精霊
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火山の頂上へ近づくにつれ、辺りは熱気に包まれていく。
そんな山中のあちこちには、ボコボコと音を立てながら煙を出す池が存在している。
「……すごい熱気だな」
「ここは大陸有数の火山大国の中でも1,2位を争う有名な活火山ですからね」
「う~……カゲロウの“力”で何とかならないの?」
「おやおや、この程度で根を上げるんですかァ?」
ニタニタ笑うハヤテの小馬鹿にした態度に、我慢の限界に達していたナマエは自身の中で何かがプツンと音を立てて切れた。
「ハーヤーテー!」
「まぁまぁ、落ち着いてくださいご主人様。ジン様も悪気があって言った訳では……」
「いや、ハヤテの言葉は半分以上本気だ」
カゲロウの言葉に汗だくで登ってきていた足を止め、ナマエはハヤテに敵意を剝き出しにして向き合った。
「もう一度言ってみろ。誰が根を上げたって?」
「誰って……お嬢様しかいないじゃないですかァ」
クスリと笑みを浮かべながらも、ハヤテは臆することなく続けた。
「この程度で根を上げるのであれば、アナタにワタシ達を従える力量がないという証ですよォ」
「っんだとー!?」
「あらあら……随分騒がしいと思ったら噂のお嬢様ご一行のご到着のようですわね」
声と共に眼前の池から炎が噴き出し、その炎はだんだんと人の形を成していった。
「貴女がそこの“妖精”達が言っていた新たな守護者ですわね?」
「そうだけど……貴女は?」
「申し遅れました。ワタクシはホノカと申します。“人間”にはフェニックスと呼ばれている存在にございます。貴女様のお話はそこの2人に伺っておりますわ」
ホノカと名乗った炎を纏った女は、深紅の瞳を細めてナマエを見つめた。
「成程。確かに先代の血を引いておられるようですわね。ですが――」
細めていた瞳を見開き、ホノカはナマエに向かって手を翳した。
翳されたホノカの手からは炎が渦巻き、ナマエに向かって襲い掛かった。
「ちょっ……えぇー!?」
寸でのところで襲い掛かる炎をから身体を守ろうとした時だった。利き手に嵌まっているイサクの腕輪が光り、ナマエの身体を包み込んだ。
「あら……その腕輪は…………そう――イサク殿は貴女様にご協力される事にしたのですね。わかりました……あのイサク殿がお認めになられたというのであれば、ワタクシも貴女様に忠誠を誓いましょう」
ホノカはその身に纏った炎を仕舞うと、池の上からするりと降り立ちナマエに向かって膝をついた。
「貴女様を試すような真似をし申し訳ございません、ナマエ様。これよりワタクシ達【火】属性は、貴女様の力となりましょう」
そう言うと、ホノカはナマエの顔に手を翳した。
また炎が向かってくるのかと目を瞑っていると、耳元が微かに温かくなった。
「ソレはワタクシの化身。【火】を統べる者の証でございますわ」
ナマエが確かめるように耳元を触ると、そこには今までなかったピアスがあった。
「ソレはどんな【水】にもかき消すことが出来ない意志の表れ。もちろん、まだ会っていないクラーケン殿の【水】にも負けませんわ」
「その色……ルビーか?」
「えぇ。しかし、ただのルビーではございませんわ。ナマエ様、お命じくださいませ――貴女様のご命令に、ワタクシ達は全身全霊でお応え致しましょう」
「……私は誰にも“命令”する気はないよ」
「どういう意味でございましょう?」
ナマエの言葉の真意を汲み取れないといった顔をしながら、ホノカは首を傾げた。
「そのままの意味だよ。私には誰かに“命令”する気もなければ、そんな資格もない。何も知らない、名ばかりの【Fate】だからね」
「それは違うぞ、ナマエ!?」
そんな山中のあちこちには、ボコボコと音を立てながら煙を出す池が存在している。
「……すごい熱気だな」
「ここは大陸有数の火山大国の中でも1,2位を争う有名な活火山ですからね」
「う~……カゲロウの“力”で何とかならないの?」
「おやおや、この程度で根を上げるんですかァ?」
ニタニタ笑うハヤテの小馬鹿にした態度に、我慢の限界に達していたナマエは自身の中で何かがプツンと音を立てて切れた。
「ハーヤーテー!」
「まぁまぁ、落ち着いてくださいご主人様。ジン様も悪気があって言った訳では……」
「いや、ハヤテの言葉は半分以上本気だ」
カゲロウの言葉に汗だくで登ってきていた足を止め、ナマエはハヤテに敵意を剝き出しにして向き合った。
「もう一度言ってみろ。誰が根を上げたって?」
「誰って……お嬢様しかいないじゃないですかァ」
クスリと笑みを浮かべながらも、ハヤテは臆することなく続けた。
「この程度で根を上げるのであれば、アナタにワタシ達を従える力量がないという証ですよォ」
「っんだとー!?」
「あらあら……随分騒がしいと思ったら噂のお嬢様ご一行のご到着のようですわね」
声と共に眼前の池から炎が噴き出し、その炎はだんだんと人の形を成していった。
「貴女がそこの“妖精”達が言っていた新たな守護者ですわね?」
「そうだけど……貴女は?」
「申し遅れました。ワタクシはホノカと申します。“人間”にはフェニックスと呼ばれている存在にございます。貴女様のお話はそこの2人に伺っておりますわ」
ホノカと名乗った炎を纏った女は、深紅の瞳を細めてナマエを見つめた。
「成程。確かに先代の血を引いておられるようですわね。ですが――」
細めていた瞳を見開き、ホノカはナマエに向かって手を翳した。
翳されたホノカの手からは炎が渦巻き、ナマエに向かって襲い掛かった。
「ちょっ……えぇー!?」
寸でのところで襲い掛かる炎をから身体を守ろうとした時だった。利き手に嵌まっているイサクの腕輪が光り、ナマエの身体を包み込んだ。
「あら……その腕輪は…………そう――イサク殿は貴女様にご協力される事にしたのですね。わかりました……あのイサク殿がお認めになられたというのであれば、ワタクシも貴女様に忠誠を誓いましょう」
ホノカはその身に纏った炎を仕舞うと、池の上からするりと降り立ちナマエに向かって膝をついた。
「貴女様を試すような真似をし申し訳ございません、ナマエ様。これよりワタクシ達【火】属性は、貴女様の力となりましょう」
そう言うと、ホノカはナマエの顔に手を翳した。
また炎が向かってくるのかと目を瞑っていると、耳元が微かに温かくなった。
「ソレはワタクシの化身。【火】を統べる者の証でございますわ」
ナマエが確かめるように耳元を触ると、そこには今までなかったピアスがあった。
「ソレはどんな【水】にもかき消すことが出来ない意志の表れ。もちろん、まだ会っていないクラーケン殿の【水】にも負けませんわ」
「その色……ルビーか?」
「えぇ。しかし、ただのルビーではございませんわ。ナマエ様、お命じくださいませ――貴女様のご命令に、ワタクシ達は全身全霊でお応え致しましょう」
「……私は誰にも“命令”する気はないよ」
「どういう意味でございましょう?」
ナマエの言葉の真意を汲み取れないといった顔をしながら、ホノカは首を傾げた。
「そのままの意味だよ。私には誰かに“命令”する気もなければ、そんな資格もない。何も知らない、名ばかりの【Fate】だからね」
「それは違うぞ、ナマエ!?」