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「ナマエがここに……いる、のか?」
クロロが見渡すのは、月明かりが薄っすらとしか差し込まない深い森の中。
そんな場所を当てもなく歩いていると、少しだけ開けた場所へと辿り着いた。
「ナマエ……?」
クロロの視線の先には、横たわり宙に浮いているナマエの姿があった。
「どう……なっているんだ……?」
近付いてみるも、ナマエは規則正しい寝息をたて眠っているようにしか見えない。
「おい!ナマエ!?」
クロロがナマエの肩に手を触れた瞬間だった。バチリとした電流のような痛みが全身を駆け巡り、視界が揺れた。
「おやおや……誰かがこの“牢獄”へと入ってきたようだな」
「何を言っている?【影の王】!」
「このオーラは……そなたをよく知る“人間”のようじゃな」
「……え?」
「招かれざる客人という訳か……どぉれ、出て行ってもらおうか」
【影の王】が手を翳すと、その先には地に伏しているクロロがいた。
「クロロ……!?」
「我の世界に、無断で入り込んだのだ。排除せねばならぬな」
「止めろ!クロロに何をする気だ?!」
【影の王】とクロロの間に立ち、ナマエはこれから【影の王】が何かをしようとしている事を悟り、その行為を止めに入った。
「主よ……ここは主の“心の中”。すなわち、我の世界よ。主以外の“人間”が立ち入ることは許されぬ世界。そこに入り込んだのならば、排除するのも我の仕事」
「私の世界だって言うなら、なおさら止めろ!コイツは無関係な“人間”だ!!」
「そなたがそう思っておろうと、アヤツはそう思っていないようじゃな」
【エラトー】がその視線をクロロに向けると、小さなうめき声が木霊した。
「ちょっ……クロロ!?大丈夫??【エラトー】!クロロに何をした?!」
クロロに駆け寄り、その体を支え起こしながら、ナマエは【エラトー】を睨みつけた。
「我は何もしておらぬぞ?ただ、【影の王】から護ったのみよ」
「……何をしようとした?【影の王】!?」
「なぁ~に、この世界から排除しようとしたまでよ」
クツクツと嗤いながら、【影の王】は目を細めた。
光を伴わない闇色の双眼。そこからは、何の感情も読み取れなかった。
「うっ……こ……こは?」
薄っすらと目を開けたクロロの眼前には、心配そうに自身の顔を覗き込んでいるナマエの顔が映った。
「ナマエ……?」
「大丈夫?クロロ、どうやってココに来たの??」
朧気な意識を手繰り寄せ、クロロは上半身を起き上がらせた。
「ここは……何処なんだ?オレは……森の中でお前に触れただけで…………」
「ほぅ……“結界”内に入って、我が子を見つけたのか。そなたも大変だな」
【エラトー】はどこか感心した様にクロロを見ている。それが面白くないのか、【影の王】は辛辣な言葉を放った。
「人の子の分際で我が領域に入ってくるとは……随分と度胸がいいな」
「うっさい!お前は黙ってろ!!クロロ、なんでココに来たんだよ……ココは…………私の“世界”なんだ。部外者が立ち入っていい場所じゃない!」
「“部外者”だって?今更……今更オレを“部外者”扱いするのか??」
「当たり前だろ!私の“中”に……なんで勝手に入ってくるんだよ!!これ以上――私に構わないで!」
顔を背けながら、ナマエは苦し気に言った。
「オレは、お前の全てを知りたい。何を想って、何をしたいのか……オレは、お前の苦しみを取り除きたいんだ」
「そんなの……クロロの身勝手な考えだ…………」
「そうかも知れないな。だが、オレはナマエの力になりたい。何と言われようと……例えお前に拒まれようと、オレはオレの考えを変える気はない」
ナマエが背けている顔を自分と向い合せるように固定し、真っ直ぐとナマエの目を見据えて続けた。
「オレにも大事な仲間……いや、“家族”がいる。万が一その“家族”の誰かが殺されたら――オレはお前と同じ選択をする」
「同じ……選択?」
「そうだ。オレは、オレの“家族”を殺されたら……殺したヤツを必ず見つけ出して――殺す」
「くくく……面白い。実に愉快だ」
ナマエとクロロのやり取りを見ながら、【影の王】は不気味な笑い声を上げた。
「我が主に対し、そのような態度をとるとは……面白いな、人の子よ。だが――ここは我の世界。主が不快に思っている状況で、黙っていられるものか」
クロロが見渡すのは、月明かりが薄っすらとしか差し込まない深い森の中。
そんな場所を当てもなく歩いていると、少しだけ開けた場所へと辿り着いた。
「ナマエ……?」
クロロの視線の先には、横たわり宙に浮いているナマエの姿があった。
「どう……なっているんだ……?」
近付いてみるも、ナマエは規則正しい寝息をたて眠っているようにしか見えない。
「おい!ナマエ!?」
クロロがナマエの肩に手を触れた瞬間だった。バチリとした電流のような痛みが全身を駆け巡り、視界が揺れた。
「おやおや……誰かがこの“牢獄”へと入ってきたようだな」
「何を言っている?【影の王】!」
「このオーラは……そなたをよく知る“人間”のようじゃな」
「……え?」
「招かれざる客人という訳か……どぉれ、出て行ってもらおうか」
【影の王】が手を翳すと、その先には地に伏しているクロロがいた。
「クロロ……!?」
「我の世界に、無断で入り込んだのだ。排除せねばならぬな」
「止めろ!クロロに何をする気だ?!」
【影の王】とクロロの間に立ち、ナマエはこれから【影の王】が何かをしようとしている事を悟り、その行為を止めに入った。
「主よ……ここは主の“心の中”。すなわち、我の世界よ。主以外の“人間”が立ち入ることは許されぬ世界。そこに入り込んだのならば、排除するのも我の仕事」
「私の世界だって言うなら、なおさら止めろ!コイツは無関係な“人間”だ!!」
「そなたがそう思っておろうと、アヤツはそう思っていないようじゃな」
【エラトー】がその視線をクロロに向けると、小さなうめき声が木霊した。
「ちょっ……クロロ!?大丈夫??【エラトー】!クロロに何をした?!」
クロロに駆け寄り、その体を支え起こしながら、ナマエは【エラトー】を睨みつけた。
「我は何もしておらぬぞ?ただ、【影の王】から護ったのみよ」
「……何をしようとした?【影の王】!?」
「なぁ~に、この世界から排除しようとしたまでよ」
クツクツと嗤いながら、【影の王】は目を細めた。
光を伴わない闇色の双眼。そこからは、何の感情も読み取れなかった。
「うっ……こ……こは?」
薄っすらと目を開けたクロロの眼前には、心配そうに自身の顔を覗き込んでいるナマエの顔が映った。
「ナマエ……?」
「大丈夫?クロロ、どうやってココに来たの??」
朧気な意識を手繰り寄せ、クロロは上半身を起き上がらせた。
「ここは……何処なんだ?オレは……森の中でお前に触れただけで…………」
「ほぅ……“結界”内に入って、我が子を見つけたのか。そなたも大変だな」
【エラトー】はどこか感心した様にクロロを見ている。それが面白くないのか、【影の王】は辛辣な言葉を放った。
「人の子の分際で我が領域に入ってくるとは……随分と度胸がいいな」
「うっさい!お前は黙ってろ!!クロロ、なんでココに来たんだよ……ココは…………私の“世界”なんだ。部外者が立ち入っていい場所じゃない!」
「“部外者”だって?今更……今更オレを“部外者”扱いするのか??」
「当たり前だろ!私の“中”に……なんで勝手に入ってくるんだよ!!これ以上――私に構わないで!」
顔を背けながら、ナマエは苦し気に言った。
「オレは、お前の全てを知りたい。何を想って、何をしたいのか……オレは、お前の苦しみを取り除きたいんだ」
「そんなの……クロロの身勝手な考えだ…………」
「そうかも知れないな。だが、オレはナマエの力になりたい。何と言われようと……例えお前に拒まれようと、オレはオレの考えを変える気はない」
ナマエが背けている顔を自分と向い合せるように固定し、真っ直ぐとナマエの目を見据えて続けた。
「オレにも大事な仲間……いや、“家族”がいる。万が一その“家族”の誰かが殺されたら――オレはお前と同じ選択をする」
「同じ……選択?」
「そうだ。オレは、オレの“家族”を殺されたら……殺したヤツを必ず見つけ出して――殺す」
「くくく……面白い。実に愉快だ」
ナマエとクロロのやり取りを見ながら、【影の王】は不気味な笑い声を上げた。
「我が主に対し、そのような態度をとるとは……面白いな、人の子よ。だが――ここは我の世界。主が不快に思っている状況で、黙っていられるものか」