獲物
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「あはは。笑いすぎて腹が痛くなってきたよ」
「何もそこまで笑う事ないじゃない!」
「ごめんごめん。でも、普通に考えたらキミの言動は逆ナンだよ?」
「う~……」
「そういえば自己紹介がまだだったね。オレはクロロ。クロロ・ルシルフル。キミは?」
「私?」
「そう、キミの名前」
「ナマエ・ミョウジ」
団長はクロロと名乗り、女はナマエと名乗った。
「じゃ、自己紹介も済んだ事だし行こうか?」
「え?」
「お茶、ご馳走してくれるんだろ?」
すっかり忘れていたナマエは、一瞬呆気にとられて笑みを溢した。
「クロロは本が好きなの?」
「ん?なんで?」
「すっごい古い本何冊も持ってるからさ。相当好きじゃなきゃ買わないでしょ?」
ナマエの視線の先には、クロロが先程買った古書があった。
「あぁ、コレ?オレ、本とか美術品が好きなんだ」
「ふ~ん。若そうなのにいい趣味してるね」
「それって嫌味?」
「まさか!誉めてるだけだよ」
「そういうキミは?」
「う~ん……強いて言えば、歌うことかな」
ナマエはどこか遠くを見ながら小さく呟いていた。
「へぇ~。いつか聴かせて貰えるかな?ナマエの歌」
「いやぁ……人様に聴かせる程じゃないから」
「ナマエ!こんな所にいたのか!!」
頬を掻きながら照れたように俯くナマエだったが、その時クロロの背後から何処かで聞いた事のある声が降り掛かった。
クロロが振り向くと、そこにいたのは見覚えのある男だった。
「!」
「フェンリル?!」
フェンリルを見るなり顔を顰めるナマエ。
「何故この様な所に……あれ程出てはならんと言ったではないか!」
「あちゃ~……ごめん、クロロ。また今度ねっ!」
そう言いながら、ナマエはフェンリルとは逆方向へと走り出した。
(あの男……やはりあの女がギメイ……?)
「……い」
(いや、それにしても纏うオーラが違いすぎる……)
「おい」
(しかし……ギメイとナマエは――無関係ではない!)
「おいっ!聞いているのか!?」
「……ん?」
「何故あの女と一緒にいた?貴様は何者だ??」
「オレか?オレは彼女にナンパされた、ただの男さ」
クツクツと笑いながら、クロロはナマエが走っていった方向を目を細めて見つめた。
「ナンパだと?!まさか――いや、しかし……ナマエに限ってそんな事は…………」
「追わなくていいの?」
「?」
「彼女、追わなくていいの?」
「はっ?!」
フェンリルはクロロの言葉に思考を止め、我に返るとナマエの後を追って走り出した。
「くくっ――これは思わぬ収穫になったな」
口の端を上げて笑うと、クロロはその場を去った。
その日の夜、クロロは仮宿にしている廃墟にマチ・フェイタン・パクノダ・シャルナークを集めた。
「1時間後――作戦を決行する」
「え……団長、正気?!だって、まだ【Fate】の正体とか分かってないのに??」
「それなら問題ない。正体は判ったからな」
ニヤリと笑いながら、クロロは続けた。
「昼に偶然出逢ってな。雰囲気は違っていたが、間違いなくオレが出逢った女が【Fate】だ。この女が今回の“獲物(ターゲット)”だ」
「何もそこまで笑う事ないじゃない!」
「ごめんごめん。でも、普通に考えたらキミの言動は逆ナンだよ?」
「う~……」
「そういえば自己紹介がまだだったね。オレはクロロ。クロロ・ルシルフル。キミは?」
「私?」
「そう、キミの名前」
「ナマエ・ミョウジ」
団長はクロロと名乗り、女はナマエと名乗った。
「じゃ、自己紹介も済んだ事だし行こうか?」
「え?」
「お茶、ご馳走してくれるんだろ?」
すっかり忘れていたナマエは、一瞬呆気にとられて笑みを溢した。
「クロロは本が好きなの?」
「ん?なんで?」
「すっごい古い本何冊も持ってるからさ。相当好きじゃなきゃ買わないでしょ?」
ナマエの視線の先には、クロロが先程買った古書があった。
「あぁ、コレ?オレ、本とか美術品が好きなんだ」
「ふ~ん。若そうなのにいい趣味してるね」
「それって嫌味?」
「まさか!誉めてるだけだよ」
「そういうキミは?」
「う~ん……強いて言えば、歌うことかな」
ナマエはどこか遠くを見ながら小さく呟いていた。
「へぇ~。いつか聴かせて貰えるかな?ナマエの歌」
「いやぁ……人様に聴かせる程じゃないから」
「ナマエ!こんな所にいたのか!!」
頬を掻きながら照れたように俯くナマエだったが、その時クロロの背後から何処かで聞いた事のある声が降り掛かった。
クロロが振り向くと、そこにいたのは見覚えのある男だった。
「!」
「フェンリル?!」
フェンリルを見るなり顔を顰めるナマエ。
「何故この様な所に……あれ程出てはならんと言ったではないか!」
「あちゃ~……ごめん、クロロ。また今度ねっ!」
そう言いながら、ナマエはフェンリルとは逆方向へと走り出した。
(あの男……やはりあの女がギメイ……?)
「……い」
(いや、それにしても纏うオーラが違いすぎる……)
「おい」
(しかし……ギメイとナマエは――無関係ではない!)
「おいっ!聞いているのか!?」
「……ん?」
「何故あの女と一緒にいた?貴様は何者だ??」
「オレか?オレは彼女にナンパされた、ただの男さ」
クツクツと笑いながら、クロロはナマエが走っていった方向を目を細めて見つめた。
「ナンパだと?!まさか――いや、しかし……ナマエに限ってそんな事は…………」
「追わなくていいの?」
「?」
「彼女、追わなくていいの?」
「はっ?!」
フェンリルはクロロの言葉に思考を止め、我に返るとナマエの後を追って走り出した。
「くくっ――これは思わぬ収穫になったな」
口の端を上げて笑うと、クロロはその場を去った。
その日の夜、クロロは仮宿にしている廃墟にマチ・フェイタン・パクノダ・シャルナークを集めた。
「1時間後――作戦を決行する」
「え……団長、正気?!だって、まだ【Fate】の正体とか分かってないのに??」
「それなら問題ない。正体は判ったからな」
ニヤリと笑いながら、クロロは続けた。
「昼に偶然出逢ってな。雰囲気は違っていたが、間違いなくオレが出逢った女が【Fate】だ。この女が今回の“獲物(ターゲット)”だ」