精霊
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「待ってクロロ」
「何だ?」
「この子達からは明らかな敵意を感じない。だからそのナイフをしまって」
「……わかった」
渋々といった感じでナイフをしまうクロロを視認し、ナマエはハヤテがノームと呼んだ子供等に視線を合わせた。
「私はナマエ。ナマエ・ミョウジ。【ニーベルングの指環】の守り人をしている。今日は貴方達の長に会いたくて来た。会わせてもらえないかな?」
「……ミョウジ?ミョウジって事は――“彼女”の身内なの?!」
「あァ、そうさ。ナマエは“彼女”の娘であり、後継者なのさ」
「後継者?――って事は……」
「そうだ。ナマエは【指環】の守り人と共に、【白き魔女】の名も受け継いでいる」
「【白き魔女】?何それ??初耳なんだけど!?」
カゲロウの口から出た言葉に、ナマエは耳を疑った。
「【エラトー】とはお前の身体に流れる【女神】の血。【白き魔女】とはその血流の事だ」
「……」
「じゃあ、証拠を見せてよ!証拠がないんなら、ベヒモス様のところには連れていけない!!」
「そうだ!証拠を見せろ!!」
「お嬢様、【エラトー】の召喚をされた方がよろしいみたいですよォ」
ノーム達が騒ぎ出すと、ハヤテはニヤニヤと笑いながらナマエを見た。
「召喚しろって……自分の意志で喚んだこと無いんだけど?!」
「大丈夫だ。深呼吸して落ち着け。先代の様に喚び出すんだ」
「喚び出す?お母さんみたいに??」
「そうですねェ……一番手っ取り早いのは強制的に喚び出す方法になるんですけどねェ」
「強制的にだと?」
「原理としては【念能力】と同じでな。我輩やハヤテがナマエの中に眠っている【エラトー】を喚び起こす方法があるのだ」
「んー……それは避けたいなぁ。出来れば自分の意志で喚び出したい」
唸りながら考え込むナマエだが、一向に答えが見出だせずにいた。
「どうする?奴等に喚び出させるのか?」
「いや……自分で喚び出す」
ゆっくりと目を瞑りながら大きく息を吸い込むと、ナマエは小さな声で歌を紡ぎ出した。
「皆、迷いの中で光を探し歩き疲れて
不意に全てが嫌になってしまい立ち止まる
そして帰る場所を求めるのだと誰かが言った
そんな気がして見上げる空の彼方
“きっと明日は来る”と
“未来は在る”と信じてみよう
例え小さな歩幅でさえ確実に進む
そしていつの日にか胸を張って
誰かの為に両手広げて迎えるのさ
『おかえりなさい』♪」
ナマエの紡ぐ歌声に合わせるかのように、その身は光で包まれ仄かに輝きだした。
「やはり記憶の奥底に眠っていたんですねェ」
「あぁ。先代が歌っていた歌そのものだ」
「まさか……歌っただけで喚び出したというのか?」
感心する2人とは対照的に、クロロは信じられないといった表情でナマエを見据えていた。
「我が名は【エラトー】。この娘の内に秘められし【女神】なり」
「ほ……本物だ!」
「あの時と同じ人だ!!」
「ベヒモス様に知らせなきゃッ!」
その場にいたノーム達は我先にと駆け出していた。
「おっ、おい待て!」
「慌てなくとも、ベヒモス自らがこの場にやって来ようぞ」
「しかし……」
「案ずるな。意識はこの娘に返す。それならば、最低限の負担のみでこの姿を保てる」
慌てるクロロに対し、【エラトー】は薄っすらと笑みを浮かべてその気配を消した。
【エラトー】の姿をしたナマエを、3人は何も言わずに見つめていた。
「ちょっと」
「何でしょう?お嬢様」
「何で誰も何も言わないのさ?!」
「今の吾輩達は、お前の従者だからな」
「ナマエとはかけ離れすぎてて……何を言ったら良いのか、正直分からないんだよ」
「何だ?」
「この子達からは明らかな敵意を感じない。だからそのナイフをしまって」
「……わかった」
渋々といった感じでナイフをしまうクロロを視認し、ナマエはハヤテがノームと呼んだ子供等に視線を合わせた。
「私はナマエ。ナマエ・ミョウジ。【ニーベルングの指環】の守り人をしている。今日は貴方達の長に会いたくて来た。会わせてもらえないかな?」
「……ミョウジ?ミョウジって事は――“彼女”の身内なの?!」
「あァ、そうさ。ナマエは“彼女”の娘であり、後継者なのさ」
「後継者?――って事は……」
「そうだ。ナマエは【指環】の守り人と共に、【白き魔女】の名も受け継いでいる」
「【白き魔女】?何それ??初耳なんだけど!?」
カゲロウの口から出た言葉に、ナマエは耳を疑った。
「【エラトー】とはお前の身体に流れる【女神】の血。【白き魔女】とはその血流の事だ」
「……」
「じゃあ、証拠を見せてよ!証拠がないんなら、ベヒモス様のところには連れていけない!!」
「そうだ!証拠を見せろ!!」
「お嬢様、【エラトー】の召喚をされた方がよろしいみたいですよォ」
ノーム達が騒ぎ出すと、ハヤテはニヤニヤと笑いながらナマエを見た。
「召喚しろって……自分の意志で喚んだこと無いんだけど?!」
「大丈夫だ。深呼吸して落ち着け。先代の様に喚び出すんだ」
「喚び出す?お母さんみたいに??」
「そうですねェ……一番手っ取り早いのは強制的に喚び出す方法になるんですけどねェ」
「強制的にだと?」
「原理としては【念能力】と同じでな。我輩やハヤテがナマエの中に眠っている【エラトー】を喚び起こす方法があるのだ」
「んー……それは避けたいなぁ。出来れば自分の意志で喚び出したい」
唸りながら考え込むナマエだが、一向に答えが見出だせずにいた。
「どうする?奴等に喚び出させるのか?」
「いや……自分で喚び出す」
ゆっくりと目を瞑りながら大きく息を吸い込むと、ナマエは小さな声で歌を紡ぎ出した。
「皆、迷いの中で光を探し歩き疲れて
不意に全てが嫌になってしまい立ち止まる
そして帰る場所を求めるのだと誰かが言った
そんな気がして見上げる空の彼方
“きっと明日は来る”と
“未来は在る”と信じてみよう
例え小さな歩幅でさえ確実に進む
そしていつの日にか胸を張って
誰かの為に両手広げて迎えるのさ
『おかえりなさい』♪」
ナマエの紡ぐ歌声に合わせるかのように、その身は光で包まれ仄かに輝きだした。
「やはり記憶の奥底に眠っていたんですねェ」
「あぁ。先代が歌っていた歌そのものだ」
「まさか……歌っただけで喚び出したというのか?」
感心する2人とは対照的に、クロロは信じられないといった表情でナマエを見据えていた。
「我が名は【エラトー】。この娘の内に秘められし【女神】なり」
「ほ……本物だ!」
「あの時と同じ人だ!!」
「ベヒモス様に知らせなきゃッ!」
その場にいたノーム達は我先にと駆け出していた。
「おっ、おい待て!」
「慌てなくとも、ベヒモス自らがこの場にやって来ようぞ」
「しかし……」
「案ずるな。意識はこの娘に返す。それならば、最低限の負担のみでこの姿を保てる」
慌てるクロロに対し、【エラトー】は薄っすらと笑みを浮かべてその気配を消した。
【エラトー】の姿をしたナマエを、3人は何も言わずに見つめていた。
「ちょっと」
「何でしょう?お嬢様」
「何で誰も何も言わないのさ?!」
「今の吾輩達は、お前の従者だからな」
「ナマエとはかけ離れすぎてて……何を言ったら良いのか、正直分からないんだよ」