精霊
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悲しげに表情を歪めたナマエを見て、ハヤテは驚いた。
最初はからかい半分で言ってみたのだが、ナマエの表情の変化を目の当たりにし初めて後悔した。先代との約束を守る事を、危うく反故にする所であったと気付いたのだ。
「……申し訳ありません、お嬢様。冗談が過ぎました。どうかワタシの言った事はお忘れください」
今まで見せたことも無い真剣な表情で跪くハヤテ。
「世の中には言って良い嘘と悪い嘘がある。その違いが何か、解かる?」
「?」
罵倒されると思っていたハヤテだが、頭上から降ってきたのは冷静なナマエの声だった。
「他人を守るために吐くのは良い嘘。欺いたり陥れたりするために吐くのは悪い嘘。さっきのアンタが吐いたのは、どっちの嘘か解かるよな?」
「……悪い嘘、でございます」
「立て」
「…………」
ナマエの怒気を含んだ声に、ハヤテは何も言わずに無言で従った。
「【ニーベルングの指環】の守り人として“命令”する。風の上位精霊:ジンのハヤテ」
「……」
「これ以上私に嘘を吐くな。私を欺こうとするな。いいな?」
「……仰せのままに」
「お前の知っている事を、嘘偽り無く教えろ」
冷徹な瞳でハヤテを見つめながら、ナマエは冷たい声音で命令した。しかしながら、ハヤテはナマエから視線を逸らし答えようとしない。
「ハヤテ。私は気が長くないってのは知ってるだろ?さっさと教えろ」
「……先代達を陥れたのは――【ルシファー】という悪魔を崇拝する“魔女”達の一部です」
「【ルシファー】?」
「はい。ワタシが先代よりお伺いしたお話では、女神【エラトー】を敵視する“魔女”がいるというものです。【エラトー】の“力”は我々“精霊”にも計り知れぬもの。そんな“力”を持つ者を、“魔女”達は見逃すはずがありません。事実、先代はその“力”の所為で狙われ命を失ったのでございます」
「随分と身勝手な理由だな」
「そうですね。ナマエ様の母君様はとてもお優しい御方でした。しかし、【エラトー】の“力”を使われる事を恐れた“魔女”達によってそのお命を奪われたのです」
クロロの声に、コウヤは残念そうに答えた。
「先代はあたし達みたいな下級の“妖精”にもお優しかった……」
「……“魔女”…………許せない」
「皆は……お母さんに会ったことがあるの?」
「えぇ。今回ナマエ様の声に応えた自分達は、先代への恩返しの意味も込めて来ました」
「恩返し?」
「そう。恩返しです。あたし達3人は、この地に棲む“妖精”です。この土地は先代の“お力”のおかげで平穏に満ちていました。しかし……その平穏はいきなり奪われたのです」
「“魔女”達の襲撃……か?」
「そうです。先代は自分達を喚んだが……」
「……力不足」
「ワタシが喚ばれた時には――既に遅かった。“指環”に飲まれ、自我を失った先代を……ワタシ達に止める術はなかった」
「それでシルバ小父様達が……そういう事なんだね?」
重い空気に包まれた空間。誰もが各々の想いを胸に、顔を伏せていた。
「ようやく事態が飲み込めた。そういう事なら、オレも邪魔にならない程度に協力するよ」
努めて明るく振る舞うクロロだが、その空気は変わることはなかった。
「クロロの気持ちは嬉しい。けど、巻き込むわけにはいかない。コレは【Fate】が付けるべきケジメだ」
「そうだな……先代と父上を嵌めて殺めた罪、その身をもって思い知らせてやろう」
「それでは、自分達はまずフェニックス様とクラーケン様の居場所を探して参ります」
コウヤの言葉に、レイとソーマは立ち上がった。
「あたしとコウヤはフェニックス様を探す。ソーマは……」
「……クラーケン様…………探す」
最初はからかい半分で言ってみたのだが、ナマエの表情の変化を目の当たりにし初めて後悔した。先代との約束を守る事を、危うく反故にする所であったと気付いたのだ。
「……申し訳ありません、お嬢様。冗談が過ぎました。どうかワタシの言った事はお忘れください」
今まで見せたことも無い真剣な表情で跪くハヤテ。
「世の中には言って良い嘘と悪い嘘がある。その違いが何か、解かる?」
「?」
罵倒されると思っていたハヤテだが、頭上から降ってきたのは冷静なナマエの声だった。
「他人を守るために吐くのは良い嘘。欺いたり陥れたりするために吐くのは悪い嘘。さっきのアンタが吐いたのは、どっちの嘘か解かるよな?」
「……悪い嘘、でございます」
「立て」
「…………」
ナマエの怒気を含んだ声に、ハヤテは何も言わずに無言で従った。
「【ニーベルングの指環】の守り人として“命令”する。風の上位精霊:ジンのハヤテ」
「……」
「これ以上私に嘘を吐くな。私を欺こうとするな。いいな?」
「……仰せのままに」
「お前の知っている事を、嘘偽り無く教えろ」
冷徹な瞳でハヤテを見つめながら、ナマエは冷たい声音で命令した。しかしながら、ハヤテはナマエから視線を逸らし答えようとしない。
「ハヤテ。私は気が長くないってのは知ってるだろ?さっさと教えろ」
「……先代達を陥れたのは――【ルシファー】という悪魔を崇拝する“魔女”達の一部です」
「【ルシファー】?」
「はい。ワタシが先代よりお伺いしたお話では、女神【エラトー】を敵視する“魔女”がいるというものです。【エラトー】の“力”は我々“精霊”にも計り知れぬもの。そんな“力”を持つ者を、“魔女”達は見逃すはずがありません。事実、先代はその“力”の所為で狙われ命を失ったのでございます」
「随分と身勝手な理由だな」
「そうですね。ナマエ様の母君様はとてもお優しい御方でした。しかし、【エラトー】の“力”を使われる事を恐れた“魔女”達によってそのお命を奪われたのです」
クロロの声に、コウヤは残念そうに答えた。
「先代はあたし達みたいな下級の“妖精”にもお優しかった……」
「……“魔女”…………許せない」
「皆は……お母さんに会ったことがあるの?」
「えぇ。今回ナマエ様の声に応えた自分達は、先代への恩返しの意味も込めて来ました」
「恩返し?」
「そう。恩返しです。あたし達3人は、この地に棲む“妖精”です。この土地は先代の“お力”のおかげで平穏に満ちていました。しかし……その平穏はいきなり奪われたのです」
「“魔女”達の襲撃……か?」
「そうです。先代は自分達を喚んだが……」
「……力不足」
「ワタシが喚ばれた時には――既に遅かった。“指環”に飲まれ、自我を失った先代を……ワタシ達に止める術はなかった」
「それでシルバ小父様達が……そういう事なんだね?」
重い空気に包まれた空間。誰もが各々の想いを胸に、顔を伏せていた。
「ようやく事態が飲み込めた。そういう事なら、オレも邪魔にならない程度に協力するよ」
努めて明るく振る舞うクロロだが、その空気は変わることはなかった。
「クロロの気持ちは嬉しい。けど、巻き込むわけにはいかない。コレは【Fate】が付けるべきケジメだ」
「そうだな……先代と父上を嵌めて殺めた罪、その身をもって思い知らせてやろう」
「それでは、自分達はまずフェニックス様とクラーケン様の居場所を探して参ります」
コウヤの言葉に、レイとソーマは立ち上がった。
「あたしとコウヤはフェニックス様を探す。ソーマは……」
「……クラーケン様…………探す」