精霊
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「ハヤテってそんなに偉い立場だったんか……」
「お嬢様はご存知なかったのですね。ジンは【風】を操る【属性】の中でも上位の“精霊”でございます。今回お嬢様の願いに応えた3人は下位の“妖精”。流石にいきなり上位精霊を呼ぶことは叶わなかったようですわね」
「ほぉ……お前達にも上下関係があったんだな」
「そりゃぁありますよォ。“人間”と同じでしてねェ、ワタシ達にだって秩序はありますからねェ」
クツクツと笑うハヤテだが、その瞳にはいつもと違い冷たい闇の色を宿していた。
そんなハヤテに対し、ナマエは背筋に冷たいモノが流れるのを感じた。
「ハヤテ、貴様の今持っている情報を全て吐け」
「おやおやカゲロウ。どうしたんですかァ?そんなに怖い顔をして」
「はぐらかそうとするな!吾輩には解かるぞ……貴様はナマエに対して何かを隠しているという事位はな!!」
「へェ……ワタシに喧嘩を売るつもりですかァ?それは【氷雪の魔狼】フェンリルとしてですかァ?それとも――」
「吾輩は【Fate】だ……【氷雪の魔狼】である事など、とっくの昔に捨て去ったわ!」
「【魔狼】だと?」
またもやおとぎ話に出てくるような呼び名を聞き、クロロは眉を顰めた。
「カゲロウはこう見えて、【氷】の上位精霊でございます。本人は“精霊”としての“力”ではなく、【念能力】を好んで使っているので知る者は少ないのですが……」
「確かにオレが読んだ事のある本にも【氷雪の魔狼】についての記載はあったが……」
「……オレは【Fate】である事を選んだその時から、その呼び名を捨てた」
ハヤテを睨みつけながら、カゲロウは呟くように言い切った。
「カゲロウはカゲロウだよ。例え上位の“精霊”だとしても、私の“家族”に変わりはない。それよりもハヤテ」
「なんでしょう?」
「私に隠している事、話して貰おうか」
険しい顔つきで言うナマエを見つめながら、ハヤテは逡巡した。
(ふむ……ここでワタシの情報を差し出せば、お嬢様に恩を売ることは出来るが……先代との約束もありますしねェ。どうしたものでしょうかねェ)
眉間に皺を寄せながら考え込むハヤテ。そんな彼を睨みつけるカゲロウ。
そんな2人を、ナマエに呼び出された3人の“妖精”はハラハラしながら見ていた。
「で?もちろん話してくれるんだよな?」
「そうですねェ……お嬢様がワタシの条件を飲んでくださるなら、考えましょう」
「条件?」
「えェ。なァに、簡単な条件ですよォ。この条件を飲んで頂けるのであれば、今ワタシが知っている限りの情報をお教え致しましょう」
悪どい笑みを浮かべながら言うハヤテの言葉に、ナマエは嫌な予感しかしなかった。
「それで、条件というのは?」
顔を顰めて無言でいるナマエの代わりに、クロロが先を促した。
「ワタシとお付き合いしてくださるだけ。それだけでワタシが今持っている情報をお教え致しましょう」
「断る」
「アナタには訊いていませんよォ。如何です?お嬢様。お嬢様の一言で、ワタシは剣にも盾にもなりますよォ」
「……やはり貴様は気に食わんな」
「アナタ方に嫌われても、ワタシは気にしませんよォ。ワタシはお嬢様にさえ認めて頂ければ、それだけで良いのですからねェ」
ニタリと嫌な笑みを浮かべるハヤテ。そんな彼の言葉に、ナマエは更に顔を顰めた。
「ナマエ」
「何?クロロ」
「蜘蛛の――シャルの情報網を使えばいいだろ。こんな奴、相手にするな」
「私は誰かに頼りたくない。自分の“力”で遣り遂げたい」
「お心は決まりましたかァ?」
「あぁ。お前との付き合いはここまでだ……“家族”だと思っていたのは、私だけだったみたいだな」
「お嬢様はご存知なかったのですね。ジンは【風】を操る【属性】の中でも上位の“精霊”でございます。今回お嬢様の願いに応えた3人は下位の“妖精”。流石にいきなり上位精霊を呼ぶことは叶わなかったようですわね」
「ほぉ……お前達にも上下関係があったんだな」
「そりゃぁありますよォ。“人間”と同じでしてねェ、ワタシ達にだって秩序はありますからねェ」
クツクツと笑うハヤテだが、その瞳にはいつもと違い冷たい闇の色を宿していた。
そんなハヤテに対し、ナマエは背筋に冷たいモノが流れるのを感じた。
「ハヤテ、貴様の今持っている情報を全て吐け」
「おやおやカゲロウ。どうしたんですかァ?そんなに怖い顔をして」
「はぐらかそうとするな!吾輩には解かるぞ……貴様はナマエに対して何かを隠しているという事位はな!!」
「へェ……ワタシに喧嘩を売るつもりですかァ?それは【氷雪の魔狼】フェンリルとしてですかァ?それとも――」
「吾輩は【Fate】だ……【氷雪の魔狼】である事など、とっくの昔に捨て去ったわ!」
「【魔狼】だと?」
またもやおとぎ話に出てくるような呼び名を聞き、クロロは眉を顰めた。
「カゲロウはこう見えて、【氷】の上位精霊でございます。本人は“精霊”としての“力”ではなく、【念能力】を好んで使っているので知る者は少ないのですが……」
「確かにオレが読んだ事のある本にも【氷雪の魔狼】についての記載はあったが……」
「……オレは【Fate】である事を選んだその時から、その呼び名を捨てた」
ハヤテを睨みつけながら、カゲロウは呟くように言い切った。
「カゲロウはカゲロウだよ。例え上位の“精霊”だとしても、私の“家族”に変わりはない。それよりもハヤテ」
「なんでしょう?」
「私に隠している事、話して貰おうか」
険しい顔つきで言うナマエを見つめながら、ハヤテは逡巡した。
(ふむ……ここでワタシの情報を差し出せば、お嬢様に恩を売ることは出来るが……先代との約束もありますしねェ。どうしたものでしょうかねェ)
眉間に皺を寄せながら考え込むハヤテ。そんな彼を睨みつけるカゲロウ。
そんな2人を、ナマエに呼び出された3人の“妖精”はハラハラしながら見ていた。
「で?もちろん話してくれるんだよな?」
「そうですねェ……お嬢様がワタシの条件を飲んでくださるなら、考えましょう」
「条件?」
「えェ。なァに、簡単な条件ですよォ。この条件を飲んで頂けるのであれば、今ワタシが知っている限りの情報をお教え致しましょう」
悪どい笑みを浮かべながら言うハヤテの言葉に、ナマエは嫌な予感しかしなかった。
「それで、条件というのは?」
顔を顰めて無言でいるナマエの代わりに、クロロが先を促した。
「ワタシとお付き合いしてくださるだけ。それだけでワタシが今持っている情報をお教え致しましょう」
「断る」
「アナタには訊いていませんよォ。如何です?お嬢様。お嬢様の一言で、ワタシは剣にも盾にもなりますよォ」
「……やはり貴様は気に食わんな」
「アナタ方に嫌われても、ワタシは気にしませんよォ。ワタシはお嬢様にさえ認めて頂ければ、それだけで良いのですからねェ」
ニタリと嫌な笑みを浮かべるハヤテ。そんな彼の言葉に、ナマエは更に顔を顰めた。
「ナマエ」
「何?クロロ」
「蜘蛛の――シャルの情報網を使えばいいだろ。こんな奴、相手にするな」
「私は誰かに頼りたくない。自分の“力”で遣り遂げたい」
「お心は決まりましたかァ?」
「あぁ。お前との付き合いはここまでだ……“家族”だと思っていたのは、私だけだったみたいだな」