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「カゲロウ……もう、止めよう?これ以上続けても…………カゲロウが傷つく姿はもう見たくないよ」
ナマエが苦し気に声を絞り出すと、カゲロウは顔を歪めて視線を落とした。
「ナマエ……分かった…………お前を苦しめる位なら――吾輩の負けでいい。悔しいが……吾輩のプライドなど……」
カゲロウが負けを認めると、クロロはゆっくりとベンズナイフを離した。
「これで決まりだな。“戦争”にはオレも一緒に行く」
「クロロ様は“人間”でありながら、四大精霊の加護を受けていらっしゃいます。ただの【能力者】であれば、カゲロウが負けることはなかったでしょう。しかしながら、優れた【能力者】である上に四大精霊の恩恵が与えられている。いくらカゲロウが“精霊”であれど、四大精霊の“力”には勝てないという事ですわ」
ニッコリと微笑むミヤビの言葉に、カゲロウはただただ項垂れた。
クロロがナマエと共に行くことが決まり、後は各地に散らばっているであろう“魔女”の居場所を“妖精”達が突き止めるのを待つばかりの生活へと変わった。
「こんなに平和なのに、本当に“戦争”が始まるのかなぁ………」
ナマエがポツリと呟くと、ハヤテはさも可笑しそうに笑った。
「東の森にいた“魔女”が死んだことが、既に他の“魔女”達にも知れ渡っていると思いますからねェ……今はどちらが先に動くかの根競べ状態、といったところでしょうかねェ」
「お互い、様子見をしているわけだな」
「そんなに暇なのでしたら……お嬢様、少しでも長く、より強力に【エラトー】の“力”を引き出せるよう、修行をなさってはいかがですか?」
「……修行?」
「えぇ。お嬢様はまだ自力で呼び出すことが苦手と見えます。いざという時に、瞬時にその“力”を引き出せなくてはお話になりませんわ」
ニコニコと笑みを湛えながら、ミヤビは続けた。
「はっきり申し上げますと、今のお嬢様には複数の“魔女”と戦う“力”が足りませんわ。あくまで推測でございますが……本気になったハヤテにも勝てないでしょう。“魔女”達がこちらへ攻めてくるとしたら――次のレッドムーンの時と思われますわ」
「レッドムーンは“魔女”の“力”が最大限引き出せる夜ですからねェ……ワタシがお嬢様を殺そうと思ったら…………完膚なきまでに叩きのめせる様、自分に都合の良い時を選びますねェ」
「…………次のレッドムーンはいつなの?」
「約1か月後、だな」
「1か月か……まぁ、ナマエならやれるだろう。そうだろ?」
ミヤビ達の言葉に、クロロは確信を得たようにナマエに問いかけた。
そんな会話を聞きながら、ナマエは考えた。今まで自分の意思で【エラトー】を呼び起こしたことがない。果たして1か月という短い期間で、自分に成し遂げることが出来るのだろうか?
思考を巡らせながら、ナマエは覚悟を決めて頷いた。
「さて……お嬢様のご覚悟が決まったのはいいのですが…………どうしましょうかねェ」
「さすがに吾輩も、【エラトー】を自在に操る術は知らんからな」
ハヤテとカゲロウがどうしたものかと悩んでいると、ミヤビから1つの課題が出された。
「お嬢様。暫くの間、お歌いになることをお止めいただきます」
「は?なんで??」
「お嬢様は歌うことで【エラトー】の“力”を駆使しております。しかし――“魔女”達との戦闘中にはそんな事をしている余裕などございません。ですので、歌うのではなく、純粋な【念能力】と眠っている素質のみで勝負しなければなりません。私の記憶が間違っていなければ、奥様は“襲撃”を受けた際……一度も歌っておりませんでしたわ」
「じゃあ、どうしろっていうの?!私は歌わなきゃ――」
「まずはその概念をお捨てくださいませ」
ナマエが文句を言っているにも関わらず、ミヤビはその言葉を遮って続けた。
「これはあくまでも私個人の意見ではございますが……今の状態では、お嬢様に勝ち目はございませんわ」
「なっ!?そこまで言う?!」
「四大精霊の“力”も操り切れなければ、ただのお飾りに過ぎません。お嬢様にはこれから、その“力”の使い方と【白き魔女】としての“力”を自在に操れるようになっていただかなければならないのです」
ナマエが苦し気に声を絞り出すと、カゲロウは顔を歪めて視線を落とした。
「ナマエ……分かった…………お前を苦しめる位なら――吾輩の負けでいい。悔しいが……吾輩のプライドなど……」
カゲロウが負けを認めると、クロロはゆっくりとベンズナイフを離した。
「これで決まりだな。“戦争”にはオレも一緒に行く」
「クロロ様は“人間”でありながら、四大精霊の加護を受けていらっしゃいます。ただの【能力者】であれば、カゲロウが負けることはなかったでしょう。しかしながら、優れた【能力者】である上に四大精霊の恩恵が与えられている。いくらカゲロウが“精霊”であれど、四大精霊の“力”には勝てないという事ですわ」
ニッコリと微笑むミヤビの言葉に、カゲロウはただただ項垂れた。
クロロがナマエと共に行くことが決まり、後は各地に散らばっているであろう“魔女”の居場所を“妖精”達が突き止めるのを待つばかりの生活へと変わった。
「こんなに平和なのに、本当に“戦争”が始まるのかなぁ………」
ナマエがポツリと呟くと、ハヤテはさも可笑しそうに笑った。
「東の森にいた“魔女”が死んだことが、既に他の“魔女”達にも知れ渡っていると思いますからねェ……今はどちらが先に動くかの根競べ状態、といったところでしょうかねェ」
「お互い、様子見をしているわけだな」
「そんなに暇なのでしたら……お嬢様、少しでも長く、より強力に【エラトー】の“力”を引き出せるよう、修行をなさってはいかがですか?」
「……修行?」
「えぇ。お嬢様はまだ自力で呼び出すことが苦手と見えます。いざという時に、瞬時にその“力”を引き出せなくてはお話になりませんわ」
ニコニコと笑みを湛えながら、ミヤビは続けた。
「はっきり申し上げますと、今のお嬢様には複数の“魔女”と戦う“力”が足りませんわ。あくまで推測でございますが……本気になったハヤテにも勝てないでしょう。“魔女”達がこちらへ攻めてくるとしたら――次のレッドムーンの時と思われますわ」
「レッドムーンは“魔女”の“力”が最大限引き出せる夜ですからねェ……ワタシがお嬢様を殺そうと思ったら…………完膚なきまでに叩きのめせる様、自分に都合の良い時を選びますねェ」
「…………次のレッドムーンはいつなの?」
「約1か月後、だな」
「1か月か……まぁ、ナマエならやれるだろう。そうだろ?」
ミヤビ達の言葉に、クロロは確信を得たようにナマエに問いかけた。
そんな会話を聞きながら、ナマエは考えた。今まで自分の意思で【エラトー】を呼び起こしたことがない。果たして1か月という短い期間で、自分に成し遂げることが出来るのだろうか?
思考を巡らせながら、ナマエは覚悟を決めて頷いた。
「さて……お嬢様のご覚悟が決まったのはいいのですが…………どうしましょうかねェ」
「さすがに吾輩も、【エラトー】を自在に操る術は知らんからな」
ハヤテとカゲロウがどうしたものかと悩んでいると、ミヤビから1つの課題が出された。
「お嬢様。暫くの間、お歌いになることをお止めいただきます」
「は?なんで??」
「お嬢様は歌うことで【エラトー】の“力”を駆使しております。しかし――“魔女”達との戦闘中にはそんな事をしている余裕などございません。ですので、歌うのではなく、純粋な【念能力】と眠っている素質のみで勝負しなければなりません。私の記憶が間違っていなければ、奥様は“襲撃”を受けた際……一度も歌っておりませんでしたわ」
「じゃあ、どうしろっていうの?!私は歌わなきゃ――」
「まずはその概念をお捨てくださいませ」
ナマエが文句を言っているにも関わらず、ミヤビはその言葉を遮って続けた。
「これはあくまでも私個人の意見ではございますが……今の状態では、お嬢様に勝ち目はございませんわ」
「なっ!?そこまで言う?!」
「四大精霊の“力”も操り切れなければ、ただのお飾りに過ぎません。お嬢様にはこれから、その“力”の使い方と【白き魔女】としての“力”を自在に操れるようになっていただかなければならないのです」