漂流
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それは、ある日突然起こった。
いつものように出勤しようと家を出て、いつも通りのルートで駅へ向かって歩いていた。
あと少しで駅に着くという所で、車が急ブレーキを引く音がした。
何事かと思い辺りを見回すと、そこには摩訶不思議な光景が広がっていた。
真っ白な廊下の両側には様々な作りの無数の扉が並び、その廊下の真ん中にはいかにも「事務員」といった格好の男が座る机があった。
現状を把握しようとその男へ近づこうとすると、何やら血まみれの赤い服を着た男が自分の前に立っていた。
どちらに声をかけるべきか悩んでいると、腕時計を確認した事務員が「昼休み中です」と書かれたプレートを机から外し、声を発した。
「次」
「…………ッ。何……だッ。何だ……ッ。ここは……ッ。どこだ……ッ、ここは……ッ。誰だ……ッ」
血まみれの男が事務員の男の元へ、足を引きずりながら近づいていくのを、名前はただただ呆然と眺めていた。
すると、事務員は何やら紙を捲りソレを見た。
「野郎……ッ。俺(おい)は帰るのだ、薩州へ!!」
血まみれの男が事務員へ向かって右腕を伸ばすと、事務員は先程見ていた紙へ何かを書き込んだ。
紙にペンを走らせる音が止まると同時に、血まみれの男はすぐ右側にあった石造りの扉へと引きずり込まれていく。
「!!」
「は?え??」
名前が呆気に取られていると、血まみれの男は石造りの扉へと完全に飲み込まれてしまった。
ソレを確認すると、事務員は名前に向かって告げた。
「次」
「えっ……?何……今の……??」
名前が言葉を発している最中に、事務員は煙草を吸いながら紙を捲り、ソコにまた何かを書き込んでいく。
そして事務員が書き込み終わるのと同時に、事態を把握しようとしている名前の身体は、先程血まみれの男が吸い込まれていったのと同じ扉へと引きずり込まれていった。
「ちょっ……えぇー!?」
先程まで真っ白な、不可思議な廊下にいたはずが、名前が目を開くと扉など何もなく、風に吹かれる草原に立っていた。
鉄の錆た様な臭いに気づき足元を見ると、ソコには先程の奇妙な廊下で自分の前に立っていた男が倒れていた。
「え?ちょっ……大丈夫ですか?お兄さん、しっかりして!!ってか、刀!?えっ??マジなんなの?!」
倒れている男の肩を揺さぶっていると、聞き慣れない言語が耳に飛び込んできた。
『何だろう』
『何だい、兄さん。行き倒れか?』
『何だこれ!血まみれだ。おい、あんた。どうした、大丈夫かい』
何を言っているのか、名前には全くわからない言葉。いや、そもそも聞いたことすらない言語の様に思える言葉で、2人の奇妙な少年が倒れている男に話しかけている。
奇妙な少年達は、2人共……耳が長く尖っていたのだ。
『大丈夫かい、あんた達』
『兄さん。“耳なし”だ、この人達』
「く……はは、鬼だ。やっぱり(やっぱい)、地獄行きか」
奇妙な少年2人を見て、倒れている男はそう呟き目を閉じた。
『おい、あんた!!』
「ちょっ……しっかりして!目を開けてよ!!」
ゆさゆさと名前は男を揺さぶるも、目を開ける気配がない。
『ただの行き倒れじゃない』
『この言葉……“漂流物(ドリフターズ)”だ』
『えぇッ。ま≪また≫?!ど、どうしよう?』
『どうするってお前、連れてくしかないだろ、“廃城”に』
意味の分からない言語で話す少年達を尻目に、名前は必死に倒れた男を揺さぶっていた。
いつものように出勤しようと家を出て、いつも通りのルートで駅へ向かって歩いていた。
あと少しで駅に着くという所で、車が急ブレーキを引く音がした。
何事かと思い辺りを見回すと、そこには摩訶不思議な光景が広がっていた。
真っ白な廊下の両側には様々な作りの無数の扉が並び、その廊下の真ん中にはいかにも「事務員」といった格好の男が座る机があった。
現状を把握しようとその男へ近づこうとすると、何やら血まみれの赤い服を着た男が自分の前に立っていた。
どちらに声をかけるべきか悩んでいると、腕時計を確認した事務員が「昼休み中です」と書かれたプレートを机から外し、声を発した。
「次」
「…………ッ。何……だッ。何だ……ッ。ここは……ッ。どこだ……ッ、ここは……ッ。誰だ……ッ」
血まみれの男が事務員の男の元へ、足を引きずりながら近づいていくのを、名前はただただ呆然と眺めていた。
すると、事務員は何やら紙を捲りソレを見た。
「野郎……ッ。俺(おい)は帰るのだ、薩州へ!!」
血まみれの男が事務員へ向かって右腕を伸ばすと、事務員は先程見ていた紙へ何かを書き込んだ。
紙にペンを走らせる音が止まると同時に、血まみれの男はすぐ右側にあった石造りの扉へと引きずり込まれていく。
「!!」
「は?え??」
名前が呆気に取られていると、血まみれの男は石造りの扉へと完全に飲み込まれてしまった。
ソレを確認すると、事務員は名前に向かって告げた。
「次」
「えっ……?何……今の……??」
名前が言葉を発している最中に、事務員は煙草を吸いながら紙を捲り、ソコにまた何かを書き込んでいく。
そして事務員が書き込み終わるのと同時に、事態を把握しようとしている名前の身体は、先程血まみれの男が吸い込まれていったのと同じ扉へと引きずり込まれていった。
「ちょっ……えぇー!?」
先程まで真っ白な、不可思議な廊下にいたはずが、名前が目を開くと扉など何もなく、風に吹かれる草原に立っていた。
鉄の錆た様な臭いに気づき足元を見ると、ソコには先程の奇妙な廊下で自分の前に立っていた男が倒れていた。
「え?ちょっ……大丈夫ですか?お兄さん、しっかりして!!ってか、刀!?えっ??マジなんなの?!」
倒れている男の肩を揺さぶっていると、聞き慣れない言語が耳に飛び込んできた。
『何だろう』
『何だい、兄さん。行き倒れか?』
『何だこれ!血まみれだ。おい、あんた。どうした、大丈夫かい』
何を言っているのか、名前には全くわからない言葉。いや、そもそも聞いたことすらない言語の様に思える言葉で、2人の奇妙な少年が倒れている男に話しかけている。
奇妙な少年達は、2人共……耳が長く尖っていたのだ。
『大丈夫かい、あんた達』
『兄さん。“耳なし”だ、この人達』
「く……はは、鬼だ。やっぱり(やっぱい)、地獄行きか」
奇妙な少年2人を見て、倒れている男はそう呟き目を閉じた。
『おい、あんた!!』
「ちょっ……しっかりして!目を開けてよ!!」
ゆさゆさと名前は男を揺さぶるも、目を開ける気配がない。
『ただの行き倒れじゃない』
『この言葉……“漂流物(ドリフターズ)”だ』
『えぇッ。ま≪また≫?!ど、どうしよう?』
『どうするってお前、連れてくしかないだろ、“廃城”に』
意味の分からない言語で話す少年達を尻目に、名前は必死に倒れた男を揺さぶっていた。
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