精霊
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神々しい光を薄っすらと放ちながら立つナマエは、普段とはまったく違う空気を纏っていた。その事が起因となり、3人はナマエに言葉をかけることが出来なくなっていたのだ。
「そんなに違うの?」
「あぁ。鏡があったら今のお前の姿を見せてやりたいくらいだよ」
苦笑してみせるクロロに、ナマエは何とも言い難い気持ちになった。
そんな居心地の悪い空気の中、いきなり地響きがし始めた。
「ちょっ……今度は何!?」
「ベヒモスのお出ましですねェ」
呑気に笑うハヤテ以外は、体勢を崩さないよう足に力を入れて踏ん張っているのが精一杯だった。
やがて地響きが収まると、今度は四方八方から嗄れた声が木霊した。
「ノーム達が騒ぎよるから来てみれば……ほんに先代と瓜二つじゃのう」
「私はナマエ。先代より【エラトー】の“力”と【Fate】の名を受け継ぎし者」
「ほっほっほ。なる程なる程。確かにお主の雰囲気もオーラも、何もかもが先代と瓜二つじゃ」
「姿を現したらどうだい?ベヒモス」
木霊する声の大元を知っているかのように、ハヤテは一箇所を見つめながら目を細めた。
「ジンとフェンリルを連れて来たのか……なる程のう」
木霊は段々と小さくなり、身震いするほど大きなオーラが木々の間から現れた。
「ワシは全ての【大地】を守護するベヒモス、名をイサクと申す。以後お見知りおきを、新たな守護者よ」
声の主は、そのオーラからは想像できないような杖を手にした小柄な老人だった。
「“あの時”は何も出来ず、お主に辛い思いをさせてしまった。誠に申し訳ない」
イサクと名乗った老人は、杖を置き、ナマエに向かって膝を折り頭を下げた。
「どうかその様な事はしないでください。私は貴方に謝って欲しくて来たわけではありません。貴方のその“力”をお借りしたく参りました」
イサクに向き合いながら膝を折り、ナマエは視線を合わせるように彼の顔を覗き込んだ。
「ワシの……“力”ですと?」
「えぇ。貴方の“力”で、先代を討った“魔女”の捜索にご助力頂きたい」
「……見つけたとして、お主は何をするおつもりか?」
「理由を問いただしたい。何故先代を討ったのか、何故【エラトー】を恐れるのか。その理由を確かめたいのです」
「ふむ……」
「無理にとは言いません。しかし、既に私に協力してくれているモノ達を咎めないで欲しい」
「それは――若き“妖精”達の事ですかな?」
「そうです。コウヤとレイ、それにソーマ。3人は自らの意志で私の元へ来てくれました。どうか……あの3人を罰する事だけはお止めください」
確固たる意志を目に宿しながら、ナマエはイサクと向き合っていた。
「3人は今、残りの上位精霊を探しに各地へ散らばっています。私が命じたわけでもなく、自らの意志で動いてくれているのです。私はそんな彼等を裏切る事は出来ません。貴方のご協力を得られないのであれば、それは仕方がない事。しかし、ここで私が貴方に屈しては3人に会わせる顔が無い。ですから、どうかあの3人を罰する事だけはお止め頂きたいのです」
「お主は……どこまでも先代と似ておるのですな」
「?」
「“妖精”なぞ、いくらでも代わりが利くモノ。そんなモノ達の為に、こうしてワシに膝を折ってまで真っ直ぐに心の内を話してくださる」
「私には貴方達の上下関係も力関係も分かりません。それでも、自分の為に力を貸してくれるモノ達を見捨てる事など出来ません」
「……解り申した。この老いぼれの“力”で良ければ、いくらでも使うが良かろう。今この時から、【地】に属するモノは貴女様の為に“力”を使いましょうぞ。ノーム達よ!」
イサクは立ち上がり、先程集まっていたノームを呼び出した。それに倣い、ナマエも立ち上がる。
「そんなに違うの?」
「あぁ。鏡があったら今のお前の姿を見せてやりたいくらいだよ」
苦笑してみせるクロロに、ナマエは何とも言い難い気持ちになった。
そんな居心地の悪い空気の中、いきなり地響きがし始めた。
「ちょっ……今度は何!?」
「ベヒモスのお出ましですねェ」
呑気に笑うハヤテ以外は、体勢を崩さないよう足に力を入れて踏ん張っているのが精一杯だった。
やがて地響きが収まると、今度は四方八方から嗄れた声が木霊した。
「ノーム達が騒ぎよるから来てみれば……ほんに先代と瓜二つじゃのう」
「私はナマエ。先代より【エラトー】の“力”と【Fate】の名を受け継ぎし者」
「ほっほっほ。なる程なる程。確かにお主の雰囲気もオーラも、何もかもが先代と瓜二つじゃ」
「姿を現したらどうだい?ベヒモス」
木霊する声の大元を知っているかのように、ハヤテは一箇所を見つめながら目を細めた。
「ジンとフェンリルを連れて来たのか……なる程のう」
木霊は段々と小さくなり、身震いするほど大きなオーラが木々の間から現れた。
「ワシは全ての【大地】を守護するベヒモス、名をイサクと申す。以後お見知りおきを、新たな守護者よ」
声の主は、そのオーラからは想像できないような杖を手にした小柄な老人だった。
「“あの時”は何も出来ず、お主に辛い思いをさせてしまった。誠に申し訳ない」
イサクと名乗った老人は、杖を置き、ナマエに向かって膝を折り頭を下げた。
「どうかその様な事はしないでください。私は貴方に謝って欲しくて来たわけではありません。貴方のその“力”をお借りしたく参りました」
イサクに向き合いながら膝を折り、ナマエは視線を合わせるように彼の顔を覗き込んだ。
「ワシの……“力”ですと?」
「えぇ。貴方の“力”で、先代を討った“魔女”の捜索にご助力頂きたい」
「……見つけたとして、お主は何をするおつもりか?」
「理由を問いただしたい。何故先代を討ったのか、何故【エラトー】を恐れるのか。その理由を確かめたいのです」
「ふむ……」
「無理にとは言いません。しかし、既に私に協力してくれているモノ達を咎めないで欲しい」
「それは――若き“妖精”達の事ですかな?」
「そうです。コウヤとレイ、それにソーマ。3人は自らの意志で私の元へ来てくれました。どうか……あの3人を罰する事だけはお止めください」
確固たる意志を目に宿しながら、ナマエはイサクと向き合っていた。
「3人は今、残りの上位精霊を探しに各地へ散らばっています。私が命じたわけでもなく、自らの意志で動いてくれているのです。私はそんな彼等を裏切る事は出来ません。貴方のご協力を得られないのであれば、それは仕方がない事。しかし、ここで私が貴方に屈しては3人に会わせる顔が無い。ですから、どうかあの3人を罰する事だけはお止め頂きたいのです」
「お主は……どこまでも先代と似ておるのですな」
「?」
「“妖精”なぞ、いくらでも代わりが利くモノ。そんなモノ達の為に、こうしてワシに膝を折ってまで真っ直ぐに心の内を話してくださる」
「私には貴方達の上下関係も力関係も分かりません。それでも、自分の為に力を貸してくれるモノ達を見捨てる事など出来ません」
「……解り申した。この老いぼれの“力”で良ければ、いくらでも使うが良かろう。今この時から、【地】に属するモノは貴女様の為に“力”を使いましょうぞ。ノーム達よ!」
イサクは立ち上がり、先程集まっていたノームを呼び出した。それに倣い、ナマエも立ち上がる。