精霊
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「探すって……心当たりでもあるのか?」
「正直言って、心当たりはないです。なので、自分達と同等の下級精霊達を当たります」
「同じ下級精霊でも、自分の【属性】の長が何処にいるのか位は把握しているはずですから」
「なら、ワタシはベヒモスに会ってきましょうかねェ」
コウヤ達の言葉に疑問を投げかけたクロロだが、彼等の言葉に安堵感を示した。
そこにハヤテが割って入り、コウヤ達【地】の“妖精”3人は目を見開いた。
「ベヒモス様に、ですか?」
「えェ。どうせなら、貴方達以外の“妖精”にも協力を得た方が早いですしねェ」
「しかし、今回の件は自分達が勝手に……」
「だからですよォ。自分の配下のモノが勝手に動き回っていたら、良い気はしませんからねェ」
いつもの調子を取り戻したハヤテの言動に、ナマエは同意をした。
「確かに、今回はハヤテの言う通りだと思う。悪いけど、貴方達の長に会って話を通させてもらう。それが筋ってモンだからね」
「かしこまりました。しかし――ベヒモス様は大変おおらかとはいえ、いきなりのお申し出に快いお返事をして頂けるか……」
「大丈夫。そこをなんとかするのが私の役目でもあるから」
そう言うと、ナマエは何か考えがあるのか不敵な笑みを浮かべた。
それから数日後。ハヤテに先導されて、ナマエ達は自分が住んでいる国にある一番大きな山の麓へと来ていた。
「この山の中腹に、ベヒモスの棲家がありますよォ」
「ほぉ……意外と人間の近くにいるもんなんだな」
「ベヒモス殿は吾輩達の中でも、一番“人間”を理解しようとしている御方だ。極稀にではあるが、山を下りて“人間観察”をしておられる」
「“人間観察”、ねぇ……」
ふむ、と考え込みながらもナマエの視線は目の前にある山を見上げたままだった。
「さァて、行きましょうかお嬢様」
「あぁ。“人間”が敵ばかりではない事、今回の目的を達成させたい“理由”。それをまずは解って貰いたい。それを理解して貰えれば……」
「そう気難しく考えなくてもいい、ナマエ。ありのままのお前でお会いすればいいのだ」
「そうだな。変に猫を被る必要はないとオレは思うよ」
「猫を被るつもりはないよ、クロロ。私はありのままの自分の言葉で、ベヒモスと話し合いたいと思ってるだけ」
確かな意志を瞳に宿し、ナマエは山の中へと足を踏み入れた。
どの位その山を登ったのかは誰にも分からない。只管藪の中を歩き、上を目指していた。
誰もが口を閉ざし、目指すは【地】の上位精霊:ベヒモスの棲家。
そこがどんな場所なのか、ハヤテは知っているのかどうかすら判らないが、何も言わない。
「あれ?“人間”??」
藪を抜けて鬱蒼と生い茂った木々の隙間を縫うように歩いていると、何処からともなく幼い子供の声が聞こえてきた。
「珍しいなぁ。この山は、地元じゃ聖域だって言われて“人間”が入ってくる事なんてまず無いのに」
「ここにいるって事は、キミ達はノームかい?」
「僕達の事を知っているって事は、貴方達は僕達と同じ“妖精”なの?」
「あぁ。吾輩とこのいけ好かない男は“精霊”だ」
「なら、残りの2人は?」
「ワタシ達の主と、その主に好意を寄せているただの“人間”さァ」
「ふ~ん……で、何で貴方達はベヒモス様の領域に来ているの?」
「ベヒモス様の領域を荒らす為に来たって言うなら、例え“精霊”でも殺さなきゃ」
「僕達はベヒモス様のためならなんだってやるんだ」
ケラケラと笑いながら、ハヤテがノームと呼んだ声の主は姿を現した。
現れたのは年端もいかぬ数人の子供だった。
「子供……?」
「ただの子供ってワケではなさそうだな」
目の前に姿を現したノームの姿に呆気にとられているナマエとは対象的に、クロロは臨戦態勢に入った。
「正直言って、心当たりはないです。なので、自分達と同等の下級精霊達を当たります」
「同じ下級精霊でも、自分の【属性】の長が何処にいるのか位は把握しているはずですから」
「なら、ワタシはベヒモスに会ってきましょうかねェ」
コウヤ達の言葉に疑問を投げかけたクロロだが、彼等の言葉に安堵感を示した。
そこにハヤテが割って入り、コウヤ達【地】の“妖精”3人は目を見開いた。
「ベヒモス様に、ですか?」
「えェ。どうせなら、貴方達以外の“妖精”にも協力を得た方が早いですしねェ」
「しかし、今回の件は自分達が勝手に……」
「だからですよォ。自分の配下のモノが勝手に動き回っていたら、良い気はしませんからねェ」
いつもの調子を取り戻したハヤテの言動に、ナマエは同意をした。
「確かに、今回はハヤテの言う通りだと思う。悪いけど、貴方達の長に会って話を通させてもらう。それが筋ってモンだからね」
「かしこまりました。しかし――ベヒモス様は大変おおらかとはいえ、いきなりのお申し出に快いお返事をして頂けるか……」
「大丈夫。そこをなんとかするのが私の役目でもあるから」
そう言うと、ナマエは何か考えがあるのか不敵な笑みを浮かべた。
それから数日後。ハヤテに先導されて、ナマエ達は自分が住んでいる国にある一番大きな山の麓へと来ていた。
「この山の中腹に、ベヒモスの棲家がありますよォ」
「ほぉ……意外と人間の近くにいるもんなんだな」
「ベヒモス殿は吾輩達の中でも、一番“人間”を理解しようとしている御方だ。極稀にではあるが、山を下りて“人間観察”をしておられる」
「“人間観察”、ねぇ……」
ふむ、と考え込みながらもナマエの視線は目の前にある山を見上げたままだった。
「さァて、行きましょうかお嬢様」
「あぁ。“人間”が敵ばかりではない事、今回の目的を達成させたい“理由”。それをまずは解って貰いたい。それを理解して貰えれば……」
「そう気難しく考えなくてもいい、ナマエ。ありのままのお前でお会いすればいいのだ」
「そうだな。変に猫を被る必要はないとオレは思うよ」
「猫を被るつもりはないよ、クロロ。私はありのままの自分の言葉で、ベヒモスと話し合いたいと思ってるだけ」
確かな意志を瞳に宿し、ナマエは山の中へと足を踏み入れた。
どの位その山を登ったのかは誰にも分からない。只管藪の中を歩き、上を目指していた。
誰もが口を閉ざし、目指すは【地】の上位精霊:ベヒモスの棲家。
そこがどんな場所なのか、ハヤテは知っているのかどうかすら判らないが、何も言わない。
「あれ?“人間”??」
藪を抜けて鬱蒼と生い茂った木々の隙間を縫うように歩いていると、何処からともなく幼い子供の声が聞こえてきた。
「珍しいなぁ。この山は、地元じゃ聖域だって言われて“人間”が入ってくる事なんてまず無いのに」
「ここにいるって事は、キミ達はノームかい?」
「僕達の事を知っているって事は、貴方達は僕達と同じ“妖精”なの?」
「あぁ。吾輩とこのいけ好かない男は“精霊”だ」
「なら、残りの2人は?」
「ワタシ達の主と、その主に好意を寄せているただの“人間”さァ」
「ふ~ん……で、何で貴方達はベヒモス様の領域に来ているの?」
「ベヒモス様の領域を荒らす為に来たって言うなら、例え“精霊”でも殺さなきゃ」
「僕達はベヒモス様のためならなんだってやるんだ」
ケラケラと笑いながら、ハヤテがノームと呼んだ声の主は姿を現した。
現れたのは年端もいかぬ数人の子供だった。
「子供……?」
「ただの子供ってワケではなさそうだな」
目の前に姿を現したノームの姿に呆気にとられているナマエとは対象的に、クロロは臨戦態勢に入った。