精霊
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周りの気配に細心の注意を払いながら、ナマエは一歩一歩確実に前へと進んで行った。
「なーんか嫌な気配に満ちてる感じだなぁ」
「人の気配じゃないな、コレは……」
道なりに進んで行くと、やがて開けた場所に出た。
そこには大きな滝があり、周りは湖になっていた。
「……よく来たな」
轟々と流れ落ちる水の音をかき消すように、凛とした声が響き渡った。
「姿を現したらどうなの?クラーケン!!」
ナマエがその声の主の名を呼ぶと、湖が渦を巻きだし、その中心から1人の青年が現れた。
「まさかこんな小娘が次世代の【Fate】を名乗っているとはな……嘆かわしい事よ」
青年は透き通るような白い肌に、淡いブルーの瞳を持っていた。
水の上に浮かび立ったまま、ナマエの姿を舐めるように見る青年。
「あんたがクラーケンなの?」
「いかにも」
無表情で細めた目からは、何の感情も読み取れない。
お互い無言になりながらも、視線だけは相手から外すことはしなかった。
どれだけそうしていたのか、滝の音だけが響き渡る空間の中で先にしびれを切らしたのはクロロだった。
「おい」
「「……」」
「あんたがクラーケンだという証拠はあるのか?」
「……煩い人間だな」
そこで初めてクラーケンは視線をナマエからクロロに移し、口を開いた。
「俺は今、この小娘を見定めているんだ。部外者は黙っていろ」
「オレは部外者じゃない」
「【Fate】ではなかろう?ならば、貴様は部外者だ。俺が見極めるのは、【Fate】としての――マスターとしての資質だ」
「アンタ、クロロに手を出したら許さないよ?そいつは……私の獲物だ!」
ユラリ、とナマエの周りを微かな熱気が包んだ。
「ほぉ、ホノカの“力”か……ウンディーネ達が噂していたのは真だったという事か。面白い。実に面白いぞ、小娘」
ナマエを包み込む熱気の量が増え、次第にそれは炎の形を成していった。
「その様子だと、どうやら小娘に加担していないのは俺達【水】のみのようだな。さぁて、どうしてくれようか」
ペロリと自身の唇を一舐めすると、クラーケンは再度眼を細めた。
「ナマエ退け!ソイツはオレが殺る!!」
馬鹿にしたような態度のクラーケンに痺れを切らしたクロロは、ナマエを下がらせようとした。
「いや、退くのはクロロの方だ。こいつは殺すんじゃない。力でねじ伏せても意味がない……認めさせなきゃ意味がないんだ!!!」
言葉と共に、ナマエは動いた。その手には炎で型どられた大鎌が握られている。
ナマエが軽く大鎌を振るうと、その軌道上に炎が舞う。
「さて……私に“力”を貸してくれてる皆の為にも本気で行かせてもらう!--【愛の葬列(ヴァルキリー)】」
大鎌を持つ手とは逆の手をクラーケンに向けて翳すと、魔法陣が光り輝きながら出現し、そこから8人の女が現れた。
「【起死回生(ユズレナイ想ヒ)】!!」
ナマエが叫ぶと、女達は白銀に輝く甲冑を身に纏いクラーケンに各々の武器を向けた。
「くくくっ」
傍から見るとクラーケンが追い込まれているように思えるであろう光景。
しかしながら、当のクラーケンはこの状況を楽しんでいるようにしか見えなかった。
「ソレが貴様の【能力】か?」
より一層眼を細めたクラーケンが軽く手を振ると、湖の水が龍の形を成してヴァルキリー達に向かって襲い掛かった。
「「「……ッ」」」
その水龍を跳び避けるものの、水龍は意思を持っているかの如くヴァルキリー達目がけて襲い掛かる。
「これでも喰らいやがれッ!」
そんな水龍を、ナマエはホノカの“力”で具現化した大鎌で切り付ける。
すると水龍はものの見事に蒸発し、消え去った。
「ふむ……【火】の“力”は使いこなせるようだな。ならば――コレはどうかな?」
クラーケンは湖面から現れたトリアイナ(三叉槍)を手にすると、横薙ぎに振った。
ナマエ達とはかなりの距離があるにも関わらず、クラーケンの振るったトリアイナの振動が衝撃波となって2人を襲った。
「なっ――避けろクロロ!」
「ッ!?」
ナマエの声に反応し、ギリギリで避けたクロロの頬には一筋の血が流れ出ていた。
「なんなんだ?!今のは……」
「敵意有りって所かな?でも……殺意は感じない。明らかに手加減されてる……ムッカつくー!」
クラーケンの真意を計り知れない状態でも、ナマエには苛つきが表れ始めていた。
「ムカつく、か……ならば貴様こそ本気を出すのだな」
「ったく……だったらお望みどおり本気で行くよっ!」
「なーんか嫌な気配に満ちてる感じだなぁ」
「人の気配じゃないな、コレは……」
道なりに進んで行くと、やがて開けた場所に出た。
そこには大きな滝があり、周りは湖になっていた。
「……よく来たな」
轟々と流れ落ちる水の音をかき消すように、凛とした声が響き渡った。
「姿を現したらどうなの?クラーケン!!」
ナマエがその声の主の名を呼ぶと、湖が渦を巻きだし、その中心から1人の青年が現れた。
「まさかこんな小娘が次世代の【Fate】を名乗っているとはな……嘆かわしい事よ」
青年は透き通るような白い肌に、淡いブルーの瞳を持っていた。
水の上に浮かび立ったまま、ナマエの姿を舐めるように見る青年。
「あんたがクラーケンなの?」
「いかにも」
無表情で細めた目からは、何の感情も読み取れない。
お互い無言になりながらも、視線だけは相手から外すことはしなかった。
どれだけそうしていたのか、滝の音だけが響き渡る空間の中で先にしびれを切らしたのはクロロだった。
「おい」
「「……」」
「あんたがクラーケンだという証拠はあるのか?」
「……煩い人間だな」
そこで初めてクラーケンは視線をナマエからクロロに移し、口を開いた。
「俺は今、この小娘を見定めているんだ。部外者は黙っていろ」
「オレは部外者じゃない」
「【Fate】ではなかろう?ならば、貴様は部外者だ。俺が見極めるのは、【Fate】としての――マスターとしての資質だ」
「アンタ、クロロに手を出したら許さないよ?そいつは……私の獲物だ!」
ユラリ、とナマエの周りを微かな熱気が包んだ。
「ほぉ、ホノカの“力”か……ウンディーネ達が噂していたのは真だったという事か。面白い。実に面白いぞ、小娘」
ナマエを包み込む熱気の量が増え、次第にそれは炎の形を成していった。
「その様子だと、どうやら小娘に加担していないのは俺達【水】のみのようだな。さぁて、どうしてくれようか」
ペロリと自身の唇を一舐めすると、クラーケンは再度眼を細めた。
「ナマエ退け!ソイツはオレが殺る!!」
馬鹿にしたような態度のクラーケンに痺れを切らしたクロロは、ナマエを下がらせようとした。
「いや、退くのはクロロの方だ。こいつは殺すんじゃない。力でねじ伏せても意味がない……認めさせなきゃ意味がないんだ!!!」
言葉と共に、ナマエは動いた。その手には炎で型どられた大鎌が握られている。
ナマエが軽く大鎌を振るうと、その軌道上に炎が舞う。
「さて……私に“力”を貸してくれてる皆の為にも本気で行かせてもらう!--【愛の葬列(ヴァルキリー)】」
大鎌を持つ手とは逆の手をクラーケンに向けて翳すと、魔法陣が光り輝きながら出現し、そこから8人の女が現れた。
「【起死回生(ユズレナイ想ヒ)】!!」
ナマエが叫ぶと、女達は白銀に輝く甲冑を身に纏いクラーケンに各々の武器を向けた。
「くくくっ」
傍から見るとクラーケンが追い込まれているように思えるであろう光景。
しかしながら、当のクラーケンはこの状況を楽しんでいるようにしか見えなかった。
「ソレが貴様の【能力】か?」
より一層眼を細めたクラーケンが軽く手を振ると、湖の水が龍の形を成してヴァルキリー達に向かって襲い掛かった。
「「「……ッ」」」
その水龍を跳び避けるものの、水龍は意思を持っているかの如くヴァルキリー達目がけて襲い掛かる。
「これでも喰らいやがれッ!」
そんな水龍を、ナマエはホノカの“力”で具現化した大鎌で切り付ける。
すると水龍はものの見事に蒸発し、消え去った。
「ふむ……【火】の“力”は使いこなせるようだな。ならば――コレはどうかな?」
クラーケンは湖面から現れたトリアイナ(三叉槍)を手にすると、横薙ぎに振った。
ナマエ達とはかなりの距離があるにも関わらず、クラーケンの振るったトリアイナの振動が衝撃波となって2人を襲った。
「なっ――避けろクロロ!」
「ッ!?」
ナマエの声に反応し、ギリギリで避けたクロロの頬には一筋の血が流れ出ていた。
「なんなんだ?!今のは……」
「敵意有りって所かな?でも……殺意は感じない。明らかに手加減されてる……ムッカつくー!」
クラーケンの真意を計り知れない状態でも、ナマエには苛つきが表れ始めていた。
「ムカつく、か……ならば貴様こそ本気を出すのだな」
「ったく……だったらお望みどおり本気で行くよっ!」