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『逃がしはせんぞ、シルフ共よ』
【影の王】がシルフ達に向かって手を翳すと、そこから大きな鎌が現れた。
【影の王】はその鎌を手に取ると、大きく薙ぎ払った。
「「「嫌ぁー!!!」」」
突風が吹き、目を瞑ったクロロ。
やがて風も収まり、クロロが目を開けた視線の先には、先ほどまでそこに居たはずのシルフ達の姿はなかった。
「おやおや……【影の王】の名は伊達ではない、という事ですかねェ。これは、どうしましょうかねェ」
自身が喚び出した配下のシルフ達が一瞬で消え去ったというにも関わらず、ハヤテは楽しそうに笑っていた。
『貴様は――主の配下故、消すわけにはいかぬか……さて、どうしたものか…………おや?』
【影の王】がハヤテを見据えながら思案していたかと思った次の瞬間、彼は眉間に皺を寄せた。
『主が怒っているようだな……さて、我は還るとしよう』
闇色の影がナマエの身体を包み込んだあと、漸く聞き慣れた声が辺りに響き渡った。
「っだぁー!!なんだよ!?何が起こったの??」
「お嬢様?!」
ミヤビはナマエの本来の姿を確認すると、考えるよりも先に駆けだした。
「大丈夫ですか?お身体は……ご無事ですか??」
「ミヤ……ビ?」
「お前の意思に呼応して、【指環】が発動したんだ」
「カゲロウ……?」
「……【影の王】」
「ク……ロロ?【影の王】って……何のこと??」
「くくく……さすがのお嬢様でも、【ニーベルングの指環】の本当の正体は知らなかったようですねェ」
「【指環】の……正体?」
ポカンと呆気に取られているナマエを見ながら、ハヤテはさも可笑しそうに笑い続けた。
「これはこれは……笑う事しか出来ませんねェ。皆さんもそう思うでしょう?【Fate】の象徴である者が――」
「ハヤテ……貴様ッ!!」
「本当の事でしょう?カゲロウ。お嬢様は、肝心の“真実”を知らないのですからァ」
「“真実”……?どういう事なの?ハヤテ」
「【指環】は自我を持っているのですよォ。【エラトー】と同じく、お嬢様の身に憑依することだって可能だってことですよォ」
指環が憑依する。そんな話をいきなりされて、ナマエは戸惑った。ただでさえ【エラトー】という厄介な問題を抱えているにも関わらず、今度は【悪魔の指環】だ。
問題がどんどんと増えていく。
「ちょっ……ちょっと待って!【指環】が私の体を乗っ取るって事なの?!」
「正確には違いますわ、お嬢様。お嬢様の“想い”が強ければ強いほど、【指環】はその“力”を発揮する。つまりは――」
「原理は【エラトー】と同じですよォ。まァ、【エラトー】と違うのは……」
「ふむ……ナマエの意思とは無関係に、その身に危険が及ぶと判断したら憑依する――という事か?」
「さすがはクロロ様。頭の回転がお早い事で」
「簡単に纏めると、【エラトー】は召喚する必要がある。しかし、【悪魔の指環】はナマエの何らかの想いが強くなれば……勝手に現れる、と言ったところか」
「厄介なモノを継承してしまったな、ナマエ」
頭を抱えながら、カゲロウはナマエの肩を叩いた。
当の本人であるナマエは、話の展開について行けずにポカンとしているしかなかった。
「さァて……【指環】に邪魔されるとは思っていませんでしたが…………どうしますかァ?お嬢様」
「どうするって……」
「両方使いこなせるようになればいいんじゃないか?」
「本気で言っているのか?」
渋い顔をしているカゲロウに対し、クロロは淡々と続けた。
「ナマエが“歌う”ことで【エラトー】の“力”を得ているのであれば、歌うしかない。別に、“声に出して歌う”ことが条件ではない、というのがオレの見解だ。そして……【指環】については、ナマエが“何”を“どうしたいのか”という想いが重要なんだろう」
【影の王】がシルフ達に向かって手を翳すと、そこから大きな鎌が現れた。
【影の王】はその鎌を手に取ると、大きく薙ぎ払った。
「「「嫌ぁー!!!」」」
突風が吹き、目を瞑ったクロロ。
やがて風も収まり、クロロが目を開けた視線の先には、先ほどまでそこに居たはずのシルフ達の姿はなかった。
「おやおや……【影の王】の名は伊達ではない、という事ですかねェ。これは、どうしましょうかねェ」
自身が喚び出した配下のシルフ達が一瞬で消え去ったというにも関わらず、ハヤテは楽しそうに笑っていた。
『貴様は――主の配下故、消すわけにはいかぬか……さて、どうしたものか…………おや?』
【影の王】がハヤテを見据えながら思案していたかと思った次の瞬間、彼は眉間に皺を寄せた。
『主が怒っているようだな……さて、我は還るとしよう』
闇色の影がナマエの身体を包み込んだあと、漸く聞き慣れた声が辺りに響き渡った。
「っだぁー!!なんだよ!?何が起こったの??」
「お嬢様?!」
ミヤビはナマエの本来の姿を確認すると、考えるよりも先に駆けだした。
「大丈夫ですか?お身体は……ご無事ですか??」
「ミヤ……ビ?」
「お前の意思に呼応して、【指環】が発動したんだ」
「カゲロウ……?」
「……【影の王】」
「ク……ロロ?【影の王】って……何のこと??」
「くくく……さすがのお嬢様でも、【ニーベルングの指環】の本当の正体は知らなかったようですねェ」
「【指環】の……正体?」
ポカンと呆気に取られているナマエを見ながら、ハヤテはさも可笑しそうに笑い続けた。
「これはこれは……笑う事しか出来ませんねェ。皆さんもそう思うでしょう?【Fate】の象徴である者が――」
「ハヤテ……貴様ッ!!」
「本当の事でしょう?カゲロウ。お嬢様は、肝心の“真実”を知らないのですからァ」
「“真実”……?どういう事なの?ハヤテ」
「【指環】は自我を持っているのですよォ。【エラトー】と同じく、お嬢様の身に憑依することだって可能だってことですよォ」
指環が憑依する。そんな話をいきなりされて、ナマエは戸惑った。ただでさえ【エラトー】という厄介な問題を抱えているにも関わらず、今度は【悪魔の指環】だ。
問題がどんどんと増えていく。
「ちょっ……ちょっと待って!【指環】が私の体を乗っ取るって事なの?!」
「正確には違いますわ、お嬢様。お嬢様の“想い”が強ければ強いほど、【指環】はその“力”を発揮する。つまりは――」
「原理は【エラトー】と同じですよォ。まァ、【エラトー】と違うのは……」
「ふむ……ナマエの意思とは無関係に、その身に危険が及ぶと判断したら憑依する――という事か?」
「さすがはクロロ様。頭の回転がお早い事で」
「簡単に纏めると、【エラトー】は召喚する必要がある。しかし、【悪魔の指環】はナマエの何らかの想いが強くなれば……勝手に現れる、と言ったところか」
「厄介なモノを継承してしまったな、ナマエ」
頭を抱えながら、カゲロウはナマエの肩を叩いた。
当の本人であるナマエは、話の展開について行けずにポカンとしているしかなかった。
「さァて……【指環】に邪魔されるとは思っていませんでしたが…………どうしますかァ?お嬢様」
「どうするって……」
「両方使いこなせるようになればいいんじゃないか?」
「本気で言っているのか?」
渋い顔をしているカゲロウに対し、クロロは淡々と続けた。
「ナマエが“歌う”ことで【エラトー】の“力”を得ているのであれば、歌うしかない。別に、“声に出して歌う”ことが条件ではない、というのがオレの見解だ。そして……【指環】については、ナマエが“何”を“どうしたいのか”という想いが重要なんだろう」