獲物
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それから数日後。シャルナークは持てる情報網を駆使して【Fate】の事を調べ上げた。
「――以上がオレの調べた結果。こんなに情報の少ないバンドって前代未聞だよ!」
団長に資料を手渡しながら、シャルナークは叫んだ。
「いくら【能力者】しかリアルで演奏を聴けないからって、そこそこ話題になってるバンドなのに情報が少なすぎるよ!!」
シャルナークが手渡した資料はたったの1枚。ハンターサイトを使ったにも関わらず、A4用紙1枚分の情報しか出てこなかったのだ。
「面白いな」
「面白い?どこが??」
「アレだけの【能力】を持ちながら、情報が少ないところさ。ますます興味が湧くな」
「団長」
「なんだ?パク」
「本気で手を出すつもりですか?」
「……悪いか?」
「いえ。ただ……」
「ただ?」
「人員を増やすべきだと思うわ」
「ほぅ……理由は?」
「ギメイっていうコだけなら私とシャルでどうにか出来ると思うけど、フェンリルっていう男から漂っていたオーラが厄介に感じたのよ」
渋い顔をするパクノダを見て、団長は少しだけ考えて結論を出した。
「…………今空いている団員は誰がいる?」
「――で、要はあたしとフェイタンでその男の足止めをすればいいワケね?」
「そうだ。本命はオレが奪う」
「ハァ……たかが“女”一人の為に蜘蛛を動かすなんて。そんなに気に入ったのかい?」
「あぁ。アイツを手に入れるためなら、使えるモノはなんでも使うさ」
そう言い切った団長の目は、獲物を見つけた捕食動物のソレになっていた。
何分情報が少ない【Fate】。シャルナークが集めた情報の中でも、一般的に知られている構成人数位しか詳細は分からなかった。
もちろんその中にフェンリルに関する情報はなく、彼が【Fate】の真実を知った者を排除しているというヒソカの言動を裏付ける証拠としかならない。
手詰まりになったある日、団長は額の入れ墨を隠し1人であの廃墟がある場所にほど近い街へと来ていた。
最初は暇潰しになるであろう古書を求めての外出だった。しかし、古書店を数軒回って何冊かの本を手に入れて仮宿へ帰ろうとした時にふと気付いた。裏路地から何やら不穏な気配が漂ってきている事に。
普段なら気にも止めないのだが、この時は何故か気になりその気配の元へと足を向けた。
程なくして気配の元へと辿り着いた団長は、【絶】で気配を消し様子を伺った。
「だーかーら、お前等と遊んでる暇はないっつってんだよ!」
「状況が判ってねェみたいだな、ねえちゃん」
「この人数相手に、逃げれると思ってるワケ?」
団長の視線の先には、1人の女を壁際に追い込む形で群がる3人の男が居た。
(あの女のオーラは……)
女のオーラに何かを感じ取った団長だったが、思考に耽っていると先程まで息巻いていた男の1人が自身に向かって飛んできた。
危うくぶつかりそうになったのを既の所で避けると、それまで囲まれていた女の足元には蹲った男が2人居た。
「えっ……ちょっ、おにいさん大丈夫?怪我してない??」
女は団長に気がつくと、慌てて駆け寄ってきた。
「あ、あぁ。大丈夫だ」
「良かった~……巻き込んでたらツレにドヤされるところだったよ……」
ヘタリとその場に座り込んだ女を見て、団長は先ほど感じたオーラは勘違いだったのかと思い始めた。
「ツレって、友達?」
「ん?友達ってか、悪友かなぁ」
そう言いながら立ち上がろうとしている女に手を差し出す団長。
「ありがと。巻き込みかけて本当にごめん!」
勢いよく頭を下げて謝る女からは、やはりあの独特のオーラは感じられなかった。
「あ、そうだ!おにいさん時間ある?」
「え?」
「お詫びにお茶奢らせてくれないかなぁって思って」
「クククッ。それって、逆ナン?」
「ちょっ……違う!違うからね!?」
慌てふためく女に、団長は声を殺すことなく笑った。
「――以上がオレの調べた結果。こんなに情報の少ないバンドって前代未聞だよ!」
団長に資料を手渡しながら、シャルナークは叫んだ。
「いくら【能力者】しかリアルで演奏を聴けないからって、そこそこ話題になってるバンドなのに情報が少なすぎるよ!!」
シャルナークが手渡した資料はたったの1枚。ハンターサイトを使ったにも関わらず、A4用紙1枚分の情報しか出てこなかったのだ。
「面白いな」
「面白い?どこが??」
「アレだけの【能力】を持ちながら、情報が少ないところさ。ますます興味が湧くな」
「団長」
「なんだ?パク」
「本気で手を出すつもりですか?」
「……悪いか?」
「いえ。ただ……」
「ただ?」
「人員を増やすべきだと思うわ」
「ほぅ……理由は?」
「ギメイっていうコだけなら私とシャルでどうにか出来ると思うけど、フェンリルっていう男から漂っていたオーラが厄介に感じたのよ」
渋い顔をするパクノダを見て、団長は少しだけ考えて結論を出した。
「…………今空いている団員は誰がいる?」
「――で、要はあたしとフェイタンでその男の足止めをすればいいワケね?」
「そうだ。本命はオレが奪う」
「ハァ……たかが“女”一人の為に蜘蛛を動かすなんて。そんなに気に入ったのかい?」
「あぁ。アイツを手に入れるためなら、使えるモノはなんでも使うさ」
そう言い切った団長の目は、獲物を見つけた捕食動物のソレになっていた。
何分情報が少ない【Fate】。シャルナークが集めた情報の中でも、一般的に知られている構成人数位しか詳細は分からなかった。
もちろんその中にフェンリルに関する情報はなく、彼が【Fate】の真実を知った者を排除しているというヒソカの言動を裏付ける証拠としかならない。
手詰まりになったある日、団長は額の入れ墨を隠し1人であの廃墟がある場所にほど近い街へと来ていた。
最初は暇潰しになるであろう古書を求めての外出だった。しかし、古書店を数軒回って何冊かの本を手に入れて仮宿へ帰ろうとした時にふと気付いた。裏路地から何やら不穏な気配が漂ってきている事に。
普段なら気にも止めないのだが、この時は何故か気になりその気配の元へと足を向けた。
程なくして気配の元へと辿り着いた団長は、【絶】で気配を消し様子を伺った。
「だーかーら、お前等と遊んでる暇はないっつってんだよ!」
「状況が判ってねェみたいだな、ねえちゃん」
「この人数相手に、逃げれると思ってるワケ?」
団長の視線の先には、1人の女を壁際に追い込む形で群がる3人の男が居た。
(あの女のオーラは……)
女のオーラに何かを感じ取った団長だったが、思考に耽っていると先程まで息巻いていた男の1人が自身に向かって飛んできた。
危うくぶつかりそうになったのを既の所で避けると、それまで囲まれていた女の足元には蹲った男が2人居た。
「えっ……ちょっ、おにいさん大丈夫?怪我してない??」
女は団長に気がつくと、慌てて駆け寄ってきた。
「あ、あぁ。大丈夫だ」
「良かった~……巻き込んでたらツレにドヤされるところだったよ……」
ヘタリとその場に座り込んだ女を見て、団長は先ほど感じたオーラは勘違いだったのかと思い始めた。
「ツレって、友達?」
「ん?友達ってか、悪友かなぁ」
そう言いながら立ち上がろうとしている女に手を差し出す団長。
「ありがと。巻き込みかけて本当にごめん!」
勢いよく頭を下げて謝る女からは、やはりあの独特のオーラは感じられなかった。
「あ、そうだ!おにいさん時間ある?」
「え?」
「お詫びにお茶奢らせてくれないかなぁって思って」
「クククッ。それって、逆ナン?」
「ちょっ……違う!違うからね!?」
慌てふためく女に、団長は声を殺すことなく笑った。