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ドラゴンとなったハヤテの背に乗りながら、ナマエは思考を巡らせていた。
四大精霊の“力”を借りることに成功はした。だが、これから先のことなど何も考えてはいなかったのだ。
「さっきから難しい顔をしてどうしたんだ?」
「へ?」
「ココ、皺が寄ってる」
そう言いながら、クロロはナマエの眉間を指差した。
「ん?あぁ……ちょっと考え事を、ね」
「考え事って――何?オレに言えないような事?」
「そういう訳じゃ無いんだけど……」
「じゃあ、教えてよ」
「大方、これから先の事でも考えていたんでしょう?お嬢様ァ」
ナマエを問い詰めようとしているクロロの声に答えたのは、クスクスと笑うハヤテだった。
「そんな事、一々考えてたら埒が明きませんよォ?」
「うっさいな!ハヤテに言われなくても解ってるよ!!」
「?」
「解っているのでしたら、そんなに考える必要は無いでしょう?答えは1つしかないんですからねェ」
ナマエとハヤテの会話について行けないクロロは、2人の会話に疑問符を浮かべる事しか出来なかった。
そんな時間がどの位続いただろうか。やがてナマエはクロロに向き合って口を開いた。
「あのさ……」
「ん?」
「これ以上アンタを――クロロを連れて行けない」
「……理由は?」
「……」
「オレが納得出来る理由を言ってくれ。それが出来ないのであれば――オレはお前が何と言おうと付いて行く」
「……コレは【Fate(フェイト)】と“魔女”達との戦いだ。無関係な“人間”を巻き込む事は出来ない」
「フッ……くだらんな」
「くだらないと思われてもいい。だけど――」
「だけど、なんだ?ここまで来たんだ。オレはもう“無関係”じゃない。お前を“護る”ための“力”も与えられたんだ。いい加減、少しはオレを信用してくれてもいいんじゃないか?」
真っ直ぐにナマエの目を見据えながら、クロロは己の考えを口にする事を止めなかった。
「オレはお前を……ナマエを護りたい。例えそれで死ぬ事になろうが、オレは後悔しない。いや……ナマエを独りで行かせる事の方が後悔する」
「でもっ――」
ナマエが言葉を続けようとするも、それは叶わなかった。
「惚れた女を……危険だと判っていて独りで行かせる程、オレは弱くない」
直ぐに離れたソレは、今までと違って嫌な感じはしなかった。むしろ、もっとそうしていたいとさえ思えていた。
「これはこれは……お嬢様の負けですねェ」
ナマエ達が“家”に帰り着いた頃には、辺りは白み始めていた。
そんな時間だというのに、ミヤビやカゲロウ達は外まで出迎えに来てくれた。
「おかえりなさいませ、お嬢様」
「その様子だと……クラーケンの協力を得られたようだな」
「あぁ、なんとかね」
わしゃわしゃと頭を撫でるカゲロウに、ナマエははにかんだ。
その様子を見たクロロは、面白くないという思いを隠さずに顔を顰めていた。
「おやおや……随分と物騒なオーラを放ちますねェ」
「フンッ……お前には解らないだろうな。惚れた女が自分以外にあんなに無邪気な笑顔を向けているんだ。面白いワケがないだろ?」
「解りますよォ?これでも、お嬢様の事は本気でしたからねェ……」
目を細めながら、人型に戻ったハヤテはナマエを愛おしそうに見つめた。
「本気だった、だと?」
「えェ……少なくとも、ワタシは本気でしたよォ――昔からね。ですが……アナタはどうなんでしょうか?ただのお遊びにしては悪趣味としか言いようがない。一度“力”を与えておきながらこう言うのも可笑しな話ですがね、お嬢様の邪魔になるようであれば――ワタシはアナタを本気で排除しなければならない。それが先代との“約束”でもありますからね」
急に真面目な口調になったハヤテに対し、クロロは光を宿さない瞳で見つめ返した。
四大精霊の“力”を借りることに成功はした。だが、これから先のことなど何も考えてはいなかったのだ。
「さっきから難しい顔をしてどうしたんだ?」
「へ?」
「ココ、皺が寄ってる」
そう言いながら、クロロはナマエの眉間を指差した。
「ん?あぁ……ちょっと考え事を、ね」
「考え事って――何?オレに言えないような事?」
「そういう訳じゃ無いんだけど……」
「じゃあ、教えてよ」
「大方、これから先の事でも考えていたんでしょう?お嬢様ァ」
ナマエを問い詰めようとしているクロロの声に答えたのは、クスクスと笑うハヤテだった。
「そんな事、一々考えてたら埒が明きませんよォ?」
「うっさいな!ハヤテに言われなくても解ってるよ!!」
「?」
「解っているのでしたら、そんなに考える必要は無いでしょう?答えは1つしかないんですからねェ」
ナマエとハヤテの会話について行けないクロロは、2人の会話に疑問符を浮かべる事しか出来なかった。
そんな時間がどの位続いただろうか。やがてナマエはクロロに向き合って口を開いた。
「あのさ……」
「ん?」
「これ以上アンタを――クロロを連れて行けない」
「……理由は?」
「……」
「オレが納得出来る理由を言ってくれ。それが出来ないのであれば――オレはお前が何と言おうと付いて行く」
「……コレは【Fate(フェイト)】と“魔女”達との戦いだ。無関係な“人間”を巻き込む事は出来ない」
「フッ……くだらんな」
「くだらないと思われてもいい。だけど――」
「だけど、なんだ?ここまで来たんだ。オレはもう“無関係”じゃない。お前を“護る”ための“力”も与えられたんだ。いい加減、少しはオレを信用してくれてもいいんじゃないか?」
真っ直ぐにナマエの目を見据えながら、クロロは己の考えを口にする事を止めなかった。
「オレはお前を……ナマエを護りたい。例えそれで死ぬ事になろうが、オレは後悔しない。いや……ナマエを独りで行かせる事の方が後悔する」
「でもっ――」
ナマエが言葉を続けようとするも、それは叶わなかった。
「惚れた女を……危険だと判っていて独りで行かせる程、オレは弱くない」
直ぐに離れたソレは、今までと違って嫌な感じはしなかった。むしろ、もっとそうしていたいとさえ思えていた。
「これはこれは……お嬢様の負けですねェ」
ナマエ達が“家”に帰り着いた頃には、辺りは白み始めていた。
そんな時間だというのに、ミヤビやカゲロウ達は外まで出迎えに来てくれた。
「おかえりなさいませ、お嬢様」
「その様子だと……クラーケンの協力を得られたようだな」
「あぁ、なんとかね」
わしゃわしゃと頭を撫でるカゲロウに、ナマエははにかんだ。
その様子を見たクロロは、面白くないという思いを隠さずに顔を顰めていた。
「おやおや……随分と物騒なオーラを放ちますねェ」
「フンッ……お前には解らないだろうな。惚れた女が自分以外にあんなに無邪気な笑顔を向けているんだ。面白いワケがないだろ?」
「解りますよォ?これでも、お嬢様の事は本気でしたからねェ……」
目を細めながら、人型に戻ったハヤテはナマエを愛おしそうに見つめた。
「本気だった、だと?」
「えェ……少なくとも、ワタシは本気でしたよォ――昔からね。ですが……アナタはどうなんでしょうか?ただのお遊びにしては悪趣味としか言いようがない。一度“力”を与えておきながらこう言うのも可笑しな話ですがね、お嬢様の邪魔になるようであれば――ワタシはアナタを本気で排除しなければならない。それが先代との“約束”でもありますからね」
急に真面目な口調になったハヤテに対し、クロロは光を宿さない瞳で見つめ返した。