ッ!?」
「そこを退けッ!!」
「はぁ……ヤなこった。自分達の行い、悔い改めるにはもう遅いよ。せめて――苦しませずに逝かせてあげる」
名前が言い終わると同時に、セオフィラスは駆け出し兵士の首を嚙み切った。
「ひぃ……ッ」
血しぶきを浴び、逃げ惑う兵士達。そんな彼らに、名前は容赦なく斬りかかった。
「例え種族が異なろうと……やって良い事と悪い事がある。お前達はやり過ぎた。他者の尊厳を――踏み躙って許されて良いワケがないないんだッ!!」
ソレは、あっという間に終わりを告げた。
燃え盛る炎の中、立っているのは名前とセオフィラスだけになった。
「イヨー、お疲れさん」
「……信長さん、見てたんですか?」